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  ケルンエリザベート

エリザベート(2011/10/29)
★★★★★

 ツアーのエリザベートの感想を簡単に。キャストはたぶんファーストキャスト。本日のキャストがモニタにしか表示されず、それが3、4分に1回くらい上から下まで見ることのできないほどの短時間しか表示されず、諦めた・・・。
 すばらしい公演でした。メインキャストが若かったのでどんなもんだろうかと思ったけど、その面をマイナスにする必要が全くなかった。セットがツアー版だからウィーンで見たものよりちゃちいとかオケがやっぱりウィーンに比べたら・・・というところが難点なくらい。
 なによりエリザベートがすばらしかった!この公演において全体がすばらしい中、さらにエリザベートが図抜けてすばらしいって本当に至福。特に1幕前半は間違いなく私が見た中で一番いい。とにかくかわいくてかわいくて、こんなかわいい子に魅了されない方が間違ってる。風のように自由な少女が味方のない王宮につれてこられて、それでも自分は自分でいたいという意志を貫き通す。生にしがみつき、死に憧れる。彼女のエリザベートの魅力を説明すると「エリザベート」という女性の魅力をそのまま説明するに等しいくらい、そのものでした。高音まできれいな、丸みのあるかわいらしい声が場面によっては凛としても聞こえて、とってもすてきでした。来年のライムントでも引き続き演じる予定のようです。
 Der Todはロックでした。エリザベートという作品の音楽はどちらかといえばオペラよりの重厚な音楽ですが、それを彼一人でかき乱す、別世界。かなりがっちりした体格だけど精悍な感じがして違和感はなし。ツアーは始まったばかりですが、ベテランエリザベート(エリザベートとしてはベテランというだけで年齢的には若手ですが・・・)とちゃんと対等に渡り合ってました。高音で叫ぶときの音が本当にきれいで、「Wenn ich tanzen will」が最高音まで全くストレスなく聞けました(このときの勝ち誇るエリザベートを見下す感じの表情がツボ)。勢いはあったけど、熱血ともちょっと違う感じでした。強いていえば温度を感じなかったのかな、冷たいわけでもなかった。
 ルケーニは若手でどうかと思いましたが、めちゃくちゃ良かった!若くってちょっとかわいいんですが、ぎらぎらした勢いがあるし、歌い方も演じ方も結構自由。ちょっと鼻につく感じとかこざかしい感じとか、いかにもルケーニ。話がテンポ良く進んでいく感じがいいな。
 フランツは案の定、年とってからがさらに格別良かった(笑)。今まで見たフランツと何となく違うけど、でも台本で読んだフランツそのまま。皇帝らしさはあと一息かな。エリザベートを「Mein Angel」と言っても違和感がないのはさすが。癖のある高音を堪能できる作品ではないけど、「悪夢」のDer Todとの叫び合いは目と耳の保養でした。
 ルドルフはJesperそっくりでびっくりした。でも儚い系でなく病んでる系。ワイルドホーンのルドルフを王子様タイプの人がやったらこうなるだろうと思える雰囲気。いいから薬やめろと思った。何かにすがらないと生きていけない弱い人。
 ゾフィーがとにかく良かった。年齢的にもいい感じだし、頑ななところ、フランツを前にしてちょっと態度が柔らかくなるところとかすてき。エリザベート、フランツ、ゾフィーについては、それぞれ言ってることは理解できるけど、互いの主張がぶつかり合って皆不幸になっていくあたりが見事でした。

 細かいところはまたいずれ。

旅(2011/10/29-2011/11/03)
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(2011/10/30(Sun) 21:36:37)





 

ドイツに行ってきます

旅(2011/10/29-2011/11/03)
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(2011/10/28(Fri) 21:57:09)





  シュツットガルトのレベッカ

キャストが出そろったみたいです(ようやく)。

こちらは写真が豊富です

Thomas Borchert
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(2011/10/28(Fri) 01:33:45)





  CD SISTER ACT - Original Wien Cast 2011

タイトルの通りです。
シスターアクトのウィーン公演のCDが発売されるとのこと
コンセプトアルバムですが、開幕直後でベルリンの伯爵に行ってしまったDrewの名前があることがとてもうれしいです。

欲しいものメモ
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(2011/10/27(Thu) 00:15:18)





