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Kバレエ くるみ割り人形(2015/12/20)
マリー姫:佐々部佳代
くるみ割り人形/王子:池本祥真
ドロッセルマイヤー:杉野慧
クララ:涌田美紀
雪の王:福田昂平
雪の女王:浅野真由香
★★★★
赤坂ACTシアター
池本さんの王子デビューとなった公演と同じマリー姫とドロッセルマイヤー。今年はクララがデビューになります。それにしても長いこと求めてやまなかった新しいクララが今年は二人もいるというのがなんとも不思議な感じです。
涌田さんのクララはどこか荒薪さんに雰囲気の似たクララでした。ちょっと最初から最後までふつうのクララで、とてもかわいらしかったけどインパクトがなかったのが残念でしたが、もちろん特別な破綻もありませんでした。ただちょっともったいなかったのが、しっかり踊り込んでいて安定感があった分、子供っぽさが薄かった気がしたこと。それはそれで問題はないはずなのですが、佐々部さんのマリー姫はどちらかというと天真爛漫という感じで、ちょっとしっかり者といった感じのクララに子供っぽいマリー姫というのは若干バランスが悪かった気がします(花のワルツで二人が踊るシーンになると、内気な女の子とおてんばな女の子という感じで、どちらもお姫様に見えないんですよ・・・)。ドロッセルマイヤーが杉野さんということでリフトはあと一息と感じましたが、河合さんはばっちり決まっていたので数をこなせば形になるのではないかと思います。というか、ちょっといろいろもったいなかったのでもう一度キャストを改めて見てみたいです。
池本さん、なんだかんだでこの役は彼に似合うのかもしれません。生粋の王子ではない王子役。「王子です!」と全面に立って出るのでなく、姫の一歩後ろで彼女を温かく見守る、そんな王子。1幕で王子に戻るときは悪夢から一瞬覚めたようにどこか夢見心地、2幕で王子に戻るときはようやく長く閉じこめられたくらい世界から解放されたように輝くような笑顔を見せる。本当に彼の笑顔は優しくて、温かい。最後のクララとの別れ際の寂しそうに笑って別れ難そうに彼女の手にキスをするのもとても好き。踊りについてはいちいちポジションがパーフェクトで言葉もありません。「どうだすごいだろ!」という押しの強さが全く感じられないのも彼らしいと思います。本当にきれいに足があがるし、足のラインが恐ろしくきれいだし、見ていて清々しい気持ちになります。マネージュも体のラインも飛ぶときの動線も全て美しくって、ただただ見惚れるばかりです。どうにもこうにも池本さんの踊りは踊りそのものが好きなので、見られればそれで幸せという気分になります。
佐々部さんのマリー姫は柔軟性も高く足も大変強いのにいわゆる「強靱」という強さでなく美しいのですが、とりあえず苦手な振りとそれがうまくいったときに「心配」「うまくできた!」を顔に出さないでいただけるとありがたいです。ほかの演目では気にならなかったのですが、なぜか去年に引き続きマリー姫だけは気になりました。あとは無邪気すぎて「姫」に見えないのがなんとかならないかなあとという、三年たっても同じ感想でした。
二人とも踊りはうまくなっていると思いますし、舞台の中心に立つ安心感もあり、もう「若手抜擢」なんんていってられない安定感なのですが、なんか、こう、三年たっても変わらないなあというお二人でした。
ドロッセルマイヤーの杉野さんは相変わらず年齢不詳の不思議な存在。キャシディさんと比べてクララとやはり年齢が近く感じる分、それはそれで魅力的です。2幕でネズミを襲来を受けたとき、ネズミからクララをかばってくれるのが大変好きです(いえ、キャシディさんいつもおろおろするばかりで・・・)。相変わらずおしゃべりなドロッセルマイヤーで、若干内気なクララに対して、人形たちの踊りの間中なんかしらしゃべっていて楽しかったです、視線泥棒。最後、クララを家に送り届けるとき、キャシディさんだと「いつか大人になる少女」を見ている気がするのですが、杉野さんは大きな役目を果たした少女に対して「お疲れさま」と見守っている気がしました。自分たちを救ってくれる少女を捜し出して、導いて、守って、もてなして、送り届ける。これがキャシディさんと違った距離感で一貫していて、改めて魅力的なドロッセルマイヤーだと思いました。
