Rudolf |
2009/03/13 |
Raimund Theater |
Kronprinz Rudolf | Drew Sarich | |
Mary Baronesse Vetsera | Lisa Antoni | |
Eduard Graf Taaffe - Ministerpräsident | Uwe Kröger | |
Kaiser Franz Joseph | Claus Dam | |
Marie Grafin Larisch | Carin Filipcic | |
Kronprinzessin Stephanie | Wietske van Tongeren | |
Moriz Szeps - Zeitungsherausgeber | Friz Schmid | |
Edward - Prince of Wales | Kai Peterson | |
Graf Gyula Andrassy | Robert D. Marx | |
Georges Clemenceau | Sasha Dicapri | |
Heinrich Vogelsang | Manuel Stoff | |
Wilhelm II - Deutscher Kaiser | Martin Pasching | |
Wiligut - ein Spitzel | Markus Neugebauer | |
Meisner - ein Spitzel | Jan Hutter | |
Mizzi - eine von Rudolfs Geliebten | Kathleen Bauer | |
Ensemble | Silke Braas | |
Alexandra Farkic | ||
Matilda Hansson | ||
Leigh Martha Klinger | ||
Adrienn Krekacs | ||
Liane Maynard-Schmid | ||
Maxi Neuwirth | ||
Anja von Geldern | ||
Niklas-Philipp Gertl | ||
Max Niemeyer | ||
Niran Straub | ||
Swings | Mercus Tesch |
言葉のわからないミュージカルには二つ種類があります。
分からないなりに意味を理解しようと努力したくなる作品と、何となく全てが興味の対象外になる作品の二つです。
ルドルフは残念ながら後者でした。
おかしいな、映像で見せてもらったハンガリー版は前者だったんだけど・・・。 |
最後まで見て何となく思ったのですが、この作品、方向性が定まってない気がします。 とても楽しみにしていたDrewのルドルフは予想に違わずすばらしかった! 写真で見たとき本物にそっくりと思ったのだけど、実際に見てみるとさらにそっくり。 病気を病んでいて、精神も病んでいて、気難しくまじめで傷つきやすく実直。 本物のルドルフもこうだったのではないかという不気味なリアリズムと、守ってあげたくなるような弱さと何ともいえない色気を持ち合わせていてそれが絶妙なバランスで物語の中の「ルドルフ」を作り上げている。 Drewって歌の人かと思ったけど、どちらかというと役にのめり込むタイプなのかと感じさせられた(J&Hでも同じことを言った気がしますが)。 役者本人のにおいが本当にしないの。 これはこれで素晴らしかったんだけど、この作品の持つ「ちぐはぐさ」の原因がここにある気がしてならないのも事実。 Drewのルドルフはリアリティがあり、かなり陰が深い感じがする。 ところが曲はどちらかといえばポップで明るく、軽いドラマを描いている。 演出はセットがほとんどなく、舞台装置と照明が主なセットになった簡素でスタイリッシュな作り。 甘いドラマを感じさせないDrewのルドルフにはこれくらいシンプルな作りがいいと思う。 ところが、曲は軽いのだ。 どうもこの辺でちぐはぐになってしまっている感じがする(書いていて思ったのだが、Drewのルドルフは心の底から病んでいるのだ。この病んでいるという毒が、曲から全く感じられない、だからちぐはぐなのだ。そしてこの毒がなければDrewのルドルフは成立しないのだ)。 編曲が悪いのか指揮が悪いのか、それとも元の曲がそうだからなのか。 ウィーン劇場協会にしては明るい曲の流れだったが、このままにするならもう少し役者達も軽い演技をするべきではなかったかと思う。 もう少し重厚な曲だったらまた印象も違ったのではないかと思う。 しかし先に曲がある作品だから、これは演出が悪いんだろうなと思う。 というわけで、「こういう作品にしたい」という確たる 方針を感じられない、何とも居心地の悪い作品でした。 役者については特にアンサンブルが「これ本当にウィーン劇場協会の作品!?」という感じでした。 ここの作品って嫌味なまでにみなさん歌がうまいのが魅力だったのに。 オケも何か軽くって、思わずオケボックスの人数を数えそうになりました。 セットは簡素なので、いつもの重厚な感じを期待すると肩すかしを食らいます。 最後まで見たらこれはこれでいいと思えました。 ただ安っぽい衣装については最後まで首をひねりました。 予算が足りないのかしらねえ・・・。 今まで見たのがJ&H、エリザベート、R&J、レベッカとヒットを飛ばした作品ばかりだったせいか、この劇場のレベルってこんなものだったかとまじめに悩んでしまいました。 あと、長い! 3時間弱は長すぎます。 見ている間から長いと思うような作品は削ってくださると助かるなあ・・・。 Drewについては先にも言ったとおり。 歌唱力については折り紙付き、演技については本人の気配を感じさせない「そのもの」ぶり。 病的な横顔がなぜか美しく、彼を見ているだけで満たされました。 お目当てのUwe、やっと会えたね!! でも会える時ってあまり役としてはおもしろくないときだね(苦笑)。 やっぱりマキシムで会いたかったです。 悪くはないけどあまり歌いあげるところもなく、物語の方向性が定まっていないために主人公と対立する側にいるのが際だたなかったかなと。 ただ、2幕冒頭のシーンは好きです。 Uweの絶唱に弱々しさがなぜか色っぽいDrewの組み合わせが最高に魅力的でした。 ここが一番好きなシーンかも。 ヒロインのLisaはあまり好きなタイプじゃなかった。 歌はもちろんうまいんだけど、それ以上は心に残らなかった。 Drewルドルフが感情移入するタイプではなかったので、彼女にもう少し感情移入したかったな。 はすっぱな感じは、誰もが好感を抱くタイプではないと思うのよね。 Wietskeのステファニーももちろん誰もが好感を抱くタイプではないけど、私は彼女の方が好き。 女としていろんなプライドが見え隠れして、それが哀れであり、かわいらしくもあり魅力的でした。 気が強くて冷たい感じもしたけど、なかなかいい女だと思う。 Drewルドルフについてはステファニーがかわいいから彼女を選ぶべきとは思わない不思議なタイプでした。 だからすれ違う二人ということで話が成立しちゃって、私の中でマリーがはじき出されている感じがしました。 やっぱしもう少しマリーに感情移入したかったな。 Carinのラリッシュは結構期待外れというか何というか、しっかりしてくれ演出! ハンガリー版はYanza Kata様が素晴らしかったのに、そこまでの迫力を感じなかった。 ソロシーンがなんか盛り上がりに欠けたのよね、何だったのかしら、あれは? Clausの皇帝はなんかもう、どうでもいいです。 いたかいなかったか見終わったら忘れてるレベル。 見るのであればセンターブロックをお勧め。 演出がその方がきれいに見えます。 というわけで、消化不良な作品でした。 あまりこの先化ける気がしないのですが、どうでしょうかね? |