  St.Gallenレベッカ、開幕しました

スイスのSt.Gallenのレベッカ、開幕しました。
フェイスブックに写真がいくつかのっていましたのでご紹介します。

舞台の様子
初日のカーテンコール
舞台映像と演出家のコメント

St.Gallenの演出はいつもいまいちだったのですが、今回はウィーンオリジナルと演出家が同じということでさすがにきれいです。
舞台機構はライムント劇場より劣っていたと思うので、そのあたりがどう工夫されているか、気になります。

Thomas Borchert
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(2011/10/26(Wed) 01:06:52)





  劇団四季ソング&ダンス The Spirit(2011/10/21)

ツイッターに流そうかと思ったレベルの取りとめのない感想なのですが、長くなりそうだったのでこちらで。
ちなみに私はソング&ダンス1作目から見ているかなり古参のファンです(笑)。
近頃あんまり見てないけどね。
李さんと飯田さんの区別がつかないと言って李さんファンの母親に怒られるレベル(笑)。
「知ってる」と胸張って言える人は阿久津さん、智恵さん、青山さんくらいなもんです。

【ヴォーカルパート】
李 涛、阿久津陽一郎、種井静夫、飯田達郎
井上智恵、真 優香、青山弥生

【コーラスパート】
神永東吾、廣瀬聖人、光田健一、真田 司

【ダンスパート】
水原 俊、萩原隆匡、西尾健治、大森瑞樹、朱 涛、玉井晴章、斎藤洋一郎、斎藤准一郎
加藤久美子、駅田郁美、相原 茜、相原 萌、相馬杏奈、須田綾乃、井上佳奈、高田直美

四季劇場(秋)
★★★☆

1幕はまずショーなのか新作のプロモーションなのか新しい物語なのかはっきりさせるべきだと思った。
「ノートルダムの鐘」があまりにもきっちりしてて、このまま上演しちゃえばいいじゃないかと思うほど素晴らしくて、かえって足を引っ張った。
そもそも私はこの曲を聴き込んでる(ただしベルリン版(笑))から曲は好きで、でももう日本ではキリスト教の絡むものは見たくないしディズニー版はフロロが司教補佐じゃなくて面白くないから見たくないし、と思っている人間さえもぐっと引っ張り込むシンプルだけど堅実なセットと根っこのしっかりした骨太の芝居で四季でこの作品をやってほしいとしみじみ思いました、本気でセットはこれで良い。
結局そこまでのめり込み、でも次のシーンからどんどんショーになってしまったけど私の頭の中はノートルダムで、ディズニー版も良いけどやっぱりフランスミュージカルの方がいいよねなどと考えてしまい、全然舞台に集中できませんでした。
もっと最初からショーであればここまでノートルダムの世界に浸ることはなかったし、もっとちゃんとプロモーションをしてくれるなら中途半端な気持ちのままでは終わらなかった。
そういう意味ですごくもったいなかった。

家に帰ってきてから親(学生時代からモダンダンスをやってる)がばっさり切り捨てたけど、ダンスが古い。
言われてみれば確かにそう。
ポールダンスにしろ客席参加にしろ手品にしろサッカーにしろ応援団にしろ新しいことはやろうとしてるのは分かる、でもダンスの新しさってそれじゃないよね。
加藤さんのダンスってもっとわくわく楽しかった、でもそれがない。
バレエは公演期間が短いから比べちゃいけないのは分かるけど、それでもKバレエの方がわくわくするし純粋に楽しい。
新振り付けのバレエだったらあんなに次の動きが分かる振りばっかりじゃないよ。
良かったと思える部分がフォッシースタイルの見本みたいな踊りだけじゃだめだと思うんだ。

2幕の方が若干持ち直した気がします。
まずショーとしてある程度割り切って見れたこと、あと、私加藤さんの踊りは太鼓の音で見るのが好き(笑)。
どっかで見たことがあろうと、好きなものをまた見れるのならテンションは上がるのです。
そして最近「日本でオリジナルミュージカルを作るとしたらどういうものがいいか」というのを考えた時、やっぱり日本的なものがいいという思いが来るのですが、こてこてとはいえ着物系列は日本人にしかできないことよねと、しみじみ嬉しく思ったのがあります。
(夏に見たドイツのオリジナルミュージカルで日本人はこんなにきれいに十字は切れないが、じゃあ日本人にしかできないことってなんだろうと考える機会があったのです)
もうちょっと客席が熱気を持ってくれれば楽しくなりそうなところがあるのですが、客席の沸点を低くできる、純粋に盛り上がれる曲が少ないのが残念なところ・・・。

