二羽の鳩/三人姉妹
2006/11/05
愛知県芸術劇場

二羽の鳩
少女吉田都
青年輪島拓也
ジプシーの少女松岡梨絵
愛人宮尾俊太郎
ジプシーの少年アレクサンドル・ブーベル
友人長田佳世
神戸里奈
小林絹恵
副智美
東野泰子
柴田有紀
中島郁美
中谷友香
三人姉妹
オリガ松岡梨絵
マーシャヴィヴィアナ・デュランテ
イリーナ荒井祐子
ヴェルシーニン中佐熊川哲也
クールギンスチュアート・キャシディ
トゥーゼンバッハ輪島拓也
ソリョーヌイ芳賀望
アンドレイ・プローゾフドウ・ハイ
ナターシャ長田佳世
軍医チェブトイキンイアン・ウエッブ
アンフィーサ高橋佳子
メイド中島郁美
兵士橋本直樹
田中一也
ピョートル・コプカ
リッキー・ベルトーニ


 東京公演に行く予定はあったのでそれまで我慢しようと思いましたが、仕事の関係で都さんの「二羽の鳩」が見れないかも・・・という可能性が出てきたので、急遽行ってきました(笑)。

 この公演については、何回か見る予定(あくまで予定)なので、まずはプログラムについて気になったこと。 アシュトンについての説明のページに、ロイヤル時代のキャシディさんの写真を発見! 「リーズの結婚」のコーラスでした。 若いしかっこいいし細いし、一体あの太ももの肉はどこから来たのかと、改めて疑問に思ってしまいましたよ、ええ(笑)。 「三人姉妹」についての作品の説明は無料情報誌「DANZA」の方が分かりやすいかも。 でも、こちらには人物関係図があるので、開演前にさっと目を通す分にはいいかもしれません。 正直、この作品は主な人間関係を把握していなければどうにもならないと感じました。 稽古場の写真は都さん、キャシディさんが不在。 都さんはロイヤルの公演に出てたのかもしれませんが、キャシディさんはいつ来日したのだろうか・・・。 キャスト写真が新しくなったのは、輪島さん、神戸さん、副さん。 輪島さんの写真がどう見ても哲也を意識してるように見えます、彼らしいです。 ようやく経歴が載った浅川さん、なんか年下っぽくてびっくりしてます・・・・。

 初めて行った愛知県芸術劇場は、そこに至るまでの空間は国際フォーラムを思わせるものがありました。 いやー、無駄な空間多すぎ。 劇場はよくある横にも縦にも大きいものでした。 ただ、2階席が中2階というか、1階とさして変わらない高さにありました。 この2階は見やすいかもしれません。 3階席は、普通の2階席くらいの高さになっていました。

