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  Kバレエ ラ・バヤデール(2014/03/24 ソワレ)

ニキヤ:荒井祐子
ソロル:熊川哲也
ガムザッティ:白石あゆ美

★★★★☆
オーチャードホール

 とっても楽しいバヤデールもいよいよ最後になりました。ファーストキャストの公演、ちょっと不思議なバランスでした。
 驚いたことに、哲也のソロルが結構控えめ。どーんと俺様オーラ全開でくるかと思ったのですが、意外なくらい控えめでした。それが意図的なものか必然的なものかはわかりませんが、バランスとしてはこれでよかったと思っています。そして、本当に丁寧に踊って、演じていると感じました。「海賊」の冒頭でも感じた感覚です。一挙手一投足、とても丁寧に動かしている。「運命の作品」という、繰り返し聞いたあの言葉は嘘ではないのだと感じさせられました。

 この公演、舞台は女性二人のものでした。ニキヤとガムザッティの印象が大変強いです。二人とも控えめでけなげなのに、物語の印象に残ったのはそんな二人のいじらしさでした。
 荒井さんのニキヤはとても優しかった。巫女として心を殺して役目を果たそうとしているのに、大僧正が苦行僧達に水を与えることを許すとほっと安堵するのがわかりました。巫女として人生を全うしようと思っているように見える女性で、ソロルとの逢瀬は幸薄い彼女の人生の中で、唯一の幸せにも思えました。けれど、どこかその愛が一瞬のものであると知っているように思えました。ソロルと踊っているときだけは人間に戻れているかのように朗らかなのに、けれどこの時この場での幸せ以上のものを求めていないように思えました。ソロルがこの瞬間、ニキヤを心から愛していたのは間違いないでしょう。けれどソロルはそれ以上先のことなんてなにも考えていなかった。ニキヤもそれは分かっていたけど、それでいいと割り切って一瞬の喜びに身を浸している気がしました。
 ガムザッティはかわいかった、けなげでいじらしくて切なかった・・・。というような言葉をガムザッティに対して並べることになるとは思いませんでした。みんなに愛され、箱入りで育った女性。とても控えめでどちらかというと恥ずかしがり。ソロルの肖像画に一目惚れして、「こんな素敵な方と結婚できるの?私が。本当に?」と戸惑うみたい。そして初めて出会ったときも「本当に私みたいな娘でいいの?」と問いかけるみたい。ソロルが自分のことをにくからず思ってくれることに気づいて、ちょっとためらいがちに笑うのが大変かわいらしい。ソロルも、どちらかといえば一目惚れという感じでした。あの高圧的なラジャの娘がこんなにかわいらしかったら、そりゃ驚くでしょう。
 そんなニキヤとガムザッティだったので、二人の諍いのシーンがむしろ悲しかった。ガムザッティにとってはようやく出会えた運命の人で、どうしても離したくない。けれどニキヤがとても素敵な女性だと思って、彼女に負けてしまう、でもソロルは失いたくないといういじらしいまでの必死さがある気がしました。ニキヤは、本来自分の気持ちをそこまで主張するように思えませんでした。戦士であるソロルの、巫女である自分への愛はいつか消えるものだと知っているように思えました。けれど、ガムザッティとソロルが結婚すると聞かされ、ニキヤはムキになって反論する。聖なる炎の前で誓ってくれたのだと、たぶんそうやって主張したことがないでしょうに、ガムザッティに宣言する。そしてそんな風にラジャの娘に刃向かう、感情を露わにする、ソロルに固執する自分に驚いているようでした。ナイフでガムザッティを傷つけようとした自分に、そんな強い感情を持っていることに戸惑っているようにさえ見えました。二人ともどちらといえば控えめなのに、ただそればかりは譲れないと争う姿は、女の恐ろしさというより悲しさを表しているように見えました。
 このソロルはどちらかといえばガムザッティ寄りだったと思います。ニキヤのことを思い出しても、彼女のことを忘れようとする。巫女との一時の気まぐれだったと思っているように。そう自分に言い聞かせているみたいに。そんな姿を見て、ガムザッティは戸惑います。やはり自分みたいな女では彼につりあわないのではないかと、不安そうにしている姿がいじらしい。なんというか、けなげで愛らしい姿が決して押しつけがましくないのが白石さんのすごいところだと思いました。
 このニキヤ、多分自分から身を引いたと思います。それが身を裂くようにつらいことだと分かっていても、それが運命だとあきらめて、また一人の巫女に戻った気がするのです。花かごを送ったとき、ニキヤはそれが「別れ」を意味するものだと分かっているように思えました。最初の贈り物で、そして最後の贈り物。最後の贈り物であることは理解しているしとても悲しいけれど、美しい贈り物は本当にうれしいというように、喜びと悲しみが入り乱れた踊りに思えました。ソロルはニキヤと別れ、ガムザッティの元に行くつもりであったと思います。けれどそれはそっと身を引くのであって、こんなに面と向かって裏切ることではなかったのでしょう。良心の呵責に耐えきれないように、ニキヤをまっすぐ見ることができないように思えました。そんなソロルを見て、ガムザッティが苦しんでるのが分かるのです。やはりあなたの心はあの巫女のものなのかと、とても悲しそうな目でじっとソロルを見ているのです、世界中に彼しかいないみたいに。ガムザッティはニキヤを殺すことを承知はいていなかったと思います。けれど、ソロルを手に入れるにはそうするしかないと思ったのではないでしょうか。けれどニキヤは大人しく身を引くつもりだった・・・だから花かごに蛇が仕込まれていたことにショックを受ける。ソロルから身を引いて、ひっそりともう一度巫女として生きていこうとしたのに、生きていることさえも疎ましく思われてるとは思ってもいなかったでしょう。だから自分から死を選ぶのも分かる。ガムザッティはニキヤがいなくなり、ようやく自分がソロルを手に入れると思えたよう。こう書いてしまうとひどい女のようですが、それは確かにガムザッティの弱さではあったけど、そこまでしないとソロルを手に入れられないと思ったガムザッティの弱さが、なんとも言えずいじらしく、悲しかった。本当に不思議なくらい女二人の物語で、そして二人の女が一人の男を取り合うのに醜さを感じず、二人のひたむきさが、一途さが胸に痛いばかりでした。

