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End of the rainbow(2011/07/02)

Hamburger Kammerspiele

Judy Garland:Marion Martienzen
Anthony:Thomas Borchert
Micky Deans:Gunnar Titzmann

 欧州到着初日&8時開演&芝居&初見という最悪の条件下での観劇(笑)。欧州観劇旅行に慣れている人なら、これがどんなにひどい状況か、分かっていただけると思います。ドイツ語堪能な人ならともかく、私レベルのドイツ語じゃ無理だ、これ・・・。理解するのは端から無理で途中で落ちなかっただけたいしたものです。
 ジュディ・ガーラント、彼女の5人目の若い夫、ピアニストの三人芝居。ピアニスト役のThomas Borchert目当てで見に行きました。・・・特別これが見たかったわけじゃないけど、今はこれしかやってないんだもん・・・。晩年で、すでにアルコールとドラッグにやられて精神的に不安定なジュディと二人の男の物語。ジュディが既存の歌を歌う以外は芝居なので、500人入るか入らないかの劇場だったこともあって歌のシーン以外はマイクなし。生声Thomasと一人盛り上がってました(笑)。
 1幕はジュディと若い夫(婚約者かな?)ミキ、そして仕事のパートナーアンソニーという関係で話が進んでいきます。2幕は・・・このあたり言葉が分からなかったのでしんどいのですが、ミキにとってジュディは自分がステップアップのために必要な存在、本当に彼女を愛していたのはアンソニーだった・・・多分、こんな感じのストーリーだったと思います。

 Thomas目当てで行きましたが、とにかくこの晩年というか末期のジュディ役の女優さんが本当にうまかった!精神的に不安定で、薬が切れてぼろぼろのところから薬飲んで不自然なハイテンションまでとても自然でした。なにより、そんな危うい状態でも愛される資格のあるように見える「かわいらしい」女性でした。歌もすばらしく延びのある「往年の大スターだけど歌もちゃんと訓練し続けていてうまい」タイプでしたから、満足。なにより最後、顔の下半分を黒く塗って歯の一部を黒く塗って、そのままほっかむりすればいつでも泥棒役でコント出れるよ!という状態で歌った「Over the rainbow」が紛れもなく少女の澄んだ柔らかな声で、しかもその醜い姿でさえかわいらしく見える不思議な雰囲気があり、圧巻でした。Thomasがでてなかったら絶対に見ませんでしたが、いいもの見せてもらったと素直に思えました。
 3人芝居ということもあり、基本的にみなさまうまかったです。ミキはジュディの新しい夫(婚約しただけなのかちゃんと結婚したのかは聞き取れず)でマネージャーでジュディに愛され彼女を愛しているように見えるけど実は・・・という感じだと思います。このあたり、一番この役のおいしいところが聞こえないあたりがつらい・・・。ジュディのめちゃくちゃぶりに振り回されつつも彼女にちゃんとついていっているあたりがとても良かった。ちょっとびっくりしたのがとっても背が高かったこと!Thomasより高いことはあっても低いことはないという感じがしました(Thomasは190センチ)。顔もちっちゃいし金髪だし、なにこの絵に描いたような8頭身のヨーロッパ人・・・。
 Thomasは無精ひげのピアニスト。Thomas、髭に白髪が混じるようになったのかな?久しぶりに見る素顔のThomasはすっかり40代のおっさんで、でもそれがすっごく魅力的でほれぼれと見とれていました。役柄上歌ってはくれませんが、あのおっきな体をピアノの前に押し込んでピアノ弾いてくれてそれはそれで満足でした。Thomasといえば俺様クロロックですが、個人的にはちょっと不器用な感じのするところが好きなのかもしれないと、今回の芝居を見て思いました。アンソニーのクライマックスは2幕の後半、薬でぼろぼろのジュディに(多分ミキの思惑は知った後)、結婚を申し込む場面。もう舞台に出たりしなくていいから二人で静かに暮らそう・・・といった感じだと思うのですが結局ジュディはミキを選ぶ。1幕から見せていたジュディへの静かな愛情、そして真っ正面からの告白、そして結局ふられてしまったときのその表情。輝いていたまなざしからゆっくり光が消えていくようなその変化を1列目から見れたのが、この観劇での一番の収穫でした。マイペースなジュディ&ミキに振り回されてたり、いじけて膝抱えて座っちゃったり、ジュディの荷物だの洗濯物抱えてたり、ほんといろいろ損な役回りで不器用で、そんなところが大変魅力的でした。「なにを飲む?ウィスキー?」と聞かれて「ミネラルウォーター」と答えるような人です(笑)。あ、舞台奥の架空のオケに向かってピアノを弾きながらいろいろ合図を送るの姿も魅力的でした。
 甘い空気を作るのはうまい人じゃないと思いますが、彼の不器用な愛情表現はその大きな体も相まって不格好でかわいらしいので、秋から始まるレベッカにはなにをおいても行かなくてはならないと決意を新たにしたのでした。

 いいお芝居だったしThomasも満喫したしで「もうこのまま帰ってもいいかも〜」とさえ思ってしまったのでした(笑)。旅はここからです。

[1729] ゆず (2011/08/21(Sun) 22:30:52)



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