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ロミオとジュリエット(2011/05/07) Kバレエ
ロミオ:熊川哲也
ジュリエット:東野泰子
マキューシオ:橋本直樹
ティボルト:遅沢佑介
ベンヴォーリオ:伊坂文月
ロザライン:松岡梨絵
パリス:宮尾俊太郎
★★★★
場面場面とっても好きで、DVDもよく見ていたので楽しみにしていた公演でした。
久しぶりに見たら、振り付けが変わっていてびっくり。いえ、Kバレエですし、振り付けが変わるって言ってましたから少しは変わってるとは思っていましたが、ここまで変わってるとは思わなかった!1幕は半分以上、2幕でも半分弱変わってると思います。とにかく、変わってないところをあげた方がいいというくらい変わっていました。コンセプトは同じなので「新作」というほど変わっていませんが、曲の使われる場所が違うところもありましたし、びっくりしました。
まず大きく変わったのがロザライン。パーティーの前シーンでキャピュレット家の若者達とのダンスがあり、ますます
あばずれ
ビッチ
多数の男を手玉に取る女になっておりました(笑)。ティボルトとはキャピュレット卿には隠しているみたいですが「仲のよい親戚」でなく「恋人」になっていました。男の視線を集めることを喜ぶ恋人には、ティボルトも手を焼いてるみたいです(笑)。私がティボルトが好きということで彼ばかり見ているとどうしてもロザラインが目にはいるのですが、初演以上にロザラインが「ジュリエットの対になるヒロイン」になっていたと思います。松岡さんも本当にきれいで、あれだけ美しければあこがれの的になるのも当然と思えました。ティボルトの死を知ったときの怒りと悲しみもすごかった。彼女はマキューシオの死を知らずなにがあったか知らないから、純粋にティボルトの理不尽な死に怒り、嘆いている。曲の構成上、ストーリーの進行上仕方ないのですが、復讐を誓ってそうなロザラインがその後どうなったかがわからないのが、とても残念です。
今回一番のお目当ては遅沢さんのティボルトでした。振り付けの変更は少なかったのですが、一番の見せ場である2幕の決闘シーンは大きく変わっていました。マキューシオを刺した後は彼とのやりとりも増え、瀕死の重傷者を笑い、邪険に扱う様が彼の性根の悪さを表しているようでした。相変わらず動きも鋭く、嫌な奴ですが見目麗しく、本当に目の保養でした。今回は1回しか見ないのですが、彼のためにチケットを増やそうか悩んだほどでした。
悪ガキ3人は初演より性格付けがはっきりした気がします。ロミオは遅沢さんのロミオ像がデフォルトになったように感じました。平和主義者で剣を取らない。頭に血の上ったロザラインを諫めたり、ティボルトとマキューシオの仲を仲裁しようとしたり。ちょっとふつうの青年と違う、どこか浮き世離れした穏やかさがある気がしました。だから、マキューシオの死によって理性を失う姿が痛々しい。逆にマキューシオはお調子者で交戦的。ティボルトの挑戦に乗ってしまうけんかっぱやさとそれに対応できるだけの実力がある。ベンヴォーリオはそんな個性的な二人に振り回される弟分。ちょっと危なっかしいところもありつつ二人にかわいがられてるし、個性的な二人を追いかけている。ちょっと浮き世離れした穏やかさ・・・という設定が哲也の個性と合っているかというと微妙なところもありますが(苦笑)、初演より3人の個性分けができてたのはよかったですし、橋本さんのちょっと鼻持ちならない感じがするけど憎めないマキューシオ、兄貴分二人を追いかけ回してるけど一番の常識人(笑)で人懐っこいベンヴォーリオという組み合わせはよかったです。見ていてなんだかほのぼのした気分になります。踊りの面で一ついいことじゃないけどよくなった点がありまして・・・。この三人組のなかで初演はやっぱり哲也の踊りが飛び抜けてて三人組としてもまとまりがあまりなかったのですが、今回はきれいにまとまってました。まとまってましたが、別に橋本さん伊坂さんが哲也の水準に追いついたというわけではないのがちょっと寂しいところではあるのですが。
東野さんのジュリエットははまり役ですね。無垢で純粋なところ、なにもしなくてもお嬢様なところが、そのおっとりした彼女の気質がジュリエットだと思いました。踊りも本当に羽のように軽やか。すごくよかったと思うのですが、後ひと味何かが足りない。う〜ん、それが舞台の難しさなのかもしれません。
乳母はこんな若い方で大丈夫かと思ったら相変わらずコケティッシュでかわいい、パワフルな乳母でした。これはキャラクターの設定が秀逸だからできたのかも。キャピュレット夫人もちょっと心配したのですが、美しく優雅な貴婦人でした。キャピュレット卿には言うことがありません。この舞台の屋台骨を支えている人だと思います。彼がいるだけで舞台が引きしまる。パリスは存在感が出てきたと思うのですが、何となくうごきがもっさりしてるのがもったいない。
振り付けの変更なのですが、あまりにも多かったので思い出せるところだけ。
元に戻してほしい筆頭は舞踏会のシーン。ジュリエットの友人の踊りは助長。この作品はスピード感も大切だと思うので、あの場面はお預けを食らった気分でした。その後のジュリエットの登場からロミオと恋に落ちるまでの時間も前の方がマスクの向こうに徐々に惹かれていく胸の高鳴りが感じられました。ティボルトの死後、キャピュレット卿がなかなか出てこなくて、最後のモンタギューの旗を引き裂くシーンがなかったのがちょっと残念。これはティボルトの死によって生じた憎しみを両家のさらなる対立という形でなく、ロザラインが愛する人を失った苦しみという一点に集中させたか等かとも思います。全体的なことなのですが、哲也の現在マイブームなのか「二番プリエで横歩き」という振りが頻出してましたが、これはいまいちきれいじゃなかったのでどうにかしてほしいです・・・。
ロザライン、ティボルト関係はほぼ再演のほうが好きです。キャラクター付けがはっきりしたと思いますし、ロミオとジュリエットに対になる存在として二人の姿が浮かび上がってきたと思います。ロザラインと三人組の踊りも楽しかったし、マキューシオの死のシーンはティボルトのさらなる非道っぷりがよく出てた。マンダリンダンスは一部振り付けが気に入らないところもありますが、男性4人+ベンヴォーリオという組み合わせは「うちのバレエ団これだけ踊れるイケメンがいるんだぜ、いいだろう!」という哲也の声が聞こえそうな気がしましたが、全くその通りだったので目の保養でした(笑)。
初演の方に見慣れてしまったので再演の振り付けの方がよかったと言い切れないのが残念なところですが、カンパニーの実力としてはやっぱりあがってると思います。私自身がロミオとジュリエットという作品はタイトルロールの二人の恋よりも周りの人々の生きざまに惹かれるので、雑多な街の様子やそこにいる人々が生き生きと闊達にしているKバレエ版はとても好きです。
一つ思ったのが、哲也には早く完全新作を作ってほしいということ。ロザラインという存在がとても魅力的ですがその複線がうまく解消できてると思えないのです。それは曲やストーリーを考えると当然で、だったらその点までしっかり解消できるようなオリジナルのストーリーを作ってほしいと感じました。哲也にはそれができると思うのです。全幕ものの新作が久しくないので、来年あたりないかしらと期待しております。
[1712] ゆず (2011/05/08(Sun) 13:35:39)
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