 2幕の1場の寺院では、ソロルは「どうしてこうなったのか」と思い悩んでいるようでした。彼はガムザッティを選んでいたのですがあくまでニキヤの前からそっと消えるつもりでいたので、自分の選択のどこが間違っていてこんなことになったのか問いかけているようでした。このあたりのバランスがまた不思議だったのですが、ソロルの自己主張があまり強くなかったので、ニキヤとの関係を自然消滅させようとしていたように思えるソロルのことが腹立たしくありませんでした。
 2幕は始終ニキヤの物語だった気がします。なぜ最後にソロルがニキヤを選んだのか・・・ということはほとんど感じず、ニキヤがようやくソロルを求めた物語と感じました。控えめで物静かなニキヤ、最後の最後で自分にはソロルが必要だとようやく認め、彼のことを求めた、そしてそれにソロルも答えた。そんな物語に思えました。池本、宮尾も一回はガムザッティを選んだソロルでしたが、この2人ははっきりとガムザッティを忘れ、ニキヤの元に行きました。今回はガムザッティを忘れたかというとそこまでの強烈さは感じず、ではなぜソロルはニキヤを選んだかもはっきりせず、けれどニキヤがソロルを手に入れたことは理解できる、不思議なバランスでした。
 とてもいじらしかった2人の女性。そのため、ニキヤが蛇となってガムザッティに襲いかかったと思えませんでしたし、ガムザッティがそこまでされなくてはいけないかと思ってしまいました。崩れ落ちる寺院を見ながら、むしろ蛇にかまれたガムザッティは先に寺院を抜け出し助かったのでは・・・などとさえ思ってしまいました。本当に幸せになってほしいガムザッティでした。
 ブロンズアイドルの踊りは一片の濁りもない光。光に導かれ天上世界に向かっていった気分でした。雑味の全くない、鋭くも冷たさを感じない池本さんの踊りはさすが。一ミリもぶれない雰囲気の踊りで、軽やかで人間味を感じない踊りでした。ようやく見ることができましたが、満足です。
 天上世界でニキヤは微笑みながらソロルを呼んでいる。自分の幸せなんて考えたことのなかった彼女が、初めて見せる「わがまま」といったらいいのでしょうか。悲劇の中に身を沈めることをいとわなかった女性が、自分の幸せを求めている。不思議とすがすがしい気分で観劇を終えることができました。

 そんなわけで予想外にニキヤとガムザッティの物語でした。お互い自己主張が激しすぎず、ひたむきでいじらしく、なんとももの悲しい物語でした。ソロルについては腹立たしい以前に特に感情が沸き上がりませんでした。女性2人が奪い合うほど魅力的だったとか、なんで気持ちが変わったのかと問いただしたいとかいう気もなく、けれど不思議とニキヤとガムザッティの物語は成立していました。そして女2人が大変もの悲しいので、あまりソロルが自己主張しすぎるとむしろ腹立たしくなるなあと思えたのでこのバランスは間違ってなかったと思います。じゃあ熊川ソロルに存在感がなかったかというと、踊りについては文句なしですねえ・・・。振り返って気づいたのですが、ソロルはそこまで踊るシーンがないのに、あえて増やそうとしていない。このあたりが今の彼の限界であると感じつつも、もちろんスタンダードな「バヤデール」としては文句なく踊ってますし、若手を見ていても踊りが足りないとは思いませんでした。「踊り足りない」とばかりに増やすことなく、基本をきっちり押さえて見せ場はきちっと見せる。踊りでは全ての面で格の違いを見せてくれました。いくらストーリーで存在感がないとかいっても、これだけ踊れる人の踊りを見ると客席が暖かくなって舞台にのめりやすくなるのも事実。女性2人が演技をしやすい環境を整えて、2人の物語を彩ったともいうことができます。そのバランスが、なんとも不思議でした。
 ソリストとして気になったのは春奈さんの第2ヴァリエーション。コールドは疲れるどころか回を重ねるごとによくなっていたのですが、彼女はその中でもひときわ光を放っていました。細かい動きでも軽やかでしかも安定している。動きの全体が柔らかく、そして堂々としている。とても魅力的でした。この日は湊さんが弾むようにかわいらしく、井上さんも堂々と踊っていました。3人とも安定感と個性があり、コールドの美しさ以上にソリストとしての輝きがあり、見ごたえがありました。
 伊澤さんの苦行僧は兼城さんに比べると人間らしいというか男くさいというか。生身の人間を感じさせつつも軽やかで、芯の通った動きが魅力的でした。伊澤さんの踊りは品はいいけれどなにかインパクトが足りないと思っていましたが、とても魅力的でした。
 杉野さんと蘭さんはもういうことありません。とっても楽しそうです。問題はジャンペの踊りでキュートでコケティッシュな蘭さんと小芝居がおもしろい杉野兵士、どちらを見れば悩ましいことです(笑)。
 1幕3場の男性陣で目が行ったのが益子さん。なんというか、はじけるように踊っておりました。その日のマチネ、結果的にはたった1回となったブロンズアイドルを踊ったのですが、きっとうまくいったんだろうなあと思える踊りでした。栗山さんは背も高く品もよく、いろんな役をやってほしいと思えるタイプでした。ちょっと堅い気がしたのですが、そのあたりは慣れてくればよくなるのかなと。川村さんはどうしても表情が硬いのが気になります。浜崎さん、結構好きなのでがんばってください・・・。(キャスト表に名前がありませんので、間違ってたらごめんなさい)
 そんなわけで、メインはなんとか全キャスト見ることができました。はっきり見逃したのは益子さんのブロンズアイドルくらい。どれもカラーが違い、とても楽しい公演でした。余りに肌になじみすぎてうまく言えないのですが、多分Kバレエの作品の中で一番好きです。ストーリーの割合も多く、踊りは正当はな踊りからキャラクターまでそろってる。男女ともに見せ場が多く、とても楽しかったです。まだまだ見足りてないので、再演が今から楽しみです。

Kバレエ
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(2014/03/31(Mon) 23:46:30)





  ドイツ語圏夏の野外劇場

ドイツ語圏の夏の野外劇場のキャストがある程度出そろいました。

野外劇場はセットと演出がまず面白いです。
それだけで「はるばる行く」かいはあります。
チケット代も安いですし(スイス除く)。
問題は気候に左右されやすいことより、座布団必須の劇場があることより、行きづらいことなんですよね…。
電車だけではいきつけないところが多いのが、本当に悩ましいです。

今年の注目公演のキャストは以下の通り。

Kiss me, Kate(Bad Hersfeld)
Fred Graham / Petruchio - Thomas Borchert
Lilli Vanessi / Kate - Katharine Mehrling / Milica Jovanivic (01., 02., 08., 09., 10., 11., 12.07.2014)
Bill Calhoun / Lucentio - Sascha Luder
Lois Lane / Bianca - Marie-Anjes Lumpp
Harrison Howell - Hans-Christian Seeger
Hattie - Gina Marie Hudson
Paul - Eric Lee Johnson
Gremio / Freier / Ensemble - Tom Schimon
Hortensio / Ensemble - Florian Soyka
Ralph / Ensemble - Dominik Büttner

Ensemble - Meimouna Coffi, Alexandra Farkic, Joana Henrique, Erdmuthe Kriener, Marion Zollinger, Fredrik Andersson, Luke Giacomin, Stefan Preuth, Frank Wöhrman

The Rocky Horror Show(Magdeburg)
Magenta: Lucy Scherer
Brad: Maximilian Mann
Janet: Jeannine Michele Wacker
Erzähler: Peter Wittig
Riff-Raff: Marlon Wehmeier
Columbia: Christina Patten
Frank'n'Furter: Dominik Hees
Rocky: Tobias Bieri
Dr. Scott: Wolfgang Klose
Eddie: Tobias Regner (Sven Fliege)

Ensemble: Julia Baukus, Lisa Kolada, Elisabeth Köstner, Rosalie Becker, Celine Vogt, Sven Fliege, Christian Funk, Oliver Morschel, Tobias Berroth, Lars Schmidt