しかしなんだかんだ言って阿久津君がかっこよくて智恵ちゃんがかわいかったので満足です。
二人がもっと若々しかったころからファンで、最近ご無沙汰していたファンらしく、新しい顔ぶれじゃなくってこの二人がやっぱり好きです。
最近アイーダでキャーキャー言ったばかりですし(笑)。
エビータよりかわいらしいけど同じくらい華やかなオーラを振りまいていて素敵な「お洒落は私の切り札」、色気のない、死ぬまでまっすぐ前を向いてそうなくらい実直な「迷いつつ」、これが聴けただけで満足です。
「香蘭と杉本の別れ」も阿久津君の生真面目さと智恵ちゃんのお嬢さんっぷりがキスにさえたどりつかずに別れた二人という感じでとても好きです。

色々考えてしまった観劇でした。


劇団四季全般
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(2011/10/21(Fri) 23:50:15)





  拍手お返事

12日に拍手してくださった方。

お返事遅くなって失礼いたしました。
あの公演、一緒に劇場にいたのですね。
それにしてもなんてうらやましい席!
ちょっと地団太を踏んでしまいました(苦笑)。
拍手、ありがとうございました。


日記
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(2011/10/20(Thu) 01:03:43)





  女教皇、ハーメルンで上演

Fuldaで2011年初演した女教皇は同劇場での再演が決まっていましたが、ハーメルンでの上演も決まったとのこと。
8月18日〜9月16日です。
今までスポットライトミュージカルと縁遠かった劇場での上演というのはとても意義あることだと思います。
どうか成功しますように・・・!

スポットライトミュージカル
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(2011/10/19(Wed) 00:46:59)





  Die Päpstinの感想(全体)

Die Päpstinの感想

Päpstin:Sabrina Weckerlin
Gerold:Mathias Edenborn / Dennis Henschel
Anastasius:Christian Schöne


スポットライトミュージカル
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(2011/10/18(Tue) 01:00:44)





  Kバレエキャスト変更

Kバレエの白鳥の湖でキャスト変更がありました
白石さんのオデット・オディールがなくなるようです。
突然の大抜擢がこんな結末になってさみしい限りです。
パドトロワに出演しているので怪我ではないのはまあ良かったのですが・・・。

個人的には遅沢ジークフリート、東野オデット、白石オディールで見たかったです。

Kバレエ
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(2011/10/16(Sun) 00:05:39)





  エリザベートがウィーンに戻ってきます

ちょっと遅い情報ですが・・・。
2012年の秋、ウィーンでエリザベートの再演があるとのこと
初演のアンデアウィーンはすでにオペラに占拠されてますので劇場が違ってしまうのがさみしい限りですが・・・。
キャストもスタッフも不明ですが、来年秋にはまた久しぶりにウィーンに行きたいなあと思っております。


欧州大陸側ミュージカル
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(2011/10/14(Fri) 01:49:40)





  おめでとう、Drew!

雑誌Musicalsが毎年行っている投票で、2010/2011シーズンのベスト俳優に選ばれました、おめでとうございます!
こちらで毎シーズンの1位のみ見ることができます(雑誌には3位まで載っています)。
Drewのクロロックの評価がどうだったかとっても気になっていたのですが、これではっきりした気がします。
そして、この投票は長年1位はUweがほぼ独占していました。
たまに別の人がぽこっと出てきて取るくらい。
このところUweが半分お休みしてるみたいなものとはいえ、Drewが2回1位を受賞したということにとても大きな意味を感じています。
J&Hのころからファンだったので、すごくうれしいです。
これからもアメリカに帰らず、ドイツ語圏俳優でいていただきたいです。

そしてちょっと遅れた情報ですが、ソロCDが10月21日に発売されます。
ミュージカルのCDではありませんが、楽しみにしてます。
もちろんいつかはミュージカルのCDも出してほしいなあ・・・。


欧州大陸側ミュージカル
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(2011/10/13(Thu) 00:18:11)





  東急シアターオーブの演目ラインナップ

2012年夏に渋谷にオープンにするシアターオーブの開幕ラインナップが発表されました。
詳しくは公式サイトやニュースサイトを参照していただくとして、個人的に嬉しいのはこの二つ!

