観劇+αの日々
■Kバレエユース トムソーヤの冒険(2015/04/04)
Kバレエユースの新作、見て参りました。
いろんな意味でKバレエらしい作品でした。評価をするとなると、いろいろ難しいです。発表会と考えると段違いにおもしろいのですが、それなりのチケット代もしますし、発表会ととらえることそのものが失礼です。一つの公演としての完成度…と考えると、実際本公演ほど楽しかったか…というとそれはまた微妙です。感覚としてはグランパドドゥのない古典作品という雰囲気でした。グランパドドゥはありませんが、物語として大きな意味を持たない踊りのシーンが結構あります。それはそれで楽しいのですが、若干長すぎる気はしました。あと、古典名作のオマージュと言ったらいいのか、見たことのある雰囲気のシーンがつぎはぎされているような印象もありました。結局原作を読み終えることができなかったので偉そうなことはいえませんが、原作が生かしきれているかというと、若干「トムソーヤの冒険」という雰囲気を持った、バレエ的なファンタジー作品という感じがしました。ただ、ちょっとノスタルジー感のあるアメリカというのは日本人にとって異国情緒のある世界ですし、Kバレエの活気あふれる雰囲気にはぴったり。新作ですが、特に斬新さはないものの、物語バレエとしてきれいにまとまっています。結構楽しんできました。
わちゃわちゃ若い子たちが出てきますが、一番印象的だったのは多分メアリー。本を片手に踊る少女で、別に舞台の上で名乗ってくれるわけではないのでちょっと確信が持てません。Kのスクールにこういう子もいたのかと思う、品のいい…穏やかな踊り。軸もしっかりしているし本を片手に踊るにふさわしい知的な雰囲気もあり、ほかの作品でも見てみたいと思えました。逆にベッキーは印象に残らなかったのが残念…。というかベッキーに限らないのですが、メインにいる4人組が踊り的にもそんなに個性が分かれてると思えなくって、実際子供だからまあこんなもんかになってしまったのはちょっと残念でした。その中ではハックが若干個性を感じて面白かったです。
コウモリについてはアイディアとしてとてもよかったです。群れとして動いている雰囲気も好きですし、衣装もかわいい。それだけに、もっと「コウモリそのもの」の感じが出てもいいかと思ってしまいました。「コウモリの精」みたいに見えてしまったのが少し残念。女王ももう少し存在感があるといいなあ(とぜいたくを言いたくなるくらいには好きです)。
逆にウィリはなんでここに出てくるんだと突っ込みながら見ていましたが、女王の空気のような存在感と軽やかな踊りが大変魅力的でした。
ユースのメンバーで…と区切るとやはり杉野さんの存在感は別格。役付け的にも明るい世界の中で一人暗い雰囲気を背負っていることもあり、印象的でした。というか、こういう泥臭い杉野さん、いいですね。鬱屈した思いと立っているだけでなにかただ者でない雰囲気を感じる迫力が大変魅力的でした。
市長の栗山さんは相変わらずのイケメン無駄遣い。ポリーおばさんの蘭さんも美女無駄遣い…なのですが、このあたりさすがだなあと思ったのは動きがどちらかというとコミカルなのにどこにいてもふと目が行ってしまうということ。ちょっと気難しいところがありつつも、心根はいい人なんだろうなあと思える素敵な人でした。コリンズ保安官は西口さんが大変楽しそうに踊っていました。長い手足なのに軽やかなのがさすが。…本来キャスティングされていた大塚さんがどうしているかは気になります…。
ところで、シークレットロールは踊りを見ていた時は「ああ、熊川さん向けの振付だな」と思いましたが、実際に見てみると「本当にその衣装着るつもりだったの!!??」と思ってしまいました(苦笑)。ちょっとこのシーンの男性の衣装は好きじゃないです…(女性はとても好き)。
ラストをどうまとめるかと思いましたが、とてもきれいな大団円。途中ちょっとどうかと思うシーンはありましたが、始まりと終わりはきれいにまとまっていて好きです。物語が始まるワクワク、いいものを見終わったという満足感。良かったです。
長期間練習を重ねてきた…ということで全体的にまとまりもありました。再演をするとなるといろいろ壁があるよなあとは思うのですが、ラストがきれいにまとまったこともあり、また見たいと思える作品でした。(というか、まだ見ます)
ゆず
2015/04/05(Sun) 01:48:13
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