Thomas Borchertってこんなひと(その1)
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まだまだ先のことだと思っていたThomas来日ですが、気が付いたら一ヶ月後に迫ってました。 Thomasについて記事を書いたと思っていたのですが、実はなにも書いてなかったので書いてみます。 ヨーロッパ一の名優とか言ってるけど、ファンの私ですらそこまで言わないよ!、まあ、私は世界一好きだけど・・・という、ひねくれてるんだか信者なかんだかわからない中途半端な目線ですがご容赦ください。 とりあえず10年以上ファンをしていて、ありがたいことに平均して1年に1回程度は観劇できています。
東宝系ミュージカルが好きで、日本のCDだけではなく外国語のCDにまで手を出している方は彼の声を聞いたことがあるのではないかと思っています。 一番可能性が高いのが「エリザベート」の10周年記念キャスト。 ルキーニとトートの両方の役で参加しています。 ルキーニも聞き分けようと思ったら聞き分けられるのですがのですが、わかりやすいのはトートのほう。 「最後のダンス」で「ランデブー」をやたら崩して色っぽく歌っているのが彼です。 こういう、音符通りに歌わず崩して歌うのも彼の魅力の一つ。 元の音符で歌えないのではなく、演技の流れで本来の音と違う音で歌うけど、伴奏との調和がとれているように聞こえるのが大変おもしろいと思うのです。
そんな彼らしいと追もう曲の一つが「モンテクリスト」の「Hölle auf Erden(地獄に堕ちろ!)」。 この曲は音がいきなり上がったり下がったりする大変くせのある曲になっています。 その不思議な音符の配置は「彼が歌いやすい」というよりむしろ「彼の歌い方を楽譜に起こした」ようにさえ思います。 ちなみにCDだとほぼ音符通りに歌ってると思いますが、実際に舞台を見るとさらにあちこちアレンジしていて、「元の音符どこ!?」と思うことがあります。 彼の声質に対して若干低めの音程なので、楽々と高い位置にアレンジしてのびのび歌っている姿を見ると、まさに「ワイルドホーンの曲は彼を自由に飛び立たせるもの」という言葉を実感します。 (英語版及びドイツ語版、双方ともに彼が歌っています) (某動画サイトで名前と曲のタイトルで検索すると初演の映像が出てくるような出てこないような)
アレンジがおもしろいのはTanz der Vampireでも感じられます。 「Die Unstillbare Gier(抑えがたい欲望)」も好きですが、「Tanzsaal(舞踏の間)」は結構好き勝手歌ってくださるので、「今回はどんな風に歌ってくれるだろう」と思えるのも楽しみの一つです。 10周年記念コンサートとウィーン再演キャストで違うアレンジを聞けるのが大変ありがたいです(公演数の少ないコンサート版の方がノリノリで楽しいです)。
というわけで人外役や俺様役が大変似合う方ではありますが、「Mozart!」初演キャストのレオポルトだったりします。 当時御年33歳。 ヴォルフガング役の方とそんなに年齢変わりません。 ルックスからなんとなく察していただけるとおり、若い頃から王子系とは接点がなく、渋い役を積み重ねてきてらっしゃいます。 再演もまた磨きがかかって素敵でしたが、初演CDで聞けるまだ年若いレオポルトもまた素敵だと思っています。
とりあえずざっと思い出せる範囲で。
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(2015/11/26(Thu) 00:42:30)
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その後のSabrina Weckerlin
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Thomas Borchertの初来日が決まり、衝撃が薄まっておりますが、Sabrinaの再来日も十分うれしいニュースです。同時に初来日を果たしたPatrick Stankeはまた来てくれましたが、彼女はなかなか来てくれませんでした。彼女の再来日を待ちわびておりましたので、大変うれしいです。Thomasとのコンサートは何度か情報だけは耳にしていたのもあり、二人の声が一気に聞けるというのも大変うれしいです。 Sabrinaは三銃士のコンスタンツェ、ウィキッドのエルファバ、MAのマルグリットを演じてきました…というのが初来日した2010年時点のお話。この方、大変おもしろいことに大きなプロダクションにほとんど縁がありません。人気も実力もある方なので、そういう仕事を選んでいるのだろうと思います。 2010年以降のSabrinaは主に夏の間、Fuldaというドイツの地方都市のミュージカルプロダクション「スポットライトミュージカル」の作品に出演していました。特に2011年初演の「女教皇」は人気を博し、Fuldaでは2014年まで毎年上演され、ハーメルン、ミュンヘンでも上演されました(2015年も上演予定ですが、Sabrinaの出演はないと明言されています)。「女教皇」の主役、ヨハンナはSabrinaの代表作と言ってもいいのではないかと個人的には思っています。作品としてはそこまで派手なものではないのですが、やはりあてがきされた作品ですし、彼女自身が育て上げてきた作品ですので、彼女のいろいろな側面を見ることができると思っています。プロモーションはこんな感じです。あらすじは手前味噌ですがこちら。最終的には男装の教皇になるのですが、力強さやカリスマ性と言うより、運命に翻弄されるはかなさと芯の強さ、皆を包み込み導くような暖かさを感じます。力強い声があるからこそ、そういう弱さや細やかさが表現できるのが大変魅力的でした。 その後、2013年には「コルピングの夢」に出演。役柄としては「恋する若い娘」であり「貧しさに負けた若い母親」でした。正直彼女がやるほどの役かと思うような役なのですが、まだ若いのにどちらかといえば脇を支えるベテランと言いたくなるしっかりとした演技に驚かされました。 2014年は上記の2作品の再演に加え、「フリードリヒ」の再演に主人公の姉、ヴィルヘルミーネとして出演。青春時代を謳歌するどちらかというとお転婆な感じのお姫様から、運命に負けて不幸の影を背負った貴婦人まで、作品自体がどうも年代が長すぎて薄味になってしまうのを見事にフォローしている演技が印象的でした。
現在はスイスのザンクトガレンで上演されている「アーサー王」(ワイルドホーン作曲の新作)にモルガナ役として出演中です(レパートリー制上演のため、上演日は不定期です)。また、4月末からドイツのフュルトで上演されるNext to Normalの再演にも初演と同じくナタリー役で出演予定です(5月末までに8公演を予定)。ちなみに両作品ともThomasも出演しております。
動画とか音声とか色々ありますので、また落ち着いたら記事を訂正します。
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(2015/04/08(Wed) 00:50:29)
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