 「二羽の鳩」は基本的には面白かったです。 私にとってはキャストがすごーく好みで嬉しかった! 都さんがお目当てだったのですが、主人公というべき青年は近頃気になる輪島さんですし、 少女よりも舞台にいる時間の長いジプシーの少女は大好きな松岡さんですし、 その恋人は一押しの宮尾さんですし。 メインキャストを追っているだけでも目が足りないくらい幸せでした。
 この作品、ストーリーはたわいもないものですが、なんとも粋でおしゃれで楽しい作品でした。 今まで縁がない世界だったんですが、こういう洒落た感じのバレエもあるんですね。
 都さんの少女はとにかくかわいい! 何をしててもかわいい、笑っててもかわいい、すねててもかわいい。 青年の浮気に怒ってるところなんて、怒っているのにどこか悲しそうで切なくって、もうそれだけでさらって行ってしまいたいくらいかわいい! その動きが、表情が、まとっている空気が、その全てがかわいくってかわいくって、目が離せなくなりました。 もう、これだけではるばる見にきてよかったと思えるものがありました。 技術の面でも、さすがにすごい。 足がとても高く上がるのに、とても高くジャンプが出来るのに、「私はここまで出来るのよ!」という力みが 全く感じられない。 とても軽やかに高度なことをやってるあたり、さすが。 振り付けの中に鳩の羽ばたきを模したもの(手を腰に当てて、腕を前後に動かす)があったのですが、 これがすごく面白かった。 彼女がやると本当に羽を動かしているように見えるんです。 これは正面から見るより後ろから見たほうが面白かったかも。 人の筋肉ってこういう風に動くものかと、しみじみ眺めてしまいました。
 輪島さんの青年はいいところもあり、悪いところもありといった感じ。 いいところは演技面かな。 彼は年齢も近いこともあってか「そのまま」に見えました。 少女のことをかわいく思っていても、小鳥みたいに付きまとっては愛情を求めているのを疎ましく思うところや、 ジプシーの少女に惹かれてしまうところ、一途に求めた挙句もてあそばれるところや最後に少女のところに戻ってくるところまで、 とにかく感情の流れが自然でした。 また、見た目が似合うんですよね〜。 初めて気がついたのですが、輪島さんてへたれ2枚目が似合うんですね。 普段の写真よりずっとハンサムなのも素敵でしたし、すらりとした体に情けない部分が似合う存在感。 ちょっとこれは得難いものではないかと思えました。 どんな馬鹿なことをやっていても根はまじめそうで憎めないので、見ていて結構楽しかったです。 踊りについてはうまくはなっていますが、相変わらず荒っぽいです・・・・。 2幕のソロでは「それってプロとして はどうよ!?」と言いたくなるところまで出て来てしまいました。 飛んだら跳びっぱなし、足を上げたら上げっぱなし、そんな感じがします。 もうちょっと細部まで気を使ってくれると見ごたえがでてくると思うんですけどねえ。 あと、リフトが下手に見えました。 同じことをしていた宮尾さんの方がよほどうまく見えたのですが・・・。 ルックスの面では得難いものを持っていますし、芝居も面白いので、もう少し踊りを何とかしてもらえるとありがたいです。
 ジプシーの少女の松岡さん、本当に彼女は見る度にうまくなっている気がします。 踊りの安定感も増してますし、以前より少し丁寧になった気がします。 都さんの踊りを見たあとだとちょっと力が入りすぎと思うところもあるのですが、彼女自身の勢いはこの役にぴたりと当てはまっていてとても魅力的に見えました。 彼女を意識してから初めて見たあくの強い役なのですが、さすがに似合いますね。 遊び半分で青年を誘惑するところ、ジプシーたちの女王のように振舞うところ、愛人とのパートナーとして寄り添っているところ、とにかくどこもかしこも魅力満載でした。 こんなに出番が多いなんて思っていなかったので、ちょっと嬉しい誤算でした。 都さんの少女も見逃してはならないものだと思いましたが、松岡さんのジプシーの少女も見逃せないものだったと思います。 彼女の魅力を満喫することが出来ました。
 宮尾さんはさっき言ったようにリフトが意外にうまくってびっくり。 踊りはまだまだと思えるところがありましたが、やっぱり見た目はかっこいいし、派手な雰囲気が役に合っていたので楽しめました。 来年の「海賊」が楽しみです。
 新メンバー、アレクサンドルさんは小柄でびっくりしました。 でも細身で芸達者で面白いです。 この先どんな役で出てくるのか、楽しみです。
 少女の友人たちの中で目に付いたのは長田さん。 彼女はこういう優しい踊りにあっていると思います。 ジプシー女性で目に付いたのは案の定役にぴったりだった小林さんと、意外なことに神戸さん。 小林さんのキャラクターからいくとジプシーはぴったりだったのですが、踊り始めると神戸さんの方が魅力的に見えて、びっくりしました。 妖艶とまでは行きませんが、下品にならないほど良い艶っぽさがあって、自然と目が彼女の方にひきつけられていました。 ジプシー男性たちは・・・・せめてそろえる努力をしてください・・・・。 派手な衣装を着てばらばらに動かれるとかなり混乱します。 わざと外して踊ってるのか、そろえようとしてるのにそろってないのか、それをはっきりしてくれると嬉しい。 2幕はそうでもないのですが、1幕はちょっと目眩が起きました。

