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ジーザス・クライスト=スーパースター(ジャポネスク)(2013/12/11)
ジーザス・クライスト:神永東吾
イスカリオテのユダ:芝 清道
マグダラのマリア:高木美果
カヤパ(大司教):高井 治
アンナス(カヤパの義父):吉賀陶馬ワイス
司祭1:佐藤圭一
司祭2:清水大星
司祭3:真田 司
シモン(使徒):佐久間 仁
ペテロ(使徒):五十嵐 春
ピラト(ローマの総督):村 俊英
ヘロデ王:下村尊則
★★★★
四季劇場(自由)
JCSの、特にジャポネスクの感想を書くのはとても難しいです。とにかく大好きな作品なんで、「好きです!」以外言葉がない。見ている最中はそれこそ、相変わらずオーバーチュアの白衣さんたちの動きにいちいち感動している、未だに。覚えるほど、飽きるほど見ているはずなのに、未だに新鮮に感動しているくらいには好きです。そんなわけでいつも感想は書きづらいのです。
やはりまず書くべきは芝さんのユダでしょうか。正直ユダについてはもう少し若い人の役であると思ってるので新ユダの誕生を待っているのですが、それでも演じてたら見ちゃいますよね・・・。ジーザスを経たうえのユダはすべてを分かったような、達観したような、どこか穏やかな目ですべてを見ているように思える。低く響く声がその印象を強くいている。声は調子がいいのか悪いのかちょっとはかりかねました。昔は伸びやかに出ていた高音がちょっとかすれている・・・と思いきや悲鳴のような高音がきれいにコントロールできた状態で出るし、なによりすべてを支配するスーパースターのすばらしさ!劇中劇のようなジャポネスクをすべて束ねるようで、見事でした。すべての感情が完全に歌と一致していて、本当に自由自在。調子がいいのか悪いのか不明でしたが、ただ一言「見に来てよかった」です。そろそろ若手のユダも見てみたいのですが、やっぱり実際に見てしまうといいなあと思います。
少し板に付いた感じのする神永ジーザス。私の中では柳瀬ジーザスを一番見ているのでまだ印象が強いのですが、柳瀬ジーザスがどこか巫女のような美しさをたたえていたとしたら、神永ジーザスは美しいのにそれは人間のものと思える部分がありました。登場時から美しいのですが、それは話が進むほど強くなる。そして不思議なことに、ゲッセマネを経て、自分の運命を受け入れた後で、明らかに強くなっている。とても美しいのに人間味を感じ、美しさをますごとに彼がただの青年であると感じさせる。とても不思議なバランスでした。人間味があるからこそ、たとえばむち打ちの時に、打たれる瞬間に引き締まる筋肉に彼が人間であるという悲劇を感じ、けれどその美しさがあるからたとえばスーパースターの時、この世のものとは思えない美しさに言葉を失う。夢と現を行き来している感覚があったせいか、すべて作りものである世界に浸っているふとした瞬間、すべての感情が真実のものに思える。ジャポネスクはJCSの四季版の演出の一つで、ひとつの異端としてまとまっています。それでもこうしてキャストごとに見える世界が違うから、舞台ってやめられないのだなあと思います。
神永ジーザス、ユダとのやりとりはいいのですが、特に前半の群衆とのやりとりはもう一息かなと。ジーザスは孤独にいると感じたのですが、若干彼が自分から孤独のからにこもっているように思えました。もちろんそういう面もあると思うのですが、もう少し彼自身は人を愛しているのにそれを理解されないというすれ違いが感じられたらいいなあと思っております。
高木マリアは「今宵安らかに」はとてもよかったです。まさに「美しい声だから伝わるものがある」という感じで、少しすれた感じと暖かに包み込む感じのバランスが魅力的でした。ただ、「私はイエスが分からない」は美しすぎる。まだ耳の中に保坂さんの歌声が残っているから感じるのかもしれませんが、もう少し一曲の中にドラマが感じられるといいなあと思うのです。堕落させようかって言ってるのに、このマリアは堕落させられる気がしない。
司祭たち、バランスがよくて好きなのですが、なにより高井さんのカヤパ!低音部が地の底から響くかのごとく深く艶やかで、聞きほれます。表情が読めないメイクと、この世のものとは思えない低さで響く声、素敵です。
シモンは熱さというより忠誠心を感じます。忠犬のように、理解しているより従っているという感覚が強いです。また、愛されたいと思っている姿がなにか頭をなでられることを望んでいるような子犬のように見えます。これはこれで好きです。
下村ヘロデは見事というか職人芸というか(苦笑)。これが正解というわけではないのに、これがすべてだと勘違いできるほどの勢いがあります。反論を許さない勢いがありますね。手の動きの柔らかななめらかさ、扇子の美しい舞が加わり、問答無用でおもしろいと思わされます。見れば見るほど破廉恥な格好なのに、華やかに見えますし(笑)。新しいヘロデもそろそろ出てきていいと思うのですが、演出を変えない限り無理でしょうね・・・。
群衆はもう一息。エルサレムで見たときはもっと熱いと感じたので、エルサレムとジャポネスクでは群衆の「熱」の質が違うのかもしれません。どちらかといえば決められた動きの多いジャポネスクですが、その決められたうごきからにじみ出る熱というのが好きだったので、もう一息がんばっていただきたいです。ただ、もうちょっと熱がほしいと思ったのは中盤までで、ジーザスのむち打ち辺りからは熱が感じられるようになってきました。
今回は珍しく2階席から見ていました。最後の磔で群衆たちは観客の側を見ている・・・その感想がとても印象的で、なにか意味があるのかと思ってみていると、まるで自分がジーザスと同じ視界を共有しているように思えました。自分を愛していると言っていたのに、最後は石を投げ十字架まで追いつめた人々。その顔を眺めてみて、けれど憎くはないなとジーザスと気持ちを共有したかの気持ちで見ていました。キリスト教を知らない人のために和の要素を入れて作られたえんしゅつですが、最後には聖書に帰っていく。不思議な余韻が残りました。
ところでツイッターで話題になっているラストシーンですが、私が初めて見た99年版のジャポネスクではマリア一人でした。エルサレムではマリアと使徒たちで、これは変更がありませんが、いつの頃からかジャポネスクのラストシーンからマリアがいなくなりました。マリアが一人静かに見上げる十字架の美しさと、やがてマリアすら闇に飲まれジーザスの姿だけが闇に浮かぶ終わり方が好きだったので、ジーザスが一人というシーンは物足りなく思っていました。できればこのマリア一人という演出の復活をお願いしたいのですが、ただあくまでもマリア一人がいいので、マリアと使徒たちという演出にはしてほしくないなあと思うのでした。懐古ファンとしての独り言です。
最後に一言。すりあし返して・・・・・・・・・。
[2330] ゆず (2013/12/15(Sun) 22:01:39)
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