雪の王国は浅野さんと福田さん。派手さはなくとも堅実に踊りこなしてくれるお二人です。最後の回転で若干もたついたかと思いましたが、なんだかんだ安心してみられました。福田さんの腕の動きが大変おもしろく、粉雪たちを全て操っているような重々しさがありました。ああなるほど、王者と思える動きでした。雪の王って「振り」として踊ってる人が多いのですが(杉野さんは本当に「演技」でしたが)、その「振り」と「演技」のバランスのよい雪の王というあたりが、とても彼らしかったです。
フリッツは矢野さんに変わってました。相変わらず「子供そのもの」の軽やかさ。勢いよくぴょんぴょん跳んでいるところが大変魅力的です。
花のワルツは大惨事にならなくってよかったですね、益子さん(根に持つ)。
アラビア、西成さんはがとにかく大柄でびっくりしました。石橋さん堀内さんというえらく渋いふたりを従えるにふさわしい強さがありました。うまく言葉にできないのですが、年齢の厚みを感じさせつつも色気が強すぎることなくバランスのいい三人で気に入っています。西成さん、長身でありながら体も結構柔らかくて魅力的でした。
スペインは福田さんと篠宮さんという組み合わせが大変華やかです。特に福田さんは雪の王国では封印していたきらきらオーラがやはり素敵です。
中国人形、河合さんがかわいい!もの悲しげなお顔立ちだから笑うと本当にかわいいんです(と前も言った)。ほっそりした体つきということもあって、針のように細やかな動きが見事でした。兼城さんも最初の体がきれいに二つ折りになるジャンプも見事、相変わらずの軽やかな踊りでした。
ロシア人形絶好調でした。途中で2回拍手が起きるのは久々ですが、それも分かる、本当に舞台からはみ出しそうな勢いのあるジャンプでした。(フランス人形よかったと思うんだけどね、ちょっとドロッセルマイヤーによそ見をしていたのでね、記憶にない)
なんだかんだ言っておりますが、楽しかったです。ただ、今年のくるみは若干クララとドロッセルマイヤー寄りで楽しんでるかなあと思うところはあります、大好きですが。
パーティーシーンのどうでもいい小ネタとか兼城さんとか(男の子は変わらず、紳士は石橋、篠宮、坂元、堀内、山本、田中。女性は見てる余裕なし)。
冒頭のシーンで矢野フリッツと兼城少年のやりとりが本当に勢いがあって楽しかった。兼城少年、子供たちの踊りのところでも周りにちょっかい出しながら踊るのがかわいくてかわいくて。若干騒ぎすぎて石橋紳士に頭ぽこっとされるところもかわいいです。人形をもらうシーンではいつも要領が悪く、列から追い出されたり割り込んだりして一番最後になります。石橋紳士と堀内紳士の落ち着きぶりが異常。酔っぱらった堀内紳士が石橋紳士に介抱されてたと思うのですが、気づいたら堀内紳士が階段の上に放置されていた。そして目が覚めて酔っぱらいつつツリーを見ている堀内紳士の耳元でラッパを鳴らす兼城少年(最悪だ)。堀内紳士が酔っぱらいながら蘭夫人を抱え上げようとして猛烈抗議を食らっていたところが大変素敵でした。ちなみに堀内紳士は帰り際に娘に顔を寄せて上機嫌なところが大好きです。そしてその時の蘭夫人が大変良くできた美人のいい奥様。
以上、どうでもいい小ネタでした。
[3057] ゆず (2015/12/22(Tue) 00:16:08)
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