青島広志の夏休みバレエ音楽コンサート2014
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★★★☆
正直なことをいってしまうとなんとも微妙な公演。 音楽も踊りも半端だし、コンセプトがよくわからない。 なんとなく踊りたい曲を集めた感じというか・・・なんとも中途半端。 コンセプトはおもしろいと思うのですが、対象の年代や観客のイメージが湧きづらい。 トークも微妙だし、打ち合わせをしたのか悩むような歯切れの悪さ。 なんとも居心地が悪かったし踊りも物足りなかったのですが、久しぶりにKバレエの若手の踊りがみれたので個人的には楽しかったし来年同じイベントがあったらまた行きますが、正直人には勧められないです。
踊りの部分だけ抜粋して感想を。 ・バラの精 誰が踊ったかは不明。 ただ、ぎこちなさがあったというか、ちょっといまいち。 演出としては青島さんが眠っているところの周りを踊る・・・という感じで、本来の「眠っている少女」を知ってる身の上としてはくすりとできたので、コンセプトとしてはおもしろかった。
・眠れる森の美女 カラボスの手下が相変わらずのKバレエ。 よく跳ねるよく飛ぶ。 結構身長が高いであろう二人の女性の対決、好きでした。 カラボスがストレートに悪役というのに対して、リラは善の象徴というほどまっすぐな感じはしないけど、でも間違いなくリラだと思える不思議な存在感(なんだろう、あらゆることを知っているようなそんな存在感)。 マイムの説明もあり、おもしろかったです。
・太鼓の踊り 好きですし楽しかったですが、コンサートでやる演目じゃないですね。 楽しかったですが。 なんとなく上滑りしているというのかな、世界に入り込むまでちょっと時間がかかりました。 オケもなんとなく公演の時よりも迫力ダウンでしたし。 途中から楽しくなってきましたし、狭いところでのびのび踊る杉野さんを見ているのは楽しかったです。 バックダンサーは男性4人、女性2人。 相変わらず見分けは不可能です。
・ドンキホーテ アダージョだけですごーく残念でした。 狭いのかもしれませんが、全部見たかった・・・。 そんな短い時間に、池本さんはその非凡な才覚を見せてくれたと思います。 この方、本当にすごいです! サポートするときの安定感は抜群、一つ一つの動きが、一瞬一瞬を切り取ったとしても完璧じゃないかと思うくらい美しい。 一つ大きな跳躍を入れてくれましたが、本当にお見事! 眼差しも優しく暖かく、本当にうっとりするような王子様でした。 ・・・ええ、王子様じゃないんですけどね、本当は、床屋の息子ですけどね。 余りにエレガントすぎてバジルに見えないなんて、このバレエ団には珍しい逸材です。 本当に、もっともっと踊りを見たかった! ・・・そして佐々部さんがファーストソリストで池本さんがソリストであることに改めて首を傾げる。 逆じゃないか?
・花のワルツ この曲自体、ワルツの優雅さがなくってあまり好きじゃないんですよね(苦笑)。 失敗するとばたばたしてるだけに見える。 若干ばたばたし気味だったかなと思います(特に男性)。 今回は日向さんを見ると心に決めていたので、ずっと彼女を見ていました。 残念ながら日向さんと井澤さんの相性が悪いのかばたばたした感じでしたが、日向さんの花のワルツは華やかでかわいらしかったです。 篠宮さんは予想通りよく似合っていました。 アントルシャカトルがあまりに美しくって目を奪われました。
・Ballet Gents 今回の目玉かな? 宮尾さん以下、福田さん、杉野さん、益子さん、栗山さんです。 基本的に振り付けはバレエの踊りですが、そんな中にちょっとした会話っぽいやりとりというかふざけたみたいな動きがあって、これがちょっとしたニュアンスになっていておもしろかったです。 こういう「お遊び」はやりすぎると飽きますが、結構正統派の踊りが多い中ではちょうどいい息抜きになりました。 役を踊るでなく自分の踊りたいように踊っているという感じで、それはそれで楽しかったです。 杉野さんは踊りだけだとふつう、益子さんは哲也の踊りをまねるので笑えました。 福田さんは端正なのでこういう個性のぶつかり合いはちょっと厳しい気もしました。 栗山さんはもう少し手足のコントロールが利いたら理想です。 宮尾さんは、普段いろいろ言っていますがやはり若手に混じると格が違います。 振り付け自体は可もなく不可もなく。 このままの路線だったらつまらないとは思いますが、お披露目としては楽しかったです。 外部の振り付け家呼ぶなりして、やり方を考えたらおもしろくなりそうな気はしました。 頑張ってほしいです。
おまけ: 27日に小石川校のパフォーマンスを見に行ってました。 「発表会」であることは理解しているので、感想は少しだけ。
・イーゴリ公 ひさしぶりにこれが見たくって行ってきました。 キャラクターダンスとして毎年踊られるこの演目が結構好きなのです。 今年はまあまあ普通。 良くも悪くもないですが、曲が好きなので郷愁漂うメロディーに乗せて踊られる物語を楽しみました。 隊長いろいろ踊れそうな感じの方でした。
・ドンキホーテ(3幕) セットも衣装もほぼKの公演と同じ。 振り付けが若干違った以外は、最後に「ドンキホーテがまたドルシネア姫を勘違いして旅にでる」の部分がなく、特に意味なくサンチョをつれて旅に出ると変わっていた以外はほぼ公演通り。 ゲストはロレンツォ、ドンキホーテ、闘牛士の一部のみ。 ガマーシュやサンチョまでスクール生がやっていたことに驚きました。
目的は闘牛士役の兼城さん。 そんなに見せ場はありませんが、相変わらずの笑顔と軽やかな身のこなしを見せてくれたので私は満足です。 身のこなしがシャープなんだけれど柔らかいところとか本当に好きです。 何気ない動きも本当に軽いですし。 カルメンでまたお会いできますように・・・。
バジルはかなり安定した踊りでした。 背は若干低いかもしれませんが、ジャンプもターンも安定している。 その勢いのある踊りがいかにもKバレエの子供ですし、でも勢いだけで踊ってるわけではないあたりがさすが。 キトリもきちんと安定してました。 回転が若干弱い気もしましたが、軸はどちらかというと強いと感じました。 軸が強いのに雰囲気は柔らかかったところが好きです。 しかし、発表会なのにグランフェッテで手拍子が起こらなくって驚きました。 観客も頑張った!(ここで手拍子ってけっこうあるんですよね・・・)
個人的に特筆したいのがガマーシュ。 サンチョはまあ普通にかわいかったのですが(床にぺたんと座ってるのがかわいい)、ガマーシュは思わず目がいくほどおもしろかった! 若干衣装に振り回されていて踊りについてはもうちょっと頑張ってと思ってしまったのは事実ですが、例えばキトリとバジルのグランパドドゥを見ながら「きぃ!悔しい・・・でもキトリちゃんやっぱりかわいい・・・」とどこか未練がましくしているあたりなど、なかなかおもしろい演技でした。 エスパーダとメルセデスは若いということもあってちょっとそつなくこなしてる感じはしてしまいました。
結構楽しかったです。
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(2014/07/28(Mon) 00:20:31)
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