Der Graf von Monte Christo(Röttingen)
Edmond Dantès / Der Graf von Monte Christo - Yngve Gasoy Romdal
Mercédès - Ann Mandrella
Fernand Mondego - Martin Berger
Gérard de Villefort / Abbé Faria - Dennis Kozeluh
Valentine de Villefort - Leah Delos Santos
Baron Danglars - Anton Graner
Luis(a) Vampa - Kathleen Bauer
Albert Mondego - Max Buchleitner
Jacopo - Katharina Lochmann

Ensemble - Katharina Lochmann, Johanna Kräuter, Kathleen Bauer

Aida(Thun)
Aida - Patricia Meeden (Rebecca Stahlhut)
Radames - Jörn-Felix Alt (Rupert Markthaler)
Amneris - Sophie Berner (Ellen Wawrzyniak)
Zoser - Armin Kahl
Mereb - Manuel Lopez (Wei-Ken Liao)
Pharao - Thomas Wißmann
Amonasro - Walter Reynolds (Adamo Dias)
Nehebka - Rebecca Stahlhut (Dapheny Oosterwolde)

Ensemble Damen:Sara Bispham,Marta Di Giulio,Guilia Fabris,Dapheny Oosterwolde,Laurie Reijs,Tanja Schön,Rebecca Stahlhut,Ellen Wawrzyniak

Ensemble Herren:John Baldoz,Adamo Dias,Tobias Joch,Wei-Ken Liao,Denys Magda,Rupert Markthaler,Laurent N‘Diaye,Vanni Viscusi (Swing/Dance-Captain)

欧州大陸側ミュージカル
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(2014/03/30(Sun) 15:18:37)





  Kバレエ ラ・バヤデール(2014/03/22 ソワレ)

ニキヤ:浅川紫織
ソロル:遅沢佑介
ガムザッティ:井上とも美

★★★★★
オーチャードホール

 ニキヤとソロルの組み合わせとしては一番見たかった2人。先日後半だけ見ましたが、ようやく全編見ることができました。ほんっとうに面白かったです。
 完全にニキヤとソロルの物語でした。ガムザッティの存在感が薄くてかわいそうになるほど。一度はガムザッティの手を取ったソロルですが、ソロルにとっての運命の女性は最初から最後までニキヤでした。卯用曲折ありながらも、ソロルがニキヤを手に入れるまでの物語でした。ラ・バヤデールらしいどろどろした人間の感情の重さがありつつも、美しいハッピーエンドとして終わる。本当に面白かったです。

 とにかく、今の2人でこの作品を見ることができたのがなにより幸せです。浅川さんも素敵でしたが、それ以上に遅沢ソロルが「今見ておくべき」ソロルでした。精悍な男らしい物腰がうっとりするほど美しく、王子ではないのに気品のある立ち姿にまず見惚れました。戦士という設定に恥じない力強さと、巫女の隣にあっても不自然でないスマートさ。存在感全てが今見ておくべきソロルで、見るほどに見惚れました。
 浅川さんのニキヤは凛と美しかったです。登場した瞬間からそのたたずまいがそもそも悲劇性を物語るような薄幸さがありつつも、押し付けがましくない程度の意思の強さを感じました。寺院の巫女たらんとして感情を見せず凛とした姿を保っていたから、解き放たれたようにソロルと踊る姿が印象的。幸福そのもののように、自由と愛を歌う。2人のパドドゥは本当に素晴らしかったです。溢れる感情を隠すことなく、喜びを歌うように踊り、その踊りが音楽となる。1幕1場が一番音楽性を感じました。踊っている2人というより、2人が音楽そのものであり、喜びそのものに思えました。また、相変わらずリアリティを感じる2人ですので、年相応に、熱を感じ、色気を感じる2人でした。美しい音楽そのもののような踊りだったのに、触れ合う中で戦士であるソロルが引っ張る形で巫女のニキヤとの踊りに色香を感じるのが、なんとも言えず刺激的でした。
 ひとつ引っかかったのは、そこまでソロルはニキヤを求めていたのに、なぜ一瞬でもガムザッティを選んだかということ。ガムザッティに確かに心動いた瞬間もあったでしょうが、どちらかといえば理屈で感情を押し殺しているように思えました。花かごの踊りも、完全にニキヤとソロルのものでした。ガムザッティが自分はここにいるとソロルに訴えてはいましたが、そこはソロルの気持ちを取り戻そうとするニキヤと、そんな彼女への未練を振り払おうとするソロルの物語でした。まっすぐにひたむきにソロルを見つめ、求めるニキヤと、そんなニキヤを見ることすらできないソロル。花かごを渡すことがある意味ニキヤへの裏切りになると分かりつつも彼女に渡すソロルと、それでも贈り物を喜ぶニキヤ。そんなニキヤを、迷いながらも見捨てたソロルが幸せになれるはずがない。1幕が終わった時点でソロルが幸せになることはないと思えました。

 悔悟と懺悔で自分を殺しかねないと思えたソロル。意識を失うまで、それを望んで、阿片を吸い続けているように思えた。意識を失ったらそこでニキヤに会えると予感していたかのように。影の王国はソロルが望んで思い描いた世界のように思えました。だからそこがどこであるかなど気にせずにニキヤを探している。逆にニキヤは感情が薄く、彼女自身の意思というより幻影のように思えました。その幻影をソロルは追い求める。そこにあるのが幻影だとどこかわかっているように見えて、それでも姿がひと時でも消えたら気も狂わんばかりに追い求めていた。「苦悩する遅沢さん」が好きな身の上としては、1幕以上に引き込まれました。なぜあの時手を離したかと自分を責め続けながらニキヤを求め続ける。彼の幸せはどこあろうとニキヤのいる場所であり、もうなにがあろうと決して手を離さないと思っているようでした。そして最後、ニキヤの幻影を追って黄泉の世界に旅立って行ったように思えました。彼女が向っていくところがどこであれ、それが幻影であれ、彼女がいないところではもう生きていけないと分かっていたから。
 ニキヤはしっかりした芯を持っている女性でしたが、ガムザッティやラジャに復讐する女性には思えませんでした。それでもガムザッティが蛇に襲われることに違和感がないのは、因果応報という側面を強く感じるからかもしれません。ガムザッティ自身悪女ではありませんが、それでも滅ぼされるに足ることをしたと納得できます。もちろんラジャも。誰の意志かということがはっきりしないため若干唐突感がありますが、それでも物語の展開としては納得できます。
 不思議なくらい、2幕ではどろどろした感情を感じませんでした。それでもブロンズアイドルの踊りは浄化に思えました。どちらかといえば清々しさを感じる伊澤さんのブロンズアイドルが、因果応報によって、もしくは天の罰によって滅んだ人たちの苦しみさえも洗い流しているように思えました。
 これはソロルとニキヤの物語。最後には苦しみの果てに二人とも救われたように思えました。全てから解放されて魂の自由さえも手に入れたソロルが自由と愛を歌いながらニキヤを求める。ブロンズアイドルによって浄化された光の中にいるニキヤは幻影でなく本物のニキヤで、現実世界でも、影の王国でも手に入らなかったニキヤを、ソロルはようやく手に入れたように思えました。ソロルにとってものすごく都合のいい物語なのですが、なぜか不満は感じませんでした。とても気持ちよく、光に包まれた二人を見守ることができました。
(作品ジャンル全く違うのですが、ミュージカル「エリザベート」の最期の曲、「ベールが落ちる」を思い出しました。「全てが終わった。自由になった、どうか救いを。記憶を消し、魂の帰れる場所を与えて(ざっくりした訳)」という言葉のイメージが一番しっくりきたのです。なにもかも洗い流され、記憶も過去もしがらみも全て捨てて、自由になり光の中で再びまみえたように思えたのでした)