2012年10月6日〜21日(予定)
ミュージカル
『ロミオ&ジュリエット』

2012年10月下旬
ウィーン版ミュージカル『エリザベート』
20周年記念スペシャル ガラ・コンサート

ロミオとジュリエットはフランス版が来日するとは聞いていましたが、東京にも来てくれるのはうれしい限り!
そしてエリザベートのコンサート!
期間が短いので毎日通い詰めたいくらなのですが、どなたが来日するのか今から楽しみでなりません!

財布の危機は来年も続くというか来年が本番なんじゃないかという状態ですが、とても楽しみです!


欧州大陸側ミュージカル
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(2011/10/11(Tue) 21:58:21)





  Tanz der Vampire(2011/7/7,8)

Graf von Krolock- Jan Ammann
Sarah- Antje Eckermann, Joana Henrique
Professor Abronsius- Christian Stadlhofer
Alfred- Krisha Dalke
Chagal- Thomas Schweins
Magda- Linda Konrad
Herbert- Florian Fetterle
Koukol- Stefan Büdenbender
Rebecca- Jeanne Marie Nigl

Tanzsolisten
Pierre Damen, Paula Ferreira, Toby Poole

Gesangssolisten
Christopher Busse, Florian Soyka

Dirigent
Boris Ritter, Guido Löflad

Palladium Theater in Sututtgart

7/7 ★★★★★
7/8 ★★★★☆

 二日連続の観劇+観劇直後も相変わらず女教皇の感想を書くのに忙しかったため、ちょっと曖昧かつごちゃごちゃになっておりますが、感想を簡単に。ちなみにこの公演、観劇前のキャストへのこだわりが過去最低でした(笑)。本当に誰でもよかった。希望があったとしたら木曜日はJan伯爵じゃないといいなということくらい。何で彼じゃいやだったかというと、すでにオーバーハウゼンで2回見てるし、金曜の夜は絶対に彼だろうからちょっと目新しい人が見たかった(笑)。結局Jan伯爵2回となりましたが、彼の若造俺様ぶりは好きなので、特に不満はありません。Vanniが見られたらベストだったんですが、そこまでのぜいたくは言うまい・・・(ベルリンで惚れ込んだダンサー、当時はブラックヴァンパイアのファーストだったかな?今はダンスキャプテンになったせいかあまり舞台には出てくれないです・・・。ブラックヴァンパイア、ナイトメアソロ、ヘルベルトなどをやってます。多才だなあ)
 舞台はとってもよかったところといまいちだったところと・・・。まず、この舞台、ほかの公演地に比べて絶対金がかかってません!セットがしょぼいし、衣装が安っぽい。最初は「短い期間しかやらないよ!」と行っていたのでその通りの予算でセットや衣装を準備したけどチケットがバカ売れしたので結局ロングランになったと勝手に予想。でも、そうとしか思えない安っぽいお城のセット&軽い衣装でした。いえ、セットの基本路線はほかの公演と同じなので一見ゴージャスに見えるのですが、螺旋階段の細工の作り込みが甘いなあとか、衣装の布地が軽くて安っぽいなあとか、最前列なので細かいところに目が行ってしまうのですよ・・・。
 キャストについては、今回はダンサーがすばらしかった!ドイツも年々レベルがあがってるのでしょうか、満足度が常に高い気がします。「Roten Stiefel」ではまず男性ソロがクロロックのように俺様でそしてスマート。乱暴にザラを扱いながらもとても品がある。ザラダンサーもとってもかわいい。少女の幼さを残したまま、恍惚に浸るような表情で笑う、たまりません!乱暴で力強い、少女の危うい夢。理想ぴったりで酔いしれました。そしてGebetの声も美しく・・・ああ、これを見にドイツに来てる!「Carpe Noctem」もよかった。3人のバランスが絶妙。ザラダンサーは今度は夢見がちなふんわりした女の子(アルフレートの夢だから)、アルフレートは若干しっかりした青年(アルフレートの(以下略))、そしてブラックヴァンパイアは男らしさを全面に出した力強い存在。ベルリンあたりから「エロくないブラックヴァンパイアは滅んでよし!」位のことを公言しているのですが、この人は滅ばなくていいわ〜。