観劇+αの日々
■Kバレエ くるみ割り人形(2014/12/21)
マリー姫:浅川紫織
くるみ割り人形/王子:遅沢佑介
ドロッセルマイヤー:ニコライ・ヴィユウジャーニン
クララ:河合有里子
雪の女王:佐藤圭
雪の王:杉野慧
★★★★
正直なことをいってしまうと予想外のバランスでした。昨日ほどではありませんが若干ミスが目に付きました。なにより浅川遅沢ペアが喧嘩でもしたんじゃないかと疑うような微妙なバランスの悪さで、もちろん踊り自体は悪くないのですがこの二人だったらもうちょっと「ふたりならでは」のなにかが引き出せるんじゃないかと思ってしまいました。逆に不安しかなかった雪の王国のふたりはしっかりと踊りきりました。クララもちょっと内気ながらもかわいい少女でしたし、ドロッセルマイヤーもキャシディさんほどでないにしろ品のある麗しい紳士。浅川さん遅沢さんの公演になるかと思ったら全体的にバランスのよい不思議な公演でした。・・・結果的にうまくまとまってたけど、ふたりのファンとしてはちょっと不満が残る・・・。
というわけで、目的と違うところが楽しかったので、ちょっと戸惑っています。好きなバレエ団のくるみ、楽しくないわけはないというわけで楽しかったことは楽しかったので、それはそれで戸惑っている部分もあります。端っこの方から話してしまうと、1幕も2幕も楽しかった福田さんと石橋さん!開幕前から期待していた石橋山田夫妻にまずうっとりでした。ニコライさんのとき以上に蘭さんのしっかりした美しい夫人っぷりが際だちます。なんの話をしているんだという方向けに説明しますと、ちょうど今回石橋さんが演じた枠が赤い上着を着た酔っぱらい紳士枠。序盤から明らかに飲み過ぎておりました。調子に乗って飲み過ぎ、福田紳士にたしなめられたりするあたりの口論とか、夫がべろんべろんになっていることに気づいた蘭さん淑女が「もう本当にすみません、この人ったら・・・」と困り果てて頭を下げているあたりとか、大変に楽しかったです。・・・いや、中心見るべきなんでしょうが、子供たち見ていると兼城さんがいないことを思い出して寂しいんですよ・・・(あ、黄土色した上着を着た男の子(湊さん少女とペアになってた)は結構明るくって好きです)。そんなわけでついうっかりストーリーそっちのけで後ろの方見てしまった、楽しかったです。
ずーーーーーーーっと心配していた佐藤杉野ペアの雪の王国ですが、予想よりずっとよかったです。久しぶりの舞台で圭さんの方が途中で息切れ起こしてたとか、杉野さんがソロ踊りきった後どや顔になってたとか、サポートとかパートナーシップとかは宇宙の彼方に存在するとか、まあ、それはさておき。ちょっと濃い感じはしましたが、不思議と違和感のない雪の王国でした。途中で息切れしたとは言え、序盤の圭さんの足裁きの正確さと冷たく気高い存在感は見事。見ほれました。杉野さんはグダグダになるかと思いきや、きっちり見せてくれました。技術的にはつま先とかそのほかあれやこれや言いたいことはありましたが、迫力がありました。ああ、彼のはったりは本物だったと一安心しました(昨日は本当にそれもグダグダだったんで・・・)。杉野さんはこういうのも踊れるのかとちょっと驚いたというか、安心しました。雪の王がクララを見送るとき、優しい雰囲気でドロッセルマイヤー入ってたあたりはご愛敬。雰囲気も結構あっているふたりでしたので、できればこの後も見てみたいふたりです。圭さんの踊りはきりっとしていて好きなんで、もっと踊る機会が増えるとうれしいです(とずっと言ってる気がする)。
人形たちは少し変化がありました。伊坂さんの花のワルツは技術的に驚くことはなくともやはり踊りもサポートもきれいにまとまってますし、雰囲気も優しくって見ていると安心します。井澤さんもサポートはそこまででもないですが、昨日よりソロは目を引きました。
アラビアは鉄壁の井上さんと福田&石橋。大変目の保養で楽しかったです。福田さんの変化自在ぶりには驚かされます。若干リフト頑張れとは思いましたが、ちゃんと「アラビア」でした。井上さんに仕える福田さん、どこか焦がれる感じの石橋さん。おもしろかったです。
スペインの新規入団の山本さん。以外と背が高くて驚きました。はつらつとした雰囲気でなかなか魅力的。ペアの女性も明るく闊達でめりはりのある動きが魅力的でした。
篠宮さんもぐんぐん役幅を広げてますね、やっぱりすごい。細やかな動きに堂々とした存在感でした。湊さんのかわいさについてはもう言葉もありません、かわいい。
酒匂さんも絶好調。和田さんとのバランスもいいです。
人形たちは昨日より今日の方がバランスがいいように思いました(アラビアの男性はやっぱりニコライさんがいたほうが安定するけど)。
どうにもこうにも書き忘れてるのですが、栗山さんのねずみの王様、好きです。着ぐるみのネズミ感と彼自身の持っている風格がうまくマッチしてると思います。毎日見ているのが楽しいです。
というわけでこれでこのまま鉄壁のグランパドドゥに入るかと思ったらそうでもなかったのが微妙なところです・・・。もちろん、悪くはないです。サポートやリフトに若干の乱れはあったものの、ソロは自信に満ちてるし若干難しいことやってるし、やはりさすがの一言。でも、やっぱりこのふたりだから、それ以上のなにかを求めてしまうし、今年一年あれだけのものを見せてくれたんだからやっぱりさらに上を求めてしまうのが事実。多摩のゲストで出演した公演を思い出しても、遅沢さんは物語があるせいかまだよかったのですが、浅川さんはあのときの方がきらきらしていた気がします・・・。細かいところはやっぱり好きです。くるみ割り王子の、「王子」でなくやはり将校であり騎士である、姫の一歩後ろにひかえ王に仕える雰囲気、マリー姫の呪いがとける前の不安ととけた後の喜び。マリー姫のクララへの感謝、くるみ割り王子への温かいまなざし。悪くはなかったし、ちょっとしたジュッテでも足や手の高さがそろっててきれいだったのは事実。それ以上なにを求めるんだとも思いつつ、やはりもっともっと、「ふたりにしかないなにか」を求めてしまいます。次のシンデレラではないわけですし・・・。
楽しかったんだけどなんかもやもやの残る、不思議な公演でした
ゆず
2014/12/22(Mon) 01:43:03
[TOP]
(c)FLEUGELz
Netmania