 そんなわけでソロルとニキヤの物語という側面が強すぎたため語り損なってしまいましたが、ガムザッティは先日ほど悪女さを感じませんでした。どちらかといえば穏やかなラジャの娘で、兵士たちも彼女にあこがれ、彼女に選ばれることはないとわかりつつも彼女が一人の男のものになることを残念に思い、しかしその幸せを祈っているように思えました。そんな風に愛されることが当然に思える女性。ニキヤに出会い、彼女への嫉妬心がガムザッティを狂わせたように思えました。そんな「愛される資格を持った女性」が「因果応報」で死んでいったのは、「人を呪わば穴二つ」ということなのかもしれません。ニキヤを疎ましく思い、彼女を見捨てたことが彼女に報いとして返ってきた。そのことに不自然さは感じませんでした。
 同じように「人を呪わば」を感じたのが大僧正でした。彼のニキヤへの愛は、それが愛だと彼が受け入れるより先に、いえ、受け入れがたいと思っているからか、ソロルへの憎しみに変わっていました。ソロルを憎み、彼を滅ぼそうとした思いが結果的にニキヤを滅ぼし、大僧正にも苦しみを与えた。ところで大僧正の存在感が濃いにも関わらずなにか薄味に感じていたのですが、彼の物語が1幕で終わっているからかもしれません。熊川版の展開では2幕に出番はないですが、ニキヤを失った後の彼がどうなったかは気になります。ニキヤがいなくなって元通り…になるわけはありませんから。

 苦行僧が何なのかいまいちよくわからないし、理解しなくてもいいやと思えてきたこのごろですが、あれは妖精さんです。パックのようにぴょこぴょこはね回ってるので妖精さんでいいのです。人間たちに住む領域を侵された、かわいそうな妖精さんたちなのです(変な設定まで付け加える始末…)。また、兼城さんが絶妙に人間くささを持たず、重さを持っていないので「妖精」だと思い始めたらそれで納得できてしまいました(笑)。兼城さんの軽やかさは本当に不思議です。空中でさらに一段あがるかのように重さがない。とても好きです。
 ジャンペの踊りはなにはなくとも蘭さんです!他の人を見てみたのですが、彼女のちょっとしたニュアンスの付け方がとても魅力的。ほんの少しのアクセントなのですが、繰り返しの多い振り付けの中でとても映えます。この場面は後ろの兵士たちの小芝居もおもしろいので目が足りません。若干エロおやじ入ってる杉野さんがおかしくってたまりません。
 太鼓の踊りはすっかりはまりました。クセになる音と振り付けです。この場面だけ何度も繰り返し見たいくらい。杉野さんが今回も抜群に楽しく踊ってくれて見ほれました。それにしてもずっと走っているようなとんでもない振り付けです…見ているだけで息切れしそう。
 パ・ダクシオンはピンク組に若干の疲労が見えて心配です。青組はむしろ調子をあげているのではないかと思うほど。4人の動きがとてもきれいにそろって素晴らしかった!蘭さんの踊りはここだとちょっと色気がありすぎるなと感じたり、新居田さんの動きは若干堅いなあと思うことはあれど、基本的に安定していると思います。浅野さんと春奈さんの柔らかくも芯のしっかり通った踊りは本当にすばらしいです。男性二人も素敵なのですが、後ろに控える兵士チーム?も素敵です。この場面では名前がでてこない役ですが、さすがKバレエの男性チームだと思わせてくれる動きです。
 影の王国のコールドはやはり調子をあげているようで、うっとりするほど動きがそろっていました。第2バリエーションの白石さんがちょっとお疲れのようで心配。
 この演目ではどこから探してきたのか立ち役の男性が多いです。体格のいい壮年の男性たちばかり。もちろんバレエ団にもソロのない男性陣はまだいると思いますが、さすがに学校を出るかでないかの若手ばかりでしょう。そういう若い子達よりは、明らかに舞台慣れしていない感じでも年輩の男性の方が雰囲気がでていいと思っている次第です。
 まだ熊川荒井を見る予定はありますが、若手公演はこれで打ち止め。今までなんで上演してこなかったのだろうと思うくらいこのバレエ団の個性にぴたりとはまった良作だと思います。男女ともに見せ場のある踊りが多いですし、王子と姫の物語でないので若手の主演抜擢にもぴったり。物語も分かりやすく、Kバレエらしくどろどろし過ぎず、それでいてダンサーによって幅広い物語の解釈がある。このバレエ団によくあった、いい作品になっていると思います。若手の4パターン全て見ましたが、若干浅川&遅沢のときのガムザッティが弱いかなと思ったくらいで、全体のバランスも絶妙。同じバレエ団でこれだけ違う物語ができるのだと、むしろ感動しています。まだほかにも見てみたいと思うキャストもありますので、今後の再演が今から楽しみです。 

Kバレエ
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(2014/03/23(Sun) 01:56:09)





  Kバレエ ラ・バヤデール(2014/03/22 マチネ)

ニキヤ:佐々部佳代
ソロル:宮尾俊太郎
ガムザッティ:浅川紫織

オーチャードホール
★★★★☆

 ガムザッティ目当てで取った公演でしたが、大変おもしろかったです。
 日向&池本に続き、ニキヤの物語でした。最後に勝ったのはニキヤの愛。しかし日向ニキヤと違いそこにあったのは女の執念でなく、無垢な少女の一途な愛でした。こんなにさっぱりした気分で見終わったバヤデール、初めてです。