 物語は本当にたわいもないものです。 最初は二羽であった鳩のうち一羽が飛び立ってしまう、しかし最後には戻ってくる、たったそれだけの話でした。 それだけですがちゃんと細かくストーリーがあって、踊りの見せ場があって、全く飽きることのない作品でした。
 冒頭の「あなたが好き好き好き!」オーラ全開の少女がかわいいし、それに辟易している青年も面白い。 この二人の気持ちのやり取りがとても自然で、「かまって欲しい」ということを行動で示しているような少女の気持ちも、 それにうんざりしている青年の気持ちもよく分かりました。 椅子の使い方も面白かったです。 背もたれに大きく穴の開いた椅子を使ったアラベスクは絵的にきれいでしたし、 青年が座ろうとした椅子に少女が座ってしまうなんていうたわいない動きは作品にいいアクセントを与えていたと思います。 ジプシーたちがやってきたあとの少女は本当にかわいかった! 青年の気を引こうとむきになっているところがかわいい (どうでもいいけど、このあたりのシーンがK版コッペリアそっくりでちょっと苦笑、インスピレーション?)。 ジプシーの少女の動きを真似るのがいじらしくってかわいくって。 青年の取り合いからだんだん青年を蚊帳の外にした女の戦いになっていくのも興味深かったです。
 2幕は松岡さんの凛々しさと輪島さんのへたれっぷりに釘付けでした。 つよぶって見せるけど、結局輪島さんの青年は根の真面目さ、人のよさがにじみ出ている気がしました。 一目見ただけで彼だけ雰囲気が違うのが分かるんです。 輪島さんと松岡さんは二人とも見た目がよくって同年代なので、絵的には本当にきれいでした。 絵的にはきれいだけど、お互い住む世界が違うと感じられたところが面白い。 ジプシーの少女は自分は浮気を楽しむけど、愛人にはそれを許さないといったあたりがまた魅力的。 でも結局彼女はジプシーの一人、彼女の愛人の共犯者。 最後の方は全体的に「深入りしすぎた者への報い」というのが感じられて、このまま青年が帰れなかったらどうしようと 本気で心配するような部分もありました。 あそこの一瞬は本気で怖かった・・・。
 ジプシーたちが一瞬一瞬を楽しんでいるような享楽的な雰囲気は魅力でした。 場面転換のときの幕前でのちょっとした恋人たちのやり取りが個性豊かで面白かった。 「これからお楽しみ」といった雰囲気が、ちょっとした仕草や表情で出るものなのですね。 それにしても、両手手錠のように縄をかけられた姿が似合う輪島さんって何者かしら(笑)。
 そして青年は少女のところへ戻ってくる。 ずっと待っててくれた少女がまた涙ものにかわいいのです! 少女の顔を自分の方へ向ける青年の仕草も優しくて素敵。 鳩は絶妙のタイミングで戻ってきます。 二羽に戻った鳩と、収まるところに収まった青年と少女。 たわいがないのにとても心温まるラストシーンでした。
 一度全部見てみて改めてキャスト表を見てみると、康村さんの少女&荒井さんのジプシーの少女というのはおもしろいかもしれないと思えました。 二人ともタイプの違う踊りをしますが、実力はそこそこ近い感じがしますし。 主人公は青年、それから少女とジプシーの少女、という感じの構成だったので、同等の実力のダンサーの方が面白いかもしれないと思えました。


 「三人姉妹」はうーん、面白かったんですが「時期尚早」という言葉がちらりと頭をかすめてしまいました。 「トリプルビル」で感じたこのバレエ団の良さ、若さ、瑞々しさ、勢い、その全てが裏目に出てしまった感じ。 演出も振り付けも音楽も演技も良かったです。 でも、演技に厚みがない。 ダンサーの層に厚みがないのがそのまま物語の厚みの無さにつながっている気さえしました。 もうちょっと色々な年齢の人がいたらそれだけで違ったと思います。

