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壁抜け男(2012/02/19)

四季劇場(秋)

デュティユル :  飯田洋輔
イザベル :  樋口麻美
部長・刑務所長・検事 :  青木 朗
八百屋・娼婦 : 丹 靖子
デュブール医師・警官2・囚人・弁護士 :  寺田真実
B氏(公務員)・警官1・看守1・ファシスト : 金本和起
C氏(公務員)・乞食・看守2・裁判長 : 川原信弘
画家 : 永井崇多宏
M嬢(公務員) : 戸田愛子
A夫人(公務員)・共産主義者 : 久居史子
新聞売り :  有賀光一
★★★★

 繁忙期のおかげで最近なかなか舞台に行けないのですが(いや、まあ、でもたまには稼がないと旅行にも行けない・・・)、この週末は珍しく予定なしの2連休ということでせっかくだから何か見に行きたいなあと思っていました。バレエ関係もいいものが多かったのですが、前日にエビータを見たためにミュージカル気分だったのでこちらに。「平凡な公務員そのもの」の飯田さんデュティユルが見てみたかったのです。前日にしては上出来なB席が取れたり、バックステージツアーがあったり、結果的にはとってもお得な公演になりました。

 全体的なことを言ってしまうと、前に見た時の方がレベルが高かったなあと。娼婦はまえも丹さんだったけどあの時は歌えていたのに今回は「お年寄りは大切に!」としか言いようがない状態だし、画家とM嬢は悪くはないけど、ちょっとあくが足りない。部長と検事はもうちょっと語ってほしいなとか。思い出補正もあっていまいちと思うところもあったけど、面白かったと思えた一番大きな要因は飯田さんのデュティユル!石丸さんのデュティユルも悪くなかったのですが、彼が一番ぴったくり来るのは「野生の女」のフローランで、生まれながらに恵まれた才能を持っていて、それをひけらかさず、それが嫌味にならない、そんな不思議な人だと思っていたので、このさえない公務員というのがどうもしっくりこなかった。役者さんだから技術でなんとかしていたけど、それが分かってしまった感じ。飯田さんの場合は逆で、技術的にはまだ足りないところもいっぱいあったし、主役として中央に来るにはまだ物足りない。でも、「デュティユル」そのものでした。不器用でさえなくて、周りの空気を読まず行動するところが周りをいらつかせる。同僚たちが目障りに思っていたのがすごくよく分かった。そしてデュティユルというのは本当にとんちんかんで、停電してすぐに気にするのが花の水やりとかそれはおかしいだろうと突っ込むべきなのに、なぜかこのデュティユルだとそういう的外れなことを考えるのに納得してしまう。壁を抜けられてとまどってくるくるぱあだ〜と目を回してるところもすごく納得。変な振り付けと思わず、そんなことをしそうだと思える。さえないところと人とずれてる感じがデュティユルという役にぴったりで・・・って、なんだろう、このほめてるのに全然ほめてる気がしない感じは(笑)。でもとってもかわいくて、やってることがすっとんきょうでも温かく見守りたくなる感じがしました。
 イザベルの樋口さんかわいかった〜〜〜。彼女が出てくると周りがぱーっと明るくなるという人がいたけど、納得。「あこがれの人」という言葉にピッタリの明るくかわいらしく華やかな雰囲気。もうちょっと歌にパンチが欲しいかなあと思ったけど、登場時間そんなに長いわけではないのにちゃんとヒロインとしての存在感がありました。デュティユルと比べて年上のような年下のようなちょっと不思議な雰囲気。基本的にデュティユルの方が年上に思えましたが、つやっぽいからたまに彼女の方が年上に見える面白いバランスでした。

 個人的に大好きな警官2と弁護士は今回もとっても素敵でした〜。医者はそこまでよくなかったけど、警官2のちびっこくてちょこちょこしているところがとても素敵だった。弁護士も一体何回司法試験受けたんだよと突っ込み入れたくなるところがつぼにはまりました。そしてこちらもちびっこくてかわいい♪B氏、C氏もさり気なく歌がうまくって耳が至福。公務員の適度に力が抜けた感じも、看守のちょっと気合いの入った感じも良かった。個性的ではないけど、堅実にうまい人も大事。A夫人はもともと好きな枠なのですが、小柄な体にメガネがキュートで素敵ですし、パンチのある凛々しい高音がかっこよくて満足です。新聞売りはもうベテランだからその透明感のある声は大満足。でも、彼なかなか出世しないなあとちょっと微妙な気分にも(苦笑)。

 少ないメンバーで綴られる小作品なんで、全体的にもうちょっと個性にパンチがきいてたら良かったなあという希望はあります。あと、初演の時みたいに生バンドが欲しい〜〜。ストーリー的にすごく好きというわけではないですが、いい作品を見たなあという満足感がある舞台でした。あと、つい最近Notre Dame de ParisのDVDを見ていたので、ああ、フランスミュージカルだなあと思ったり。たまに見ると楽しい作品を久しぶりに見ることができて、とても楽しかったです。(何年も前に覚えるほど見た作品の感想をいまさら言うのって難しいですね・・・)

 バックステージツアーは良かったのですが、会員以外も参加OKなのにじっくり見せてくれたのでものすごい時間がかかったのが残念と言えば残念かな。待った甲斐はありましたけどね。実はこういうイベントに参加したことはほとんどなかったので、初めて秋劇場の舞台に立ちました!とにかく舞台の裏が想像以上に広くてびっくりでした。そして客席がとても近く見えました。セットも小道具もとても作り込まれていて、そこを仕事場とする人たちのことが、久しぶりにうらやましく思えました。

[1828] ゆず (2012/02/20(Mon) 00:29:51)



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