 佐々部さんのマリー姫は苦手だったのですが、理由がわかりました。彼女の踊りはまだ子供っぽいのです。年齢的にも若いでしょうからそれも当然なのですが、マリー姫はクララと比べて「大人の女性」でなくてはならない。そのあたりに違和感があったのだと思います。ニキヤは完全に子供でした。10代中頃の、無邪気な少女でした。ソロルの愛が全てと、心の底から信じられる少女。将来のことなんてなにも考えてないし、だから結婚してほしいとかそんなことも全く考えてない。ただ愛し愛されている幸せが全てで、それさえあればほかに何もいらないと信じられる少女。そんな無垢で無邪気な天衣無縫さが、大変かわいらしかったです。巫女として凛としたたたずまいをしているのに、苦行僧からソロルのことを聞かされたときにぱっと顔を明るくするあたりから本当にかわいらしかった。ソロルと密会し、花が咲き誇るみたいな満面の笑顔で踊っているのも愛らしかった。そんな風に生身の少女として笑い喜ぶ姿を見ていると、彼女は巫女なのだからと自分を言い聞かせてなんとか身を引こうとした大僧正の心に火をつけたのもわかる気がしました。
 一方のソロルもニキヤに負けず劣らずの脳天気ぶりでした。年齢的にはニキヤよりずっと上なのでしょうが、同じように将来のことなんてなにも考えていない。今、ここにあるニキヤとの愛だけが全てと思えて、幸せな時間を謳歌している。悲劇性を全く感じさせない二人で、その朗らかな空気感がぴったりでした。宮尾さんの踊りもさすがに堂々としてきて、凛とした気品がある。ニキヤの目線からすれば「大人の男性」である頼もしさと美しさがありました。少女があこがれる王子様、という表現がしっくりきます。若干頼りなさを残したニキヤに、ぴったりのソロルでした。佐々部さんが小柄というのもあり、「大人と子供」という雰囲気も強く感じられました。
 ガムザッティは「才色兼備」という言葉がぴったり来る女性でした。皆に愛されるラジャの娘として、それにふさわしい品格を身につけようと努力し、それを手に入れた女性。心根も温かそうで、誰からも愛され、あこがれられる女性だったでしょう。そうなれるように、彼女は自分を磨き、成長してきた。そしてまたさらに一歩「大人」となるため夫を迎える。そんな「結婚して大人になる」という成長過程を彼女が頭の中に思い描いているように感じられました。彼女自身、すてきな男性に心ときめいたという以上に、一人の男性の伴侶となることに覚悟を決めたように思えました。一方のソロルはガムザッティに一目惚れ。運命の人にようやく出会えたと思っているようにすら見えました。そういえば何度もペアを組んでいるこの二人、雰囲気もぴったりでしたし、背格好もちょうどお似合いなので、ぴったりのカップルという雰囲気でした。ニキヤとソロルもすてきなカップルだと思ったのに、それ以上に運命的にお似合いの二人だと感じられました。
 この作品の見所の一つに、ニキヤとガムザッティの対比というのがあると思うのですが、「無垢な巫女と貴族の令嬢」という対比以上に「子供と大人」という対比を感じました。佐々部さんが小柄なこともあり、浅川さんと並ぶと本当にまだ成長途中の少女にしか見えません。浅川ガムザッティは年齢にふさわしい、知的で品格のある淑女たるべく努力してきた女性に思えました。一方、佐々部ニキヤは天衣無縫の少女。着飾ることもないし、年齢そのままに子供のままである。けれど子供っぽいなりに間違いのない美しさも持っている。ガムザッティが戸惑ったのも当然です、ニキヤはガムザッティが持ち得るはずのない美しさを持っていたのですから。「彼女の方が魅力的だ」、そう思う男性がいたら、誰からも慕われるべく努力してきたガムザッティでもかないません。だからこそことさら意地悪く、自分がいかに財産的に豊かであるかを示そうとする。愛されているかを、年端も行かない少女に無理矢理示す。ニキヤは本当に心から宝飾品に興味がないように思えました。彼女にとってソロルからの愛が全てで、本当にそれ以上のものを必要としていないように思えました。だからこそ、それを否定され子供っぽくムキになる。ニキヤが本当に子供だったので、大人であるガムザッティが本気で牙をむくのが哀れでもありましたが、ガムザッティも決して悪人ではないこともわかりました。そんな不思議なバランスを持っていました。

 1幕3場のソロルは、どこかガムザッティの伴侶に足りうる男性になろうとしているように思えました。もちろんガムザッティに惹かれたのはその美しさであり、それは運命の出会いで一目惚れだったのですが、象の上で胸を張るソロルは、ラジャの娘であるガムザッティにふさわしい、ラジャに婿養子として迎えられる男としてふさわしい人間になるようにしているように思えました。二人のパドドゥのうっとりするほどぴったりでした。ソロルもニキヤと踊っていたときの子供っぽさはなく、大人の男性としての芯の強さを感じました。一瞬ソロルはニキヤを思い出しますが、ガムザッティはそのことに気づかず、どちらかといえば別世界に迎えられることを不安に思っているソロルを励ましているように思いました。
 ニキヤにとってソロルの愛が全てであったからこそ、裏切られたときの痛々しさは例えようもありません。ほっそりとした小さな体が本当に幼く、かわいらしく頼りなく、ソロルからの愛を失っただけで、世界中の全てから見捨てられたように感じているように思いました。けれどソロルからの花を受け取ったとき、理由はどうあれきっとそれが初めて受け取るソロルからの贈り物だったのでしょう。うれしくて仕方ないというように踊る姿がいじらしくって仕方なかった。ガムザッティはこれから死んでいくニキヤを少し哀れに思っていうようでした。ニキヤのことを嫌ってはいても、殺したいと思うほどには憎んでなかった気がしました。どこか動揺を隠すように、努めて明るく振る舞いながらソロルに接していうように思いました。ソロルの心はガムザッティのものでしたから、ソロルはガムザッティの手を取り去っていく。ソロルの愛が全てだったニキヤはそれを失ったと確信して死を選ぶ、それが彼女にとって全てだったから。愛こそが全てだと、強く感じるニキヤでした。

 ニキヤを失ったソロルは、後悔というより自分の選択に迷いを感じているように思えました。ガムザッティを選んだことに後悔はないけれど、それによってニキヤが死んでしまったことで、その選択に迷いが生じているようでいた。ソロルの友人がソロルに阿片を進めたのは彼の朗らかさが失われたから。ほんの少しの気紛らわしのために阿片を進め、ソロルも少しの気分転換くらいの気持ちで手を出し、引き返せなくなったように思えました。
 影の王国は、どちらかの夢というより、二人の夢の中という気がしました。どちらが主体的であったかということはなく、お互いに惹かれて夢の中で再会したように思えました。ニキヤはソロルの愛を少しも疑っていないように見えました。裏切られても、彼の真実の愛は自分のものであると、そう信じているように思えました。ソロルはガムザッティに一目惚れし、彼女と幸せになれたでしょう。ラジャの婿養子になるという気負いはあれど、打算以上の愛でガムザッティに惹かれていたと思います。この夢の中で、ソロルはガムザッティとニキヤと、二人の女性の間で心が揺れ動いているようでした。けれど夢の中で、ニキヤの一途で濁りのない愛に触れているうちに、子供のようにただ愛していたときの喜びを思い出したように思えました。そうして、自分を求めると疑ってないニキヤを追い求め、黄泉の世界に旅立っていったように思えました。
 ガムザッティにかみついた蛇も寺院の崩壊も、ニキヤの強い思いが要因であると思いました。そこにあったのは憎しみというより、子供っぽい怒りかもしれません。その怒りに飲み込まれたガムザッティは因果応報というよりむしろ哀れでしたが、ニキヤの気性がまっすぐすぎたからか、負の感情はあまり感じませんでした。
 だからブロンズアイドルは浄化ではなく祝福のように感じました。ずっと見守っていて、そして最後に勝った愛を祝福するようでした。伊坂さんは全幕で見ると若干踊りに不安を感じることがあるのですが、さすがに1曲だけですので見事でした。軸がしっかりしているのにとても軽やか。どこか暖かみもあり、とても見応えがありました。