力強い存在にきれいな筋肉、段取りにならないきれいな踊り!緩急の付け方がとてもきれいで、どんな動きをするのか覚えているのに見ているといろいろな意味でどきどきさせられる。目の保養でした〜。そして男性ダンサーは二人とも筋力がすごい!アルフレートダンサーでさえ登場時に片腕でベッドの天蓋にぶら下がり、腕を軸に体を一周してました。ブラックヴァンパイアも一度引っ込んだ後の再登場時には天蓋からぶら下がるヴァンパイアに両手を捕まれているのですが、ベッドに座るザラの肩の上まで足を持ち上げる様が力強くて魅力的でした。そしてナイトメアソロ!2は普通にうまかっただけですが、1がすばらしかった!あの高音を自在に操っている。最後は一音高い音だった気がします。突き抜けるような高音、あふれんばかりの声量。素晴らしかったです!全体的には照明が明るめで普段感じる恐ろしさが減っていたのがちょっと残念でした。
 ザラは両日違いましたが、二人ともセカンド。1日目はぼんやりした田舎娘、2日目はもうちょっとかわいい感じ、でもやっぱり田舎娘。とりあえずザラは適当にかわいくて歌がうまければいいよと思ってるのですが、そういう意味で二人ともちゃんと「ザラ」でした。2日目の子の方は最初声量が足りなくてちょっと心配だったのですが二人とも「Roten Stiefel」以降は爆発するような声!ちゃんと地声で力強く歌ってくれるセカンドが二人もいるなんてなんて国だドイツ!「Totale Finsternis」もたっぷりとした声量でした。あのJanの声に十分食らいついていく迫力にびっくりしつつ聞きほれました。小生意気でかわいくって声量豊かで、ああ、ザラだなあ。
 アルフレートと教授は特にこだわりがないので、このくらい歌がうまくて演技がしっかりしてて二人の息がぴったりなら文句はないです(笑)。特にアルフレートで感じたのですが、Lukasの方が明らかにうまいです。でも、それだけうまくても作品全体のレベルを大きくあげていたかというとそうでもない。アルフレートはかわいくてちょっとずれてて一途で歌がうまくてアルフレートそのものの雰囲気だったらもうそれで十分です、と、贅沢なんだか贅沢じゃないんだかわからないことを言ってみる(笑)。教授もすっとんきょうだし高音きれいだし早口言葉しっかりしてるしみてて飽きないし、十分楽しかったです。
 Janのクロロックは若くて俺様クロロック。同じ俺様クロロックのThomasと比べると、Thomaはすでに人間を超越した存在であるのに対しJanは人間の弱さや小ささ、青臭さを残している気がします。彼の声はCDで聞くととても癖があるのですが、実際に舞台で見るとそれが気にならないのがいい感じ♪高身長(公称193センチ)にあの衣装が映え、地顔のわからないメイクも相まって別の人で見たいとか言ってたけど彼は彼でいいなあと素直に思えるクロロックです。「Einladung zum Ball」は一瞬ちょっと調子が悪いかなと思いました。短く区切るように歌いすぎだった(特に1日目)。それにしてもここのクロロックの登場シーンはかっこいい。屋根の上に現れて、人間ならちょっと無理だろうというタイミングで下に降りてくる。この「ちょっと」のタイミングがそれこそ0.1秒の単位で絶妙。無理をすれば屋根から降りてこれるような気がするけど、でもやっぱり無理に思える。仕掛けを知ってても、ここは何度見ても驚かされ、彼の空気に飲まれます。「その位置からだと丸見え・・・」と突っ込むのはその後我に返ってから(笑)。「Gebet」もクロロックがちゃんと屋根の上にいて嬉いー!ザラの声もコーラスも力強く、こっちが望むタイミングでクロロックの力強い声がするのがうれしい。そして圧巻だったのは1幕ラスト。私はここは曲調が変わるあたりでこれが途切れるのが一番上品だと思ってるのですが、それを遙かに越える長さ。全体的に力強いクロロックなのでこれはこれでありかと思えました。というか、調子悪そうとか思ってごめんなさい・・・絶好調じゃないか・・・。「Die unstillbare Gier」は未だに自分の運命を呪い続けていた。遠い昔を思い出し、その愛しく懐かしい時間を今も取り戻したいと思っているように思えた。「愛を信じる」のところでとりわけ「愛」をあざ笑うような仕草だったのが印象的。なにかになりたくて、でも所詮地を這う醜い生き物でしかない。そんな泥臭い存在が、光の中で一瞬美しい生き物に見える。それが彼のGierの魅力でした。
