一度森下洋子さんを見てみよう!という思いで見に行ってみました。
 結論。
 森下洋子さんを一度見てみたいと思った人は今すぐに行くこと!
 なんか、バレエを見に行ってるはずなのに感じることが「表現力がある」とか「演技が素晴らしい」とか ばかりなんですもの。 そりゃバレエも表現力は大事だっていうのは分かります。 でも、それだけじゃないはずだ。 動きの美しさやターンやジャンプの見事さというのもバレエの見所のはずだ。 そちらの美しさは群舞では感じられただけに、主役で感じられないのはもの足りない。
 とはいえ、観て損はなかったと思える表現力。 子供にはとー――ぜん見えないのに、動きや仕草や表情が一番子供っぽい。 最初は女の子だったのに、最後で恋をして少し成長したという姿も分かりやすかった。 ラストは夢から覚めてあれは全て夢かと思っていたところにおじさんからストールをもらって、 それが夢の中で王子からもらったものと同じだと分かった時の表情とか、素晴らしく良かった! あれは夢じゃなかったのかもしれない、あの人はいるのかもしれないと顔に明るさがさして、 それはそれはかわいかった。 言葉のないバレエだからこそ伝わるんだと思えるほど、言葉があるのは無粋だと思えるほどよかった。 しかし、バレエを見に行ってそんな静かなシーンで感動するっていうのも、なんだか・・・・。
 年を経るごとに表現力は増す、しかしバレエのテクニックは衰える。 そんなことをしみじみ感じてしまいました。 ので、見に行きたいと思ってる方はすぐにいかれることをお勧めします。

 ところで、くるみ割り人形の最大の見せ場は各国の踊りだと思っていたのですが、 今回その認識が正しかったことを実感しました。 朝からのチケット取りのためにこの日は眠くて仕方なかったんですが、ここだけはちっとも眠くならなかった。 とにかくかわいい衣装をまとったダンサーがその曲にあった踊りを見せてくれる。 衣装もかわいいし、踊りも素晴らしい! 中国の娘さんはとにかくかわいいし、あし笛のグランフェッテは見事だった! とにかく、ここだけもう一度みたいです(苦笑)。 本当に凄かった! 難しいこと抜きにして「なんか分からないけど、すごく面白くって楽しい」と感じられました。 近頃まれに小難しいこと考えながら舞台見るけど、これでいい気もします。 クリスマスっぽい幸せに浸れて楽しかったです。
 カーテンコールも凝っていて楽しかったし。 バレエ団なのに、まさか唄いだすとは思いませんでしたよ。 人数いるから、それなりに歌を聞いてる気分になりました。 第一、この場で歌唱力がどうのというのは無粋の極みだ。 でも「うまい歌」でない、とにかくたくさんの人で唄われたクリスマスソングを聞いてると、かえって アットホームなクリスマスという感じがしていいかもしれないです。 なんか、楽しかった。

 色々思うところはありましたが、素直に楽しかった・・・のかな? というか、各国お菓子の踊り以外はそんなに印象が残ってないような。 それでいいような悪いような。
 最後に、クララにくるみ割り人形をプレゼントしたおじさんが妙に怪しくてすごくかっこよかったです。 ・・・いいの、頭空っぽにして楽しむって決めたから、これで・・・・。


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