 そして最後は純粋な、打算のない、無垢な、子供の愛が勝つ。最後まで一度もソロルの愛を疑っていなかったニキヤのまっすぐな思い、そして子供のようにただ愛を求める無邪気さを取り戻したソロルの朗らかさ。驚くほど、さわやかなラストシーンでした。ラ・バヤデールという、人間の負の感情渦巻く物語が、こんなに暖かく終わるとは思いませんでした。とても気持ちよく、楽しかったです。

 踊りの面では若干お疲れの方が見えてきたかなあと思うのですが、影の王国のコールドは美しさと、そしてちょっと空気をはらむようなアームスの動きまでそろってきたように見えて驚かされました。ジャンペの踊りは脇の兵士たちが楽しそうですし女性陣の踊りも生き生きしてとても楽しいです。女性の中では山田さんがちょっとした緩急の付け方に見応えがあって好きです。パ・ダクシオンだと山田さんがちょっと堅く見えるのが残念ですが。ここは中村さんが抜群の安定を見せてくれます。宮尾さんのソロは一か所ほかのソロルより簡単になっておりましたが、多分初見だと気づかないでしょうから問題なし。

 今のところ極度にお疲れの方はなし。長期戦、皆様ケガなく乗り切れますように…。

Kバレエ
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(2014/03/23(Sun) 00:54:22)





  Kバレエ ラ・バヤデール(2014/03/20 ソワレ)

ニキヤ:浅川紫織
ソロル:遅沢佑介
ガムザッティ:井上とも美

オーチャードホール

 相変わらず仕事佳境につき途中参戦でした。1幕3場から。ですから感想は全体的なものでなくほぼ第一印象ですがご容赦ください。
 とにかく主演二人が素晴らしかった!個々では欠点があるのは分かるのですが、この二人の組み合わせで見ることができたのがなにより幸せでした。お互いへの信頼関係で成り立つ、まさに「バレエ」。流れるような動きも美しく、ひとつひとつのポーズも美しい。なにより遅沢さんが、浅川さんを引き立てるところに立ってるし、二人のシルエットが重なるようなところも多々あった。2幕のパドドゥは本当にこれを見るために来たのだと力いっぱい叫びたいレベルの素晴らしさ。求めるソロルと、何処か感情なく、しかしソロルの傍にとどまり続けない幽玄の存在であるニキヤ。そういう演技が綺麗に成り立っているのに、踊りとしても本当に美しい。ニキヤを求める刹那げなソロルの色香と、ニキヤの透明感。この二人らしい世界観で、本当に良かったです。
 井上さんのガムザッティはオディールのようでした。美しく気位高く、でも冷たさを隠そうともしない。オデットの優しさを偽る必要もないから、とても強く感じました。それでも黒曜石みたいでほんときれいだった。いつの間にか踊りも安定して驚きました。しっかりと軸が強いのに、力んでいる感じがないのはお見事。しかしイタリアンフェッテのあとにグランフェッテとか、鬼のような振り付け…。
 ソロルとガムザッティのパドドゥはなんとも言いがたい違和感…かな。それを感じたのがおもしろかった。踊っている最中で、ソロルがニキヤを思い出しているのが分かった。こういうところが分かるから、遅沢さんの演技が好きなのです(踊りについてはちょっと体力不足を感じてしまった)。
 ニキヤは赤い衣装が似合っているのに、芯が強そうなのに透明感があって美しい。裏切られたから、もう生きていきたくないという絶望感がひしひし伝わってくる。それでいてガムザッティの悪行を暴くシーンでは毅然とした強さがある。存在感があるのに透明で、儚く見えて強い。魅力的なニキヤでした。
 途中参戦で残念ながら大僧正様と苦行僧は明日以降にお預け。雰囲気は良かったので楽しみです。
 ちなみにラストはいろいろひっくり返ったのですが、個人的には納得がいきました。結構好きです(また後日ゆっくり語ります)。

Kバレエ
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(2014/03/22(Sat) 02:03:25)





  Kバレエ ラ・バヤデール(2014/03/21 ソワレ)

ニキヤ:日向智子
ソロル:池本祥真
ガムザッティ:浅野真由香
★★★★★
オーチャードホール

※熊川版のラストシーンネタバレがありますのでご注意ください。

 なんというか…予想外のバランスでした。予想以上に生々しく、驚かされました。こういう発見があるから深みにはまるのです…。
 まず感じたのは相変わらずの池本さんの技術の高さ。ポジションがいちいち綺麗ですし、ジャンプも高くて安定してる。ジュッテでの美しい後ろ足は何度見てもうっとりです。ソロで客席をわかせることができるのは哲也と彼くらいではないでしょうか。また、女性並みかそれ以上の柔軟性があるためか、1幕3場のガムザッティとのパドドゥが綺麗にはまる。サポートも丁寧で、ダンサーとしてとても安定してると感じました。
 池本さんがその安定した技術で客席をあたためてくれたためか、特別技術の高くない日向さんも引っ張られるかのように踊りやすそうに見えました。ちょっとアームスが硬いかなあと最初は思いましたが、途中から気にならなくなりました。技術的には安定感はありつつも驚くようなところはなく、踊りをリードしていたのは池本さんだったと思います。でもこの舞台を支配していたのは彼女でした。

