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  Kバレエ くるみ割り人形(2015/12/22)

マリー姫:浅川紫織
くるみ割り人形/王子:遅沢佑介
ドロッセルマイヤー:スチュアート・キャシディ
クララ:荒蒔礼子
雪の王:益子倭
雪の女王:中村春奈
★★★★☆
赤坂ACTシアター

(12月23日くらいに書いたものを3月10日に加筆)
 楽しい公演でした。バレエはこれが今年最後の観劇になるのですが、これが最後で本当によかったと思える幸せな公演でした。
 私は浅川さんが好きで遅沢さんが好きで二人の主演が好きで、ずっと言っているとおりですが、まあ二人がいればいいのですが外れの公演もなきにしもあらずだったりするのでふたを開けるまでどうなるか分からない・・・ということもあり(と言うか去年のくるみ1回目はいまいちだった)どうしてもそわそわしてしまうのですが、いい公演でした。なんと言ったらいいのか、とてもふわふわ軽い公演。グランパドドゥ、前回はどこか厳かさがあり、それが「結婚式」にふさわしい雰囲気だと思いました。「ようやくここまでたどり着けた」、そんな感じでした。今日はどちらかというと「今二人でいられることがうれしい」というただそれだけ。「二人で一緒に今そこにいて踊っていることが幸せでたまらない」そんなマリー姫と王子の踊りを見て、こちらも巻き込まれるように幸せになるよう。なんと表現をしたらいいのか・・・一つ一つの動きがとても軽やかで、音を転がして歌うかのような踊り。軽いけど地に足が着いてない感じでもない。二人とも長身なのに遅沢さんのジャンプも軽いし浅川さんも羽のようにふんわりリフトされる。綿菓子のようにふわふわ軽いのに、踊りはしっかりしているし、相応の華やかさもある。この二人って若干シリアスな空気を引きずるタイプだと思うのですが、それを感じない、不思議な温かさのある踊りでした。最近前方席に座ってばかりいるから思うのかもしれませんが、この二人の視線のかわしかたがとても好き。王子の見守るまなざしと、マリー姫の王子を見上げるまなざし。ここぞというタイミングと言うより、踊ってる最中でも相手がそこにいるのをなんとはなしに確認してほほえんでいる、そのちょっとした姿がちゃんと姫と王子の仕草に見えて、それが全体的な幸福感につながっていたのかなあと思います。
 遅沢さんの王子はもう何回目だよという感じで見ておりますが、最初にマリー姫を抱えているときの「ああ、彼女は生きている」という痛々しいまでの安堵、目覚めさせる手の動きの温かさ、目覚めたマリー姫を見守るまなざし、そして彼女が自分に気づいてくれたときの、そして彼女を抱きしめたときの喜び。それが本当に温かくて温かくて、何度見てもそれを見るために劇場に足を運びたくなります。
 グランパドドゥ、手の角度、足の角度がそろってるのはもちろんそうなのですが、何というか、体の重さがそろってるというか・・・うまく言えないのですが、存在感というか、そういうのがそろっていた気がします。その二人でワンセットという雰囲気がとても美しくって、良いなあと思っておりました。
 フィナーレのあとで王子によりそうマリー姫の姿が本当に美しかった。なんて幸せそうにほほえむんでしょう。前回は物語の終わりを感じさせるもの悲しさが少しありましたが、今回はそれがなく、王子に寄り添う姫というよくある構図の、ただそれだけの幸福感いっぱいの雰囲気に見ほれてました。
 最後、細かいところですがマリー姫のクララへのキスはとても軽くどこか祝福するようにだったということと、王子のクララへの別れが寂しげであったこと、そしてそのことに対してマリー姫は王子ほどの思い入れがない・・・と言ったらいいのかな、クララと特別別れ難いのが王子だけというのが、なんか好きでした。なんとなくその対応の違いが、王子はクララと冒険をしたのだと思わせてくれました。

 そのほかのこと。
 荒薪さんのクララは本当に鉄壁。かわいらしく表情豊か。パーティのシーンで細かいネタを拾うのに一生懸命でストーリーを忘れかけていたのですが、深夜のネズミとのやりとり、そして決意を見ているうちにこの舞台が誰の物語を思い出しました。
 ところで、ネズミさんのうち一匹がまた必要以上にうまかったです。前回はとにかく飛ぶはねるが美しかったのですが、今回はやたらネズミっぽい。確かにKのネズミは着ぐるみですのですごくネズミっぽいのは事実なのですがそれにしたってこんなにネズミっぽいネズミは珍しいと感じる、芝居心のあるネズミでした。

 花のワルツはくると思っていた一部の隙もない、ザ・花のワルツ。池本さんの踊りはほんっとうに見事です。今回は王子1回のみで寂しい思いをしていたので、存分に見ほれました・・・と言いたいところですが、隣にいる美奈さんと石橋さんも気になる。石橋さんはそこまで花のワルツタイプではないと思うのですが、美奈さんは雰囲気といい美しい動きといい、まさに花のワルツ。その隣にいると石橋さんも花のワルツらしいいい笑顔に見えてくるのが不思議です。技術的には、特に池本さんのとなりに並んでしまうと、まあ、うんという感じではあるのですが、やはり美奈さんと石橋さんが並んだときの雰囲気は好きです。井上さんの踊りも相変わらず華やかで安定している。高い技術と安心感のある井上池本ペアと、技術的にはいろいろありますがみずみずしさが魅力の小林石橋ペア。目が足りませんでした(というかこの組み合わせもっと見たかった)(姫と王子を見るのに忙しかった)。

 最後にパーティの雑雑したこと。
 辻坂元和田、篠宮盧、石橋兼城、伊坂西成、山田堀内井平(?)(敬称略)、杉野さんだけ家族不明。多分こんな感じの組み合わせだったのではないかなあと思います(顔で見分けてるので間違ってたらごめんなさい)。夫婦関係は男女で踊ってるシーンで分かるのですが、親子関係はいまいち謎です(主に帰りのシーンで見分けてはいますが)(石橋兼城親子については兼城さんをずっと見ていたときのなんとなくの感覚)。
 兼城少年は相変わらずいい感じでクソガキでした。ちなみに石橋さんと親子だと思った理由は2回ほどやんちゃをしすぎていた頭をぽこられていた(1回はいい音した)というのと、大人たちが踊っているときに後ろの方で石橋紳士の方をうれしそうに見たり手を振ったりしていたからです(おしゃべりのお相手・篠宮紳士)(そんなところばかり見ているからメインの話を忘れる)。そのほか、人形をもらう辺りで列に並ぶとき本田少年と喧嘩して石橋紳士にたたかれておりました。泣き真似していたら兵士人形もらい損ねそうになり和田少年に教えてもらってたり、その後の敬礼の手を間違えてフリッツに直されてたり、わりとどんくさかわいかったです。ドロッセルマイヤーが人形を出す辺りで大騒ぎしすぎてまた石橋紳士にたたかれてました。石橋紳士が珍しく謝っていたのが印象的。兼城少年と和田少年は気が付くと喧嘩しておりました。ちなみに地べたに座っている兼城少年、その姿勢は意外と柔軟性のある人じゃないとできませんよ?
 篠宮紳士がケーキ食べてたり、堀内酔っぱらいが人形の頭の上に人形逆立ちさせて乗せてみたり、酒臭いのか飯田少女にいやがられてたり。本当にこねた拾うの、楽しかったです。

 翌日からミュージカル方面でばたばたしていたので尻切れトンボですがこんな感じで。楽しかったです。

Kバレエ
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(2016/03/10(Thu) 23:16:32)




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