観劇+αの日々
■Kバレエ くるみ割り人形
★★★★
なぜかちぐはぐな公演が続いておりました今年のKバレエくるみ。ようやく昨日のソワレ(折り返し地点)でKバレエらしいものがみれてほっとして、その勢いに乗ってほしいと思っていたこの公演。色々ありましたが、結果的には楽しい公演でした。
この組み合わせ、呪われてるんじゃないかと思ったのが2幕のマリー姫の登場シーン。本来はネズミの絵がくるっと回転するはずが回転しなかった・・・。ちょっとだけ透き間が空いたのでそこから浅野さんが出てきたので事なきを得ましたが・・・ひやりとした数秒間でした。
客席に浅野さんか伊坂さんの関係者かなんかいらっしゃったのかなあという雰囲気で、客席の雰囲気がちょっと違ったのは事実です。でも、あんなにグダグダだった姫と王子の物語が、今回はちゃんと見えたことに驚きました。なにがすごかったかって、グランパドドゥのアダージョが一番よかったということ!もちろんこの作品の一番の見せ場ではありますが、まさかこのふたりのアダージョがこんなに素晴らしいなんて思いも寄りませんでした(失礼)。動きはアダージョでしたし派手ななにかがあったわけではないのですが、じわじわと幸福感が伝わってくるというよりは爆発するような多幸感を全力でぶつけてくるような感じ。そういうところが伊坂さんらしいなあと思いつつ、浅野さんもそれにつられている気がしてとてもいい雰囲気でした。浅野さんのマリー姫、20日は「笑ってるだけ」と感じたのですが、今日はちゃんと幸せと喜びを踊っているとわかりました。今まで感情を感じない方だと思っていたのですが、今日はそんなことはありませんでした。ちょっとおてんばな気配を残すお姫様で、王子とは幼なじみで一緒に遊んでたんじゃないかなという雰囲気。そうやってちゃんと物語の背景を考えたくなるマリー姫でした。伊坂さんの王子は相変わらず堅調。なんとなくすべてそつなくこなすけど、どこか飛び抜けたところがあるわけではない方だからなんとなく忘れがちですが、見る度にいつも「やっぱりこの方うまい」と思わされてます。白タイツもそつなく着こなすし、サポートは的確、ソロも勢いがあるけど品を失ってない。感情表現にちょっと元気がありすぎるかなと思うことはありますが、今日はそれがいい方向に作用していた気がします。よくわからないけどいいものをみたという気分になりました。アダージョが終わった後の、なんだかわからないけど幸せ!というあの感覚はちょっと経験のない、不思議なものでした。
杉野さんのドロッセルマイヤーも、彼らしいドロッセルマイヤーが戻ってきてくれて安心しました。踊りもサポートも演技も、全体的に力任せであることは否定しませんが、その勢いが魅力的なんだと思い出しました。はったりきかせるくらいの勢いでぐいぐい押していって、でもクララを見守る眼差しはちゃんと優しい。ベテラン二人とは全く違う個性を持っていますが、なんだかんだで好きなドロッセルマイヤーです。
今のクララ二人だったらたぶん荒薪さんより河合さんの方が杉野さんに合うとは思うのですが、「お疲れさまでした・・・」の一言です。不思議なもので、不安そうにしか見えなかったメイクも、今日は「内気な少女」のものに見えました。はにかんだように笑うのがとてもかわいい。ドロッセルマイヤーとのやりとりも大変かわいらしかったし満足なのですが、パドトロワで杉野さんがリフトしくったのに、パドドゥではちゃんとかわいらしく微笑みながら踊っててくれて安心しました。キャシディさんの、気がつくと的確なところにいるサポートと違ってなんか半歩ずれてる感じのサポートですが、彼女の笑顔にだまされたところはありますが、心地よくだまされることができてよかったです(20日はそれができなかったわけで・・・)。
基本的にみなさまよくなってきたなあと思ったのですが、お疲れだった井上さん。雪の王国で若干それを感じ、花のワルツでそれを確信。実際うまい方なので悪くはないのですが、若干精彩を欠いていた印象でした。まあ、連投の方はほかにもいらっしゃいますが、石橋さんとか益子さんとか、サポート不安定な方と踊ってると疲れるよなあと思います。逆に池本さんや篠宮さんといったサポート盤石な方と踊ってるせいか、中村さんは相変わらず魅力的な踊りでした。中村さんと篠宮さんの花のワルツ、とても好きです。踊りも雰囲気も笑顔も、どれも柔らかくって癒されます。
井上さん若干お疲れもあり、石橋雪の王との雰囲気は若干ちぐはぐでしたが、お互いソロは安定してきていると思います。どうしても昨年のことがあるのでソロがうまくいくとそれだけで安心してしまうのですが(苦笑)。踊りがすごく好きというわけではないのですが、石橋さんの雪の王の雰囲気はなんとなく好きなのです。
人形たちはそんなに変更がなかったのですが、いきなりアラビアが変わりました。なんとなく見覚えのある方でした、身長は低めで、荒薪さんと同じくらいに見えました。顔立ちにも幼さは見えるのですが、つんとすました雰囲気が確かに「アラビア」。よい家のお嬢さんという雰囲気の娘に、どちらかといえば体格のいい男二人がかしずく、おもしろい雰囲気でした。
基本見たことのあるキャストが多いこともあり、人形さんたちの踊りは片目で見ながら、舞台端にいるクララとドロッセルマイヤー見てました。この二人が楽しそうにしてるのを見るのが好きなのです、楽しかったです(矢野さんのロシア、今日はちゃんと体力続いてましたお疲れさまです)。
20日の公演がグダグダでどうなるかと思いましたが、ちゃんとまとまりのある楽しい公演になってました。一安心したというか、20日は何であんなことになっちゃったのか・・・。
メモ。1幕の紳士は篠宮さん(車いすを押している)、ニコライさんと石橋さん(酔っぱらい紳士)、福田さんと誰か(酔っぱらい紳士介抱)、杉野さんと坂元さん、栗山さんと誰か(吉田さん?)、誰か(西口さん?)という感じでした。少年は長島さん、矢野さん(酒匂さん)、和田さん、本田さん、後一名不明。少女は湊さん、河合さん(荒薪さん)、井平さん、後二名不明。淑女は山田さんと西成さん以外はさっぱりわかりません。ネズミ2匹は本人たちの自己申告により益子さんと山本さん確定。なんか見ているとムカついてひっぱたきたくなる・・・もとい、にぎやかな方が益子さんだと思います。フランス人形のパートナーは長島さん、本田さん、あと一人は山本さんかなあ(22日以前は長島さん以外は違ったけど忘れました)。キャスト表にかかれていない人たちはこんな感じでした。
ニコライ酔っぱらい紳士、久しぶりにみましたが、やはり千鳥足がとても自然、うまいなあ。福田紳士は人形劇で子供と一緒にはしゃいでるのがおかしい。以外とお酒飲んでるし、パーティーではしゃぎすぎたのか退場時には腰を痛めてるし、地味にだめだめ紳士でした(笑)。
ゆず
2014/12/23(Tue) 21:11:01
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