 日向さんのニキヤは予想以上に生々しい女性でした。巫女でありながらも俗世に未練を残している感じ。神戸さんが巫女として幼い時から育てられたように思えたのに対し、日向さんはある程度成長してから寺院に売られた感じ。外の世界に憧れつつ、寺院の中でしか生きられないような物悲しさを感じました。ソロルのことを愛していたとは思うけど、それ以上に戦士という血なまぐさい、いわば俗っぽい男とまるで普通の女性のように恋ができることを喜んでいるようでした。狭い世界に閉じ込められている彼女にとって、ソロルは外の世界との唯一の接点のようにも思えました。
 一方のソロルはどこまでも好青年。出てきた瞬間から、バレエの主演を一通りこなせるのではないかと思うスマートさでした。彼の好青年ぶりが発揮されるのはガムザッティに出会ってから。そこにあったのは名誉欲などではなく一人の青年の純粋な一目惚れ。象に乗ってるシーンでも腹立たしさはなく、密やかな愛をはぐくむのもすばらしいかもしれないけど、突然白馬に乗った王子様が現れたらそりゃころっと落ちてしまうのも仕方ない…とごくごく自然に姫に例えてしまうほどの穏やかさでした。
 ガムザッティは気位が高く、甘やかされて育った故に底意地の悪さを最初から感じる女性でした。美しいけれど、どこかとげのようなものを感じる。世界が自分の味方だと信じて疑ってない女性。ソロルと出会って少し恥じらったりするけど、純粋さははにかみ笑いがかわいらしいソロルの方が上という奇妙なバランスでした。
 ガムザッティはニキヤが望むものすべてを持っているように感じました。みすぼらしい格好をしているけどニキヤもかつてはガムザッティのようにきらびやかな装束をまとっていたのではないかと思うほど。ガムザッティがニキヤに与えようとした腕輪や首飾りはニキヤがかつて持っていたものであり、彼女が確かに今も求めているものであり、そしてだからこそ、惜しげもなく与えようとする、その身分の差を誇示してみせるガムザッティの態度がニキヤのプライドを傷つけているように思えました。ソロルからの愛のほかに誇るものをなにも持っていないニキヤが、それすら偽りであるとガムザッティに言われたとき、よくしばらく持ちこたえたと思うほど、ニキヤの中にある感情は強いと思いました。ナイフでガムザッティを傷つけようとするのも当然。そしてまた、そのニキヤの芯の強さが、世界は自分のものであると疑ってないガムザッティのプライドを傷つけ、殺意すら抱くという流れがとても自然でした。
 ソロルの前で踊るニキヤは悲しみよりも「あなたも私を裏切るのね」という訴えをしているように思えました。まるでソロル以外も彼女を裏切ったかのように、ままならぬ人生にいらだちを感じているようにも見えました。花かごに蛇を仕込んだことを、おそらくガムザッティは父親から聞かされたのでしょう。人を殺すことに覚悟を決めたガムザッティは一際美しく、けれどどこか残忍に笑うようになった気がしました。ソロルが若干の罪悪感にさいなまれつつも渡した花かごを、ニキヤはどこか誇らしく受け取り、踊っていました。まるでその花がソロルの愛の証であり、まだ愛は死んでいないと思ったかのように。だからこそ花かごに蛇が仕込まれていたことの悲劇性が高まる。それはニキヤに対するソロルの決定的な裏切りではありましたが、ソロル自身の心はすでにガムザッティのもののように思えました。だからソロルはガムザッティと去り、ニキヤは死んでいく。まるで「こんな人生もううんざり」と嘆くかのように、自分から命を手放すように。
 ニキヤ亡き後も、ソロルの後悔はそこまで深くないように思いました。後悔というよりも「間違ったことをしたのだろうか」と自分のしたことを疑問に思っているかのように。だから阿片をすうのも、「この気持ちが少しでも楽になるのなら」という感じで、どこか好奇心もあるように思えました。遅沢、伊坂が、ニキヤを失い、その苦しみで生きていくことができず、阿片に救いを求め、そこに酩酊を、もしくは破滅を求めたのに比べると雰囲気が軽かった。だから夢の中でニキヤが現れたとき、それはソロルが求めたものでなく、ニキヤが望んだものに思えました。ニキヤを失った苦しみ故に阿片に逃げ、幻の中でニキヤを追ったのでなく、一時の気紛らわしのために阿片に触れ、夢うつつの中にいるソロルの魂をニキヤが捕らえたかのように。だから影の王国でもソロルはニキヤを探しているのではなく、幻の世界でさまよっているうちにニキヤに再会したように思えました。そして幻影の世界で、ソロルはニキヤへの愛情を思い出していく。踊りについては最初にも述べたように池本さんが引っ張っていましたが、ストーリーはニキヤが中心に思えました。浅川、神戸よりもずっとニキヤの執念を感じました。だから最後にソロルがニキヤを追っていったとき、それはソロルの意志から生じたものでなく、ニキヤがソロルを黄泉の世界へ連れ去ったように思えました。
 可憐な外見なのに執念を感じるニキヤでしたので、ガムザッティがソロルに触れたとき、蛇の姿となってニキヤがガムザッティに襲いかかったのは納得がいきました。それは神の意志や偶然ではなく、ニキヤの執念だと感じました。ラジャが蛇に触れようとしたとき寺院が崩壊したことさえ、自分を陥れた男へのニキヤの怒りのように思えました。だからこそ、逃げまどう人々がどうなったかわからない中で、ラジャだけははっきり死んだことがわかるという流れが、とても腑に落ちました。池本ソロルはニキヤを失ったことを心の傷として残しつつも、ガムザッティと幸せになっても不思議はないと思えました。そしてそれが腹立たしくないほど、穏やかで朗らかな人柄でした。ニキヤは彼女自身の事情があり、寺院の外にあこがれつつもそこから逃れられないように思えました。きっとソロルと結ばれることはなかったでしょう。それは一人の女の執念。陥れられた女は、愛する人の魂を得て、自分を陥れた人々を滅ぼした…そう感じながら、崩壊する寺院を眺めていました。
 しかし物語は続いていきます。人間の愚かさを吹き飛ばすような艶やかなブロンズ・アイドルの踊り。どこかのんきなその音楽が、人間の醜さを洗い去るような穏やかさを与えてくれました。人間の醜さを吹き飛ばし、残るのは人間の美しい感情だけ…。
 最後に勝ったのは「愛」だと思いました。ソロルはガムザッティを忘れ、ニキヤの元に行きました。現世ではきっと幸せになれなかったであろうニキヤは、死んで、けれどソロルを手に入れた。ラストシーンはソロルがニキヤを手に入れたのでなく、ニキヤがソロルを手に入れたように思えました。この物語の勝者は、間違いなくニキヤであり、彼女の執念でした。けれどブロンズアイドルがその執念を払い去り、ただ純粋な愛だけが残る、そんな物語でした。

 浅川&遅沢も神戸&伊坂もソロルの物語でした。けれど日向&池本は踊りでは池本さんが引っ張っていたにも関わらず、ニキヤの物語でした。ラ・バヤデールという物語はとにかくソロルが男のくずで、とにかくこのバカを一発殴らせろと思うのですが、観劇後、全くそれを感じませんでした。それは池本さんのソロルが計算高さを感じない、温かで穏やかな人柄だったということも要因の一つだと思います。しかしそれ以上に、ニキヤがソロルを求め、ニキヤなしで幸せになろうとしたソロルの運命を無理矢理ニキヤがねじ曲げて彼を得た物語だと思えたので、ニキヤの執念に感嘆することはあれ、ソロルの意志薄弱さをののしる気にはなれませんでした。また、これだけ「女の執念」という言葉を繰り返していますが、日向さんはニキヤとしても線が細く、雰囲気も穏やかで温かい。だからニキヤから女の醜さというのは感じなかったのが不思議でした。とても不思議なバランスで成り立っている物語でした。大変面白かったです。

 話の流れで書けませんでしたが、池本さんが不思議なくらい純情一直線に感じたように、キャシディさんの大僧正も純情だと感じました。外見からしてはっきりとある程度年齢を重ねていると分かるのに、ニキヤに対する思いは中年の執着心でも肉体的なものでもなく、まるで少年の初恋のような純情さでした。大僧正自身そんな思いを抱いたことがないことを示すように、自分の気持ちをどう表現したらいいのかわかっていないように見えました。そんないじらしいような戸惑いが、あの重厚な大僧正の内面に宿っているという言葉にすると不自然なバランスが、なんの問題もなく成立しているのがキャシディさんのバランス感覚のすごさだと感じました。ラジャにソロルのことを密告するのもその不器用さから来たものに感じられ、ソロルとガムザッティがくっつけばそれはそれでいいんじゃないかという突っ込みどころも感じませんでした。
 苦行層は酒匂さん。兼城さんにくらべて生身の人間らしさを感じました。兼城さんのほうが踊りは好みなのですが、彼のどこか人間離れした軽やかさよりも、もう少し生々しさを感じる酒匂さんのほうがこの物語には合っていた気がします。のびのび踊っていて、なによりでした。
 井澤さんのブロンズアイドルはのびのびと踊っていました。踊りの面としてはもうひとこらえというところがあったのですが、彼の持ち味かそれとも話の展開からか、どこかのんきな雰囲気の曲を含め、一陣の風が吹き抜けたかのように穏やかな気持ちになれました。ラストでたたずむ姿も、穏やかな神々しさがあって好きです。