 はっきりとした物語があるというよりは連作の詩を見ているような気がしました。 大きな流れ−暗く閉塞したある街に軍隊が駐留し、去っていく−の合間にそれぞれの登場人物の気持ちの高ぶりがある、そんな感じの作品でした。 とにかくまず音楽が素晴らしかった。 それが流れてくるだけで、雪降る凍えた街で怒った出来事だと感じられる。 聞いているだけで息が詰まるような感じがしました。 セットとしては舞台奥の紗幕の向こうに宴席があるというささやかなものでした。 でもそちら側が人の心の表の世界で暖かく、舞台の手前が人の心の奥底で冷たいということを表しているように見えました。 極端な例えをしてしまうと、紗幕の向こう側が室内で、手前側が廊下という感じ(笑)。 暖炉の火の暖かさが届かない、そんな世界に思えました。

 なんだかバランスの悪い話だと思ったのですが、一番の原因はマーシャとヴェルシーニンかも(苦笑)。 オリガとイリーナはちゃんと姉妹に見えました。 でもそこにマーシャが入ると誰が一番年長なのか分からなくなる。 雰囲気的にはオリガだけど、見た目的にはごまかしようがないくらい明らかにマーシャ。 まずそこでちょっと混乱。 ヴェルシーニンは実はあんまり印象に残っていません(苦笑)。 正直、一番踊りと演技が離れている人に見えました。 「ジゼル」の時のようにお互いの自己主張が強すぎるって言うことは無く、いずれ失われるからこそお互いを求め合うという 気持ちははっきり伝わってきました。 あ、哲也がだめだったのはソロの部分だけかもしれません。 ヴィヴィと踊っている時はちゃんとヴェルシーニンでした。 ただ、飛ぶときになるといきなり「ジャンプの熊川哲也!」になっていました。 これがなければずいぶん良くなったと思うのですが・・・・。 あと、「二羽の鳩」で輪島さんの踊りが荒いなーと思っていたら、哲也が似たようなことをやってくれました。 思わず「お前もかー!」と突っ込んでしまいましたよ。
 話がずれました、戻します。 この作品の中でびっくりするほど輝きを放っていたのはイリーナの荒井さん。 びっくりするほど若くって愛らしい。 ちゃんと末の妹に見えました。 相変わらず踊りは安定しています。 暗い作品の中で唯一無邪気な明るさがあって、彼女には未来を夢見ることがまだ許されているのだと、そう感じることが出来ました。 オリガの松岡さんは健闘していたと思います。 正直、ジプシーの少女を踊ったあとにこの役を踊るのはかなり酷だと思うのですが・・・彼女若いですし・・・・。 それでもちゃんと「オールドミス」に見えたことに驚きました。 すっかり今の状況に腰を落ち着けて、未来なんて無いと思っているように見えました。 いい人なので諍いとかは仲裁するけど、これ以上何かが好転することはないと思っているように見えました。
 今回一番驚いたのはキャシディさんかも。 この人は確かにいつも驚かせてくれるのですが・・・今回も驚かせてくれました。 出てきた瞬間考えたことは「え、あの衣装ってクールギン?ってことはあれがキャシディさん?」という感じのものでした。 メイクのせいかまた顔で見分けられないし、雰囲気が落ち着きすぎちゃって彼だと認識できないし。 アルブレヒトのときのお貴族様オーラはどこにもなく、そこにいたのは人のいい、けれどさえない中年の男性でした。 この人は絶対に裏切らない、この人といれば不幸せになることはない。 そう信じられるのですが、全く胸がときめかない。 何にもない、平坦で凡庸な家庭環境が想像できてしまうんです。 普通こういう関係だとクールギンのようなタイプに同情してしまうのですが、今回はマーシャの気持ちが分かりました。 夫に特別な不満があるわけではないけれど、もっと別の人生があると夢を見る。 それは分かるような気がしました。 キャシディさん、踊りについては「イギリスにいる数ヶ月間何やってたの?」と思ってしまうほどさえないものでした。 