チケットを取ったとき、お目当ては岡さんのジャベールでした。 岡さんのジャベールがもう一度見たかったというのがあり、さらに土日祝でテナルディエが駒田さんとなると 自然に今日のソワレになってしまいました。 コンサートだからいろいろな人を見てみたいけど、マリウスは初日とおんなじ禅さん。 まあいっかー、マリウスだしと思ってチケットを取りました。

 もーだめです、頭の中禅さんのマリウスでいっぱいです。 前回かなり書いたので新たに書くことってそんなにないのですが、もう、惚れ込みました。 マリウスの年齢に相応しい若々しさや初々しさを持ち、禅さんの年齢に相応しい歌唱力と演技力があるなんて・・・・。 反則としか言いようがないマリウスでした。 あれだけ演技が丁寧で、あれだけ余裕を持って歌ってくれると本当に気持ちいいです。 相変わらずマリウスそのものでした。
 レミゼは本当に難しい役が多いのでマリウスが一番とはとても言えないのですが、やはりこの役も難しいと思います。 コゼットと同じ意味で。 最後まで生き残って幸せになる役というのは、下手に演じると嫌味になってしまうというか、なんというか・・・。 なんかカチンと来るものがあったりすることもあるのですが・・・・。 そんな部分が少しもないマリウスでした。 コゼットと共に未来へ続く希望というか・・・ああ、幸せになってくれー!

 そんなわけで、禅さんの目に光る涙に心惹かれつつ、私のレミコンは終了しました。 初日と比べると今一歩という気はしましたが、でも面白かったです。 今一歩と感じたのは、ひとつにはアンサンブルさんが減っていたこと。 そのために厚みがなくなったというか、迫力がなくなったというか・・・ちょっぴり肩透かしを食らった気分でした。 プリンシパルの方々についても、ちょっと物足りないものがありました。 前述の禅さんや駒田さんはもう、文句なくおなかいっぱい楽しませていただいたんですけどね。 得に岡さんで感じたのですが、前回のアンジョが「アンジョルラスそのもの」だったのに対して、 ジャベールは「きれい」とか「さすