Kiss Me Kate
2009/03/14
Gloria Theater

Fred Graham / PetruchioPeter Faerber
Lilli Vanessi /KatharinaMaya Hakvoort
Bill Calhoun / LucentioChristian Rovny
Louis Lane / BiancaNini Stadlmann
Harry Trevor / BaptistaRudolf Pfister
HattieTina Schöltzke
InspizientValentin Frantsits
Harrison HowellMarkus Mitterhuber
VitoGerald Pichowetz
LupoPeter Lodynski
Paul / HortensioDominik Buttner
GremioChristoph Sommersguter
MonaClaudia Kraxner
LisaMeike Kopka


 ウィーンの外れ、U6の終点のこぢんまりした(縦10列横20席くらい)劇場での公演でした。 西駅から電車で20分、駅から徒歩5分か10分ほどの距離にあります。 開演時間が8時うえに郊外での公演だったので心細かったのですが、運良く同行してくださる方がいて気持ちよく観劇することができました。
 有名な作品なのに初めて見るのですが、ちゃんと予習をしてこなくって大失敗! 忘れてたけど、単純なコメディほど言葉が分からない状態で見るのがつらいものってないのよね。 話が単純だし演出も奇抜にする必要がないから特別見るものがあるわけでなく、言葉で笑わせるところは完全に置き去り。 映画をきちんと見るくらいはしなくてはなりませんでした。
 しかし演出に手が入っているのは当たり前ですが、これってこんな作品?と思わなくもなかったのも事実。 ほとんどお芝居で歌が少ないし、話が主役不在で進んでいくような感じがあった。 主役より目立っていたあの謎の二人組は何者?と思わなくもない。
 と言いつつ、楽しかったんですけどね。 こういう地域密着型の小劇場ってなんか好きです。 大劇場の作品と比べちゃ行けないところもありますが、ちゃんとチケット代の分は楽しませてくれたと思います。
 小劇場ですが、オーケストラ・・・とは言えないけどミニバンドの演奏でした。 袖にいるのですが、見切れ席が多いために私の席からもばっちりその姿が見えました。 まあ、この辺はご愛敬かな。 セットは簡易なものでしたが、場所も予算も少ないだろうに工夫して作っていました。 カタリーナがいるベランダなんかは人力で動かしているあたりがさすがというかなんというか(笑)。
 キャストについてはよい人ありいまいちな人ありという気もしましたが、小さい劇場なんで近くで見れちゃうからそんなに気にならなかったのも事実。
 しかし、やっぱりMayaさんは素敵だ!! もっと出番が欲しかったしもっと歌って欲しかったりもしましたが(やっぱり演出がおかしい?)彼女を見るために40ユーロを払ったと思えば全く惜しくありません。 フレッドから花を受け取ったあたりのかわいらしさ、そして手紙を呼んだあと切れて鞭を振り回す迫力。 いい役者さんだとは思っていましたが、改めて惚れ直しました。 かわいくてかっこいい、女が惚れるいい女です。 歌で印象的なところがなかったのが本当に残念。 植木鉢を投げつけたり、劇中劇で縛られたり逆に他の人たちをひとまとめに縛り上げて勝ち誇った顔をしていたり、そんな仕草の一つ一つが印象的でした。 ここぞとばかりに再前列だったので首が痛かったんですが、間近でMayaさんを見れて幸せ。 オペラグラスで見たいい女は、側で見てもいい女でした。 声も魅力的だし・・・。 彼女の出演する作品はこれからも積極的に見に行きたいです。
 リリーの恋敵?ルイーザですが、久々に見た「その顔じゃなかったら人生変わってただろう」と思えるタイプ。 色の薄い金髪と白い肌、くっきりと彫られたようにはっきりした目鼻立ちは本当に人形のよう。 手足も細くすらりと長く、しみじみと感じる美人さんでした。 それでもって踊りはたぶんこのカンパニーで一番うまいんじゃないでしょうか。 狭い劇場ながらも細やかにダイナミックに踊りリフトされる様は見応えがありました。 機会がありましたらまた見てみたい方です。
 フレッド役の人は特別これと言った特徴はなかったのですが、楽しくみさせてくれました。 お芝居が盤石で、歌がしっかりしてる人が中央にいると安心です。
 主役以上に目立ってた気がする二人組。 最初はフレッドに対する借金取りかと思ったら、劇中劇にも出てくるし狂言回しよろしく場面転換時の場つなぎに出てくるし、何者? ミュージカルというよりはお芝居の人かと思える発生と間の取り方でした。 うん、何せ台詞中心だったんで、完全に置いてきぼりだったんだ。
 ウィーン劇場協会の作品ではおなじみのTinaさんに期せずして再会。 顔を見れば分かる人が多いと思うのですが・・・Mozart!のおばかな末っ子ゾフィのオリジナルさんです。 相変わらずなんとなく目を引く方でした。
 何度か置いてきぼりを食らいましたが、明るく楽しいミュージカルという雰囲気は楽しめました。 なかなか楽しい気分で劇場を後にできました。



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