確かにさえない役ですし激しく踊ることはありませんが、彼ならもっと一つ一つの動きに意味を込められると思っていたので ちょっと残念でした。 その代わり、役者としての実力は相変わらず素晴らしいものがありました。 ほんの少し手を伸ばして、マーシャの手を引けばいいのに、それが出来ない。 マーシャのことを愛しているけど、だからこそ強く出ることが出来ない。 ちょっとした指先の動きでそれを表現できてしまう辺りはさすがです。 オリガとの微妙な関係も魅力的でした。 お互いに相手の立場も気持ちも分かっているように見えました。 でも抱いている気持ちは愛情というよりは憐憫。 抱き合うことは無く、ただ肩を寄せるだけ。 痛みを忘れることは出来ても、癒すことは出来ない。 お互い真面目そうでしたから浮気するということもなく、ただ互いを哀れむだけのような関係に見えました。 物悲しい二人の関係も、印象的でした。
 オリガとマーシャについては、これは完全に見た目の相性の問題ですね。 オリガが松岡さんならマーシャはもっと若い方がいいし、マーシャをヴィヴィがやるならオリガはもっと落ち着いたベテランの方がいい。 三人姉妹がそろった時、一枚の美しい絵にならなかったのが残念でした。 でも、ヴィヴィのマーシャも良かった。 あきらめきっているオリガとも、まだ夢を見ているイリーナとも違う。 閉塞的な空間の中で、どうしようもないことが分かっていてもそれでもあがこうとしている。 ヴェルシーニンに心引かれたのはどこか仕方ないことのように思えました。 彼が去っていく時、彼と共に彼女は未来に対する夢も希望も失ったように見えました。 外にある雪景色と同じように色のない世界にいて、その中でようやく手に入れた胸を高鳴らせる思い。 それを一瞬で失ってしまった姿は、こちらの胸までも引き裂くのではないかと思うほどの痛みがありました。
 個人的に気に入ったのがトゥーゼンバッハ。 気の弱い眼鏡君でした、これまた輪島さんが好演していました。 ちょっと残念だったのはソリョーヌイの芳賀さんと見た目も年齢も近かったこと。 もうちょっと違っていた方が物語にふくらみがあった気がします。
 長田さんのナターシャは意外なことに雰囲気がぴったりでした。 自分の今もっているものを確保しつつ、さらに高みを目指そうとする野心家の女。 内側からにじみ出るような凄みがありました。
 演出としてすごく気に入っているのが、宴席から聞こえた人の笑い声。 確か男性の笑い声がして、そのあとに女性の声という順だったと思います。 その静寂を破るような声が胸に突き刺さるように響きました。 物語の流れと全く関係のない笑い声がこれほど残酷に聞こえたのは初めてかもしれません。

 兵士たちが去っていくシーンは、そのまま姉妹の夢が費えていくことに対する象徴のように思えました。 彼女たちにとってわずかにあった希望の光がなくなり、またもとの暗闇に戻る。 クールギンは妻を失うことはなかったが、彼は結局妻の心を一時晴らすだけの道化にすらなれない。 オリガははじめから夢を持っておらず、マーシャはつかの間の夢を失い、イリーナはあったはずの未来を失う。 雪だけがいつまでも降り続いている。 とても重いのに心に重く残り過ぎない、美しいけれど心が痛む、そんな物語でした。

 音楽と振り付けにごまかされた感じもしますが、上記のとおり文句を言いつつすっかり楽しんでまいりました。 日本でこれほど閉塞感のある空気を劇場で再現できるということに気付けただけでも、私としては一つの嬉しい発見でした。 ただ、しばらくは再演をして欲しくないです。 5年くらいたって、バレエ団が、団員がもう少し年を重ねたころにもう一度見てみたいです。 まだまだ実力不足と思えるところはありましたが、是非レパートリーに加えて欲しいと思える作品でした。



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