メドーラ/SHOKO コンラッド/遅沢佑介 アリ/橋本直樹 グルナーラ/佐藤圭 ランケデム/宮尾俊太郎 ビルバント/伊坂文月 パシャ/ニコライ・ヴィユウジャーニン
★★★★ 東京文化会館
うーん・・・面白くなかったわけではないのですが、普段だったらこの作品を見た時に感じる「圧倒的な高揚感」がなくって、「これじゃない」感を漂わせながらの帰途となりました・・・。うーん、うーん・・・細かいところを見ていくと楽しくないわけじゃないのですが、なんか、こう、しっくりこなかった。 ひとつはっきりしているのが、バランスの悪さ。前回のゲスト公演だったロミオとジュリエットの時もまるで小人の国に巨人が紛れ込んだかのような違和感を、身長の面でも存在感の面でも感じました。ロミオとジュリエットの時はロミオ役の遅沢さんを含めてとっても面白かったので、今回はなんで首をかしげているのか自分でも謎です。ただ、最初に感じた違和感を結局最後まで引きずってしまいました。祥子さんのメドーラはかわいいし魅力的なんですが、それが妹としてのかわいさかといったらちょっと違う気がしました。グルナーラの圭さんの演技が若干淡泊というのもあって、なんとも感動の薄い姉妹に思えてしまいました・・・。コンラッドとメドーラの組み合わせも特に胸が躍ることもなく・・・うーん・・・。パドトロワで遅沢さんの存在がかすんで見えてしまったのが残念でした。ちょっと疑問だったのが、いくら祥子さんの存在感がすごいからって、隣に橋本さんが来た時はそんなに違和感を感じなかったんです。彼は従者だから、そんなに引っ張って行かなくていいからでしょうか、うーん・・・(リフトは頑張れ)。本当に、あれー、あれー・・・と思っているうちに終わっていました。 祥子さんの踊り自体は相変わらず芯がしっかりしていて見ていてとっても楽しかったです。どうやったらあんなにピンでさしたかのようにいちいち安定した踊りができるのかしら・・・。遅沢さんのコンラッドはキャシディさんに比べてへたれ度が低い気がします(笑)。橋本さんのアリはやはり「自分の意思でコンラッドに従っている」というところが好きです。自分の意思を感じるけど、でも、コンラッドの後ろでつき従っている。踊りも相変わらずはじける勢いがあって楽しかったです。宮尾さんは、なんというか、本当にこの人は舞台で拍手を受けるために生まれてきたような独特の雰囲気があります・・・。あちこち踊りはもうちょっと頑張れなんですが、奴隷市場での見得の切り方が本当に決まってる。圭さんは踊り自身は芯がしっかりしていると思うのですが、演技が若干淡泊なのが気になりました。でも、好きなタイプなのでまた見たいです・・・。伊坂さんは雰囲気が変わった気がしました。ビャンバさんと全く違う路線で、でもしっかりビルバントで楽しいです。ビルバントは力の入れ方と抜き方がすっごく独特なのだといまさら感じました。人のことを自分の道具として使えるか使えないかでしか判断しない、人のことを見下しきったビルバントでした。あー、またビルバントについて語れるほど見てるな・・・(苦笑)。
とりあえず土曜のマチネにもう一回同じキャストでみます(笑)。今度はどのように感じるか楽しみです。
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