 今更なんですが、Gier大好きです!2日見てみて声の調子は2日目の方がよかったのですが聞いていておもしろかったのは1日目でした。1日目の方が自分の運命に対する苛立ち、怒り、そしてこの世界に対する嘲笑を感じました。2日目の方が感情が穏やかだったと思います。こういう雰囲気の違いがあるから、何度聞いてもこの曲は飽きないんですよ。新鮮さを感じなくなったら見に行く価値がないと思うほどに。それにしても若いクロロックの墓場駆けおりの迫力はすごい!全力で駆けおり、駆け下りながら膝をかがめ手でスピードを調節し足で無理やり止める。どうしてオケピットに落ちないのか分からないほどの迫力とスピード。すごい!最後はその豊富な声量を見せつけるような歌いあげ。神ではない、所詮人間。青臭く、力強く、みっともなく、美しい。これはこれでありと思えるクロロックです。
 「Tanzsaal」はなんというかのりのり(笑)。Jan伯爵はあまり牙をつけないので、このシーンが数少ない牙付けシーンなんですよね。だから牙を見せつける見せつける(螺旋階段の上にいるのによくわかるんだ、これが)、そんなに好きならほかのシーンでもつけてよ(苦笑)。ThomasとかDrewは「Totale Finsternis」の最初からつけてたのに・・・。ザラが螺旋階段の上にいる時にヘルベルトの身だしなみを整えているのがなんかおかしかった。2回とも「これから来るのが新しいお母さんだから行儀よくしてるんだよ」と言っているようにしか見えない(笑)。そしてザラの血を吸った後のお姫様だっこの力強いこと!力強さを見せつけるように軽々と抱き上げる。ザラが目を覚ました後は少し優しい目で彼女を見るけど、まるで彼女に恥をかかせるように彼女を転ばせる。ザラを見下ろす俺様な眼差し、どこかうつろなザラの力強い声。クロロックの衣装の白と黒、そしてザラの赤いドレスのコントラストも美しく、至福の一瞬でした。ああ、これを見に来てるんだ・・・。
 キャストもよかったですが、やっぱりこの演出は良い!ウィーン版のストレスが払拭されました。「Got ist tot」の前奏がすっぱりカットされてたとかまだSEは時間短縮したりないのかとかクロロック城のザラのお風呂場の鏡にアルフレートが映らなくなってたとか殴り込みに行きたいこともありましたが、これを「ドイツ版」としっかり割り切って継続していくSEの姿勢には大賛成。螺旋階段がせり上がってこなかったのは残念ですが、やっぱり「Totale Finsternis」と「Tanzsaal」にはこれがないと始まらないし終わりません。「Finale」にクロロックもいらないし。衣装も断然こっちが好きだし。細かいところにつっこみどころはあった気もするのですが、演出が良かったので忘れました。
 キャストも堅調。細かいところ忘れてますが、いかにもこの作品の雰囲気にぴったりの方々で安心して見ていられました。仕事きっちりやってくれるのが心地いい〜。そしておなじみStefan Büdenbenderのクコールも相変わらず絶好調(笑)。ドイツで見ているTdVはおそらく半分以上クコールは彼だと思うのですが、醜くて暴力的なのに見ているうちにだんだん愛嬌が出てくるのでとても好きです。
 ちょっとカーテンコールのこと。Janが結構早い段階で2、3階席に向かって「君たちの思いはちゃんとこっちに届いてるぞ!」というジェスチャーを送ります(1階席には目線は送ってもこのジェスチャーはない)。2、3階にはなけなしのお小遣いで安い席のチケットを買った若いファンがいるわけで。そのファンがこのロングランの下支えをしてくれたことは間違いないわけで。俺様クロロックのこのきめ細やかさは、彼が思っている以上にファンを喜ばせていると思いました。それにしてもひゅーひゅーきゃーきゃー、本編からにぎやかな観客でした。今まで見た中では最高だった気がします。TdVってそういう盛り上がりも楽しいので、とっても楽しかったです。千秋楽、是非見てみたいなあ・・・。
 ミュージカルの曲で好きな曲はいろいろありますが、カーテンコールの後の追い出しの曲はいろいろな意味で好きです。なぜかTdVは旅の締めくくりになることが多く、これでホテルに帰って寝て起きたら帰らなくてはいけないというタイミングで聞くことが何度もありました。そのせいかこの曲を聴く度、またがんばって仕事してもう一度ここにこようと、そう思うのです。今回の旅も、いつもと同じように、幸せな最後の夜を過ごすことができました。また行くよ、次はベルリン!

Tanz der Vampire
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(2011/10/02(Sun) 22:57:44)




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