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くるみ割り人形(2011/12/23) マチネ

マリー姫:東野泰子
くるみ割り人形/王子:遅沢佑介
ドロッセルマイヤー:スチュアート・キャシディ
クララ:神戸里奈
雪の女王:白石あゆ美
雪の王:浅田良和

★★★★☆

 今年もこの季節になりました。毎年見に行って覚えるほど見て、それでも結局今年も通うことになりました。それでも今年も十分すぎるほど楽しいのですから、麻薬のような魅力です。今年は新作制作中のためか大きな変更点は見られませんでした。

 ベテラン勢ばかりということで、スタンダードにすごくおもしろかったです。私は普段あまり物語の登場人物になりたいとは思わないのですが、クララにはなってみたいといつも思うのです。クララを踊ってみたいでなく、クララを演じたいでなく、クララになってみたい。ドロッセルマイヤーさんに、クルミ割り人形に導かれておとぎの国を冒険したいなと思うのです。そんなわくわく感がありつつ、神戸さんのクララは本当に鉄壁にかわいいですね!ほんのちょっとした笑い方がとってもキュート!今日も前方席だったということもあり(いえ、毎度ファンクラブ席なもので・・・)1幕は彼女のちょっとした笑顔と仕草にくらくらしてました。かわいいよう、かわいいよう、クルミ割り人形に敬礼させてるのがかわいいよう、真夜中の広間に降りてきて戸惑ってるあたりがかわいいよう。キャシディさんは踊りはともかく、演技については昔からつっこみどころのない鉄壁さでしたが、なんというか、この方は人に教える程良くなる気がするのです。若干硬直気味だったかなと思った演技がまた柔軟になった気がします。1幕はそうでもなかったのですが、2幕のちょっとしたクララとのやりとりが二人ともとても楽しそうで、ベテランらしい落ち着きがあって、でもどこか新鮮で。この二人のパドドゥは覚えるほど見ているのですが、でも今回は始めてみるような不思議なときめきがありました。これがあるからKのクルミを見るのはやめられないのですよ・・・。クララと一緒に旅をしているような高揚感、マリー姫のソロが終わってドロッセルマイヤーさんが颯爽と出てきたときのときめき、クララがうれしそうに手を伸ばして東屋から飛び出して始まったパドドゥ。ああ、見飽きたかと思ったのに全く懲りずにときめいてます、毎年本当にありがとうございます、とても至福の時間でした・・・。
 この二人が鉄壁だったらあとはもうどうでもいいと言うくらい二人が好きなのですが、やっぱり姫と王子がしっかりしてると舞台そのものがきらきら輝きますね。遅沢王子はクルミ割り人形の時はパキパキとした動きに不自然さがないのですが、王子に戻ると今までが窮屈で、王子であるのが自然だということが分かる。このメリハリが遅沢王子の魅力。そしてマリー姫が目覚めたときのあの切なそうな喜びの顔!今までどれだけ苦しかったか、そして今どれほど幸せで彼女を愛しているか。ダンサーなんだから顔の表現をあまり追求するべきではないと分かりつつも、そのおとぎ話の枠を越えた苦悩と喜びの横顔にときめきました。東野さんのマリー姫はいい意味で貫禄が出た感じがします。ふわふわしたお姫様というわけでなく、芯のしっかりした貫禄のある姫・・・にちょっと近づいた気がします。特に今日はクララが神戸さんだったので、今までより貫禄があってよかった。実年齢としては神戸さんの方が上だったと思うのですが、東野さんが今までより大人びたからちゃんとマリー姫が「あこがれの姫」に見える。二人で踊ってるとはっきりと「美しいマリー姫」と「かわいらしいクララ」になっている。またマリー姫が自由を喜びを謳歌し踊ってるのに対し、クララがたまにあこがれと羨望の目で、いつかそうなりたいというような眼差しでマリー姫を見ているのがいいなあと思うのです。本当はマリー姫の音楽性がうんたら技術がどうとか言えればいいのですが、そういうことをさしおいて、ただ姫と王子が舞台の上にいると世界のすべてがきらきら輝いているみたいに見える。そんなすてきな舞台でした。

 雪の女王と王もさすが。ダンサーに挑みかけるような激しい振り付けだけど美しい。白石さんはアームスが大きくって、これだけテンポが速くても優雅で美しい。この間の白鳥、オデットだけだったら十分素敵だったと思うのですよね、もったいない・・・。今更ながら見たいと思ってしまいました。浅田さんはちょっと太ったのか年をとったのか足の筋肉の付き方が変わってきたかな?雪の王はこんなものかなと思ったのですが、花のワルツはさわやかな雰囲気と相変わらずきれいなつま先が絶品でした。というか、花のワルツはソロが浅田さんと伊坂さんんと日向さんと中村さんで、姫と王子と、クララとドロッセルマイヤーでそれぞれドラマがあって、お願い、私の目は一対しかないからそんなに見せ場作らないで・・・。スペインは闊達で伸び伸びとしていて気持ちいい。西野さんはいいバネを持ってる以上にふつうに二枚目に感じたので、アリがどんな風になるか楽しみ。アラビアはいろいろ課題はあると思うけどいつもとちょっと雰囲気の違う女王様な雰囲気でこれはこれで素敵。
 毎年の恒例行事、でもやっぱりとても楽しかった!細かい演出を確認して、ああやっぱり好きだなあと思いながら眺めて、とても幸せな気分になる。今年もチケット取りすぎかと思いましたがなんのその、十分楽しめる気がしてならない一回目でした。
 最後にちょっとハプニング。ネズミとの戦争のシーンでチーズ回収し忘れちゃったネズミさん。どうするかと思ったら王子の魔法がとけるシーンでドロッセルマイヤーさんが回収。マントのはしに隠し、とてもスマートにチーズは消えました。このあたりの鮮やかさがさすがベテラン・・・!(ネズミさんたちは、やっぱり視界が狭いんですかね、かぶりものだから・・・)

[1800] ゆず (2011/12/23(Fri) 23:18:41)



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