 1幕2場で出てくるソロルの肖像画ですが、絶妙に熊川さんや遅沢さん、宮尾さんや伊坂さんに似ているようなでも似ていないようなという雰囲気で、よくできてると思いましたが、残念ながら池本さんだけはその流れから外れるかなあと思ってしまいました(苦笑)。
 相変わらず太鼓の踊りが楽しいです。パ・ダクシオンの女性はピンクよりも青のほうがお気に入り。2幕のヴァリエーションは若手が二人おりましたが、どちらも技術的には不安を感じつつも好きな踊りでした。
 ところでニコライさんのソロルの友人という立ち位置が微妙に分かりません。ストーリーを運ぶための潤滑油のような存在でいなくてはならないのはわかるのですが、ソロルの友人というよりラジャの友人の子供…くらいの距離感を感じています。

 まだ引き続き手元にチケットが残っております。別のキャストもまた、楽しみです。

Kバレエ
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(2014/03/22(Sat) 01:56:07)





  Kバレエ ラ・バヤデール(2014/03/21 マチネ)

ニキヤ:神戸里奈
ソロル:伊坂文月
ガムザッティ:中村春奈

オーチャードホール
★★★★☆

 今回はお仕事繁忙期最中につき、基本的に見られるのは1キャスト1回きりです。それが本当に残念です。
 神戸&伊坂組はイメージとしてはどちらかといえば子供っぽい感じ。「陽性」ともいえる暖かい雰囲気のする二人ですが、すごく良かったです。特に神戸さんが素晴らしかった!どうしても子供っぽさが残る方だと思ったのですが、いつの間にか透明感のある、美しい女性になっていました。踊りも本当に芯が強くなりつつも柔軟性が高く、なんでもこなせるダンサーになったと思わせてくれます。対する伊坂さんもくるみ割り王子の頃より風格が増してきてより男らしい雰囲気に。踊りには得手不得手があるのがわかってしまうのが難しいところですが、ちょっと大仰と思える演技の中に弱い人間であるという演技も確立していてとても良かった。なにより二人の相性が良かったのがうれしいところです。神戸さんはソロではいいのですが、この人、というパートナーがいなかったので(強いていうなら橋本さんだった)、雰囲気のぴったり合ったこの二人の組み合わせは驚くほどお似合いでした。伊坂さんが若干役を選ぶと思いますが、これからも見てみたい組み合わせです。

 昨日は途中参戦だったのでこれでようやく全編見ることができたのですが、よくできたおもしろい作品だけど、ほんっとうにソロルに腹が立って仕方ない(笑)。あれだけニキヤに愛を誓っておきながら、ころっとガムザッティとの結婚を約束するなんて!1幕3場で像の背中に乗って現れたときは、顔面に蹴りを入れたくなりました。ほんとどうしようもない・・・。
 伊坂さんのソロルは「弱い人間」だと感じました。それをはっきり感じたのは2幕だったのですが、ニキヤを失い、誰かに、なにかにすがらなければ生きていけない弱さを感じました。それを思うと、ガムザッティに傾いてしまったのも、彼の弱さ故かなあと思えないこともありません。
 神戸さんはどこか苦難にもじっと耐えるようなイメージがありました。でてきた瞬間から、どこか幸薄そうな雰囲気がある。どんなことがあろうとじっと耐えてきたような雰囲気があるから、ソロルからの愛を誇らしげに語り、ガムザッティに殺意すら抱く迫力には驚かされます。花かごの踊りで感じたのは絶望感よりも静かな悲しさ。花かごをソロルから受け取り、「それをあなたが望むなら、それがあなたの幸せなら」と思っているかのように静かにほほえみながら踊っている。けれど最後には耐えられなくなって悲しみに押しつぶしつぶされそうになる。蛇を仕込んだ犯人がガムザッティだと指摘するところも、「卑怯者!」と彼女に対して叫びつつも、そこにあったのは女としての執念でなく、彼女自身のまっすぐな心根のように思えました。

 昨日はストレートな悪女だと感じたガムザッティ。今日は彼女もソロルに運命を変えられた女性だと感じました。ダンサーの個性というのもあるでしょうが、なにより1幕2場で登場したとき、彼女が普通にかわいいお嬢さんに見えたというのがその原因だと思います。皆に愛され甘やかされていた少女。世界中が自分を甘やかし、愛し、自分はすべてを持っていて、幸せになることができると信じていた少女。こう書くと何となく高飛車なように思えますが、そんなことがなく、愛されてると信じている故にひねくれたところのない、朗らかな少女だと感じました。けれどソロルがニキヤを愛していると知り、少しずつ変わっていく。身分が低いのに誰もが認めざるを得ない美しさを持っており、また、ガムザッティの持つ富にかしずくこともない。今まですべて思いのままであったこと、そして嫉妬心がガムザッティを狂わせたように思えました。2場の幕が下りる頃には、登場時の朗らかな少女は面影もなくなっていました。女って恐ろしい。
 ガムザッティがソロルに運命を狂わされた女性になったために、若干「因果応報」という要素は薄くなったかなと思います。それでもなんとなくストーリーの結末に納得ができたのは、意志の弱い男ソロルが、ちゃんと「もうニキヤを離さない」と心を決めたからかなと思います。伊坂さんも神戸さんもどちらかといえばあくが強くてリアリティより物語の登場人物としての存在感を強く感じるのですが、不思議とちょうどいいバランスで神々しいまでに美しく存在するニキヤと、胸が痛くなるほど切ない思いで彼女を求めるソロル・・・という姿が、ラストシーンで成り立っていました。ソロルのしでかしたことを思うと、彼が幸せになることに納得は行かないところがありつつも、それでも美しくまとめられた話に不満はありませんでした。・・・でもやっぱりソロルは一回殴りたい・・・。

 キャシディさんの大僧正は絶妙な存在感。相変わらず場を支配する存在感を持っていながらも、だからこそニキヤへの愛の表現がどちらかといえば控えめで、強い存在感と押し殺したような愛情表現が、善人とはいいがたい彼の行動のすべてがどこかけなげに感じるほどでした。ラジャにソロルとニキヤのことを密告するシーンすら、悪意よりも彼の不器用な愛情表現と感じられました。
 兼城さんの苦行僧はびっくりのはまり役でした。重さを全く感じない軽やかな動きが本当にすごい。かなり細身でありながら長身で、軽やか。いままであまり大きな役をやってきていない方ですが、今の彼にぴったりの役だと思います。
 杉野さんは太鼓の踊りが本当に楽しそうだし、恵姐さんも本当にかっこ良くて素敵です。
 井田さんの指揮は相変わらず堅調。特に女性のソロの回転がいつもきれいに決まるので聞いていて心地いいです。
 本当にひっどい話だと思うのですが、引き続き楽しみです!

Kバレエ
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(2014/03/21(Fri) 16:19:03)




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