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Kバレエ くるみ割り人形(2013/12/23)
マリー姫:神戸里奈
くるみ割り人形/王子:遅沢佑介
ドロッセルマイヤー:スチュアート・キャシディ
クララ:荒蒔礼子
雪の女王:白石あゆ美
雪の王:池本祥真
赤坂ACTシアター
★★★★
宮尾さんが怪我で降板ということでのキャストチェンジがありました。これについては働かせすぎだと思うので、芸術監督にはそのあたりちゃんと気を使っていただきたいと思ってしまいました。今年は本当にいろんな仕事こなしすぎです・・・。撮影部隊が入っていたのですが、大丈夫なのかといらぬ心配までしてしまいました。
相変わらず今年のくるみ割り人形が楽しくて仕方ありません。若干難点を感じたのはグランパドドゥでした。ふたりとも登場したときはそれこそ立っているだけで品格を感じ、ようやくの主役登場と思わせてくれました。ところが実際に踊り始めるとなにかが足りない。ちょっとしたタイミング、それこそ1秒にも満たないタイミングで、なにかがずれている。合わせようとしているのは分かるのですが、その「合わせよう」としていることが見えてしまっている感じがしました。そう思うと、昨日見た佐々部&池本や日向&伊坂はそろえようという気負いなくそろっていたように思えます。若干のちぐはぐさがありますし、ソロも特に遅沢さんより池本さんの方が芯が通っていてきれい・・・と一瞬思ったのですが、男性プリンシパルの仕事はそこではありませんでした。なんというか、ちゃんと全体が見えているのが分かるんです。マリー姫の後ろに控えながら彼女をサポートしているのが分かるし、ちゃんとクララへの心遣いも見える。自分の踊りや演技をしっかりこなすのはもちろん、女性への心遣いを忘れずちゃんと全体を見る。それが男性プリンシパルの仕事なのだと気付かされる存在感でした。踊りも以前と雰囲気が変わっている気がして驚いたのですが、とても柔らかく、王子としての品格を感じました(書き忘れてますが、マリー姫が目覚める直前、本当に目覚めるのかという不安がよぎり、だからこそ目覚めた時の喜びを一層感じます。マリー姫の手を取るという些細なしぐささえ、優しく温かい)。神戸さんの踊りもとてもよかったです。昨日のクララとは違ってとても凛とした美しさがありました。日向さんのマリー姫と神戸さんのクララを見たとき「おてんば」という本質を感じましたが、今日はそれを感じませんでした。クララと一緒に踊っていても、身長差があまりないのに確かにマリー姫はクララのあこがれの「大人の女性」でした。踊りも相変わらずの安定感で、バランスはゆったりとけれど安心してみていられましたし、足裁きも細やかで美しい。回転は多分浅川さんより安定感があります。もう少し幸福感を感じられるとこのみなのですが、空気をはらむような柔らかなアームスが大変魅力的でした。
悪くはなかったのですが、やはりこのふたりは合わない気がします。身長差がありすぎてあまり美しさを感じませんでした。特にピルエットのサポートをしているときそれを顕著に感じました。リフトにはなんの不安を感じなかったあたりはさすがベテランですが、今までほとんどくんだことがない理由を感じました。これだったら伊坂王子の方がいいように思いましたが、伊坂さんはこの役に慣れていないので、合わせるのは大変そうですからこの組み合わせで仕方ないのかもしれません。
かれこれ4回目(・・・)になる今年の観劇ですが、どうも今までと方向性が違うように思います。今までのクララはもう少しおとなしくて、冒険を通じて闊達になっていく気がしました。けれど今年は最初から闊達に思えます。不思議と強く感じるメッセージが「いずれ大人になっていく少女」という側面。それをくるみ割り人形もしくは王子とのラブロマンスを通じて感じる演出はありましたが、Kバレエ版は違います。「マリー姫」というどこかクララに似た面影を持つ凛とした美しい女性へのあこがれ、そしてドロッセルマイヤーという紳士のエスコート。王子の最後の敬礼が彼自身の青年時代への別れのようにも見え、また、クララを抱き抱えるドロッセルマイヤーの横顔にも、いつか美しく成長するクララの姿を想像しているようも思え、おとぎの国との別れが少女時代の終わりのようにも思えました。・・・と結論づけるには若干ラストシーンでそのメッセージを感じないので、私の気のせいかもしれませんが(苦笑)。
クララとドロッセルマイヤーには特にコメントはありません。いつも通り、本当に楽しかったです。パドトロワは大好きなんですが、いい加減振り付け変えた方がいい気がします・・・毎回毎回手に汗握ります。サポートがうまいくるみ割り人形とドロッセルマイヤー、そして一人で勝手に回ってるクララがそろうことなんてなくなっているのですから、それに合わせた振り付けにしていただきたいです。パドドゥはやはり基礎をきっちり押さえたキャシディさんだときれいです。(あと、キャシディさんは若手に教えると彼自身の踊りが軽くなる気がします、今日はとても良かった)
雪の女王と王はすばらしかった!あの、ダンサーごろしのとんでもないテンポの振り付けを美しく踊りきったことに驚きました。昨日はミスが目に付いてしまったのですが、昨日、どこでミスをしたか忘れたほど完璧でした。全体的に攻撃的な振り付けの中で、女王と王のほほえみは柔らかすぎるきもしますが、堂々たる美しさでした。白石さんはテンポが速いのに決して音に追われている感じがせず、むしろ音を追っているような不思議な雰囲気でした。細やかなパも空中で一瞬止まっているような美しさ。空中で止まっているという点では池本さんも同じ。王については彼が一番うまいかもしれません。白いタイツが本当に似合っており、ジュッテの時、降りる前にわずかに前足があがる技術力には見る度に感嘆の息が漏れます。
今回目が行くようになったのは灰色の上着を着た男の子。フリッツとよく悪ふざけをしています。多分、中国人形をやった兼城さんではないかと思っています。ちょっとつま先まで神経が通ってないのですが、軽やかで細やかな足裁きと、正面を向いて空中で180度足が開いているような柔らかな跳躍がすてきです。
最後に。やっぱり久しぶりで生オーケストラで見たいです。音の質は録音の割にはとてもいいと思います。しかし、かなりテンポの速い振り付けが多く、細かいところを指揮者にコントロールしていただきたいと思いました。なかなか難しいのは分かるのですが、もう一度見てみたいです。
[2338] ゆず (2013/12/25(Wed) 01:37:07)
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