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Kバレエ くるみ割り人形(2013/12/21) ソワレ
マリー姫:浅川紫織
くるみ割り人形/王子:遅沢佑介
ドロッセルマイヤー:スチュアート.キャシディ
クララ:荒蒔礼子
雪の女王:井上とも美
雪の王:石橋奨也
赤坂ACTシアター
★★★★★
毎年おなじみ観劇納めのKバレエくるみ割り人形。行こうか迷った公演だったのですが、本当に楽しかった!
Kバレエのくるみ割り人形は、姫と王子が物語をきれいにまとめるパターンと、ドロッセルマイヤーがクララを導く冒険物語としてまとめるパターンがあります。今回はちゃんとその両面が見えました。ドロッセルマイヤーはキャシディさんですからもちろん外れがありません。踊りについてはちょっと目をつぶらざるを得ないところもありましたが、安心感のあるサポートと少女の冒険物語の導き手としてふさわしい暖かさは相変わらず。その変わらぬ職人芸に、うっとり見ほれていました。荒蒔さんのクララは、顔立ちが特別かわいいわけでなく最初はそこまで目が行かなかったのですが、物語が進んでいくに従って闊達になり、魅力的になってきました。ドロッセルマイヤーとのちょっとしたやりとりがあたたかくて楽しかったし、不安だったり緊張したときにスカートを握りしめるのがとても自然でかわいらしかったです。
クララとドロッセルマイヤーが楽しそうであれば失敗することのないこの演目、ありがたいことに今回はマリー姫とくるみ割り王子も絶品でした。松岡さんがいなくなってしまい、考えてみると浅川&遅沢はこのバレエ団で唯一と言ってもいい「パートナーシップ」を感じさせるふたりだと思います。年齢、背格好、そして表現の方向性や踊りの雰囲気。すべてが一致している。そしてふたりとも、熊川&荒井ほどの実力がないにしろ、そのふたりに次ぐ実力であると自負している堂々としたたたずまいでした。特に遅沢さんにそれを感じました。今まで「好調、不調」ということのあった踊りですが、今回はそのどちらでもなくプリンシパルの名に恥じない踊りをしようという意気込みを感じました。真ん中に立っていることに気負いがなく、見ていて心地よかったです。一方の浅川さんは幸せそのものに見えました。考えてみれば昨年は怪我でマリー姫を踊ることができませんでした。踊れる喜びはそれこそ生きる喜びといった雰囲気があり、光輝くような美しさで、幸せそのものが踊っているように見えました。荒井さんほどではないけど音を大切に踊っているのが分かる。ひとつのポーズから次に移る時が空気をはらんだように美しくって見惚れました。特にKバレエのくるみのグランパドドゥは結婚式の場面ですから、浅川さんのまとった幸福感が、物語に説得力を与えていました。遅沢さんはやはり演技が好きです。マリー姫が目覚めた後、幸福感があふれ出すからこそ、それまでどれほど不安だったかが分かる。本当にお似合いの、ようやくここまで来れたという感じの二人で、グランパドドゥは技術的な安定感と共に、これからはこの二人が一緒に歩いていくということが当たり前に感じられました(ふたりとも若干回転が弱いのはご愛嬌)。
雪の女王と王は王がいまいちだったことをはっきりと記憶しています・・・。もともと難しい振り付けなのはその通りなので仕方ないところがあるのは分かるのですが、完全に音に追われている気がしました。ただ、振り付けの難度と彼の階級を考えるとそれもやむなしと思ってしまうのですよね・・・。
びっくりキャストはシュタールバウム氏のルーク・ヘイドン!今までどの作品も素敵だったので、こんなちょい役なんてもったいないとおもいつつ、ちょい役でも素敵なものは素敵ですね・・・。ほんのちょっとした仕草でも気品と存在感があり、気がつくと目線が彼を追っていました。特にキャシディさんのドロッセルマイヤーとのやりとりは絶品。このまま2時間二人がマイムでしゃべり通しでも飽きないと思えました。ところで、最後にろうそくを消す老人は誰でしょうか?いつもと違ってたやたら目が行くので気になっています・・・。ドロッセルマイヤーが出てきて「旦那様、今です」とばかりにサンタクロースの変装をしに行くところとか、フリッツがくるみ割り人形をクララから取ろうとしているときに招待客にお酒を渡しているところとか、どうでもいいところに目が行ってしまっています(そして楽しい)。
逆に残念ながら印象に残らなかったのがネズミの王様。特に悪かったところがあるわけではないのですが、だからといってよかったところが思い出せないのです。難しい。
演出の変更はよく分かりませんでした。いつから変わったか分からない部分としては最初の場面転換でドロッセルマイヤーがコートを脱ぎつつ・・・だったのがコートを着たまま天使人形をプレゼントしていました(室内でコートを着ているのが若干不自然)。ラストにクララを送り届ける場面でもコートを着ていたのはあまり記憶にありません。フリッツがくるみ割り人形をクララから取り上げた後壊してしまうのは首だけ持って体を落としていました。泣き真似をする姿もあまり記憶にありません。こんな細かい部分しか思いつかないほど大きな変更がなかったのですが、基本的に今の演出はまとまっていて好きです。
というわけで今年も始まったくるみシーズン、楽しみます!
[2333] ゆず (2013/12/24(Tue) 01:04:05)
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