きらめく空を見ていた 遠い夏あれは確か 1617年 ひとりの娘を愛した。温かい頬に触れた、輝く髪にくちづけたその時 悲劇は起きた この手の中なにも知らぬ娘は 微笑んでたなのになぜか その命 奪っていた
小麦畑は黄金色に輝き、空は晴れ渡っていた。1617年の夏のこと。私たちは草のささやく音を聞きながら大地に横たわっていた。私の肌の上に置かれた彼女の手は優しく温かだった。彼女は私を失うとは思ってもいなかった。私もまだ自分が勝ち得たものを信じていた。けれどその日最初の異変が起こった。彼女は私の腕の中で息絶えた。人生を手に入れようとすると、常にそれは私の手からすり抜けていく。炎となり灰になりたい、燃えることなど決してないのに。
1730年 牧師の娘に会った白い肌に 詩を書いた 赤いその血で1813年は ナポレオンの供のもの
ある夜、牧師の娘は私を招き入れた。1730年5月の祈りの後。その白い肌に私は詩を書いた、彼女の心臓の血で。そしてナポレオン付きの小姓。1813年のこと、彼は城の前に立っていた。彼の悲しみが私の心を砕くことはなかった。私はそんな自分を許すことができない。
自由にもなれず 燃え尽きることもできず天使でも悪魔でもないなのに ひたすら 愛する者たちを引き裂く虚しい存在
自由に、より自由になりたいと思うが、私を束縛する鎖から自由になることはない。聖人に、罪人になりたいと思うが、所詮私は神の創造した人間に他ならず、這いつくばり嘘をつき、常に愛したものを引き裂かずにはいられない。
だが違う 真実はひとつだそう 卑しく恥ずべき欲望こそが 我らの支配者今こそ ここで 予言しよう尽きない欲望こそがこの世界で 最後の神になるのだ
けれど変わることのない力は、我々を支配しているのは、計り知れない、焼き尽くすような、破壊的な、果てしない尽きることのない欲望。明日には死すべき定めの人間たちよ、私は今ここに予言する。次の千年が始まる前に誰もが唯一の神のために尽くすだろう。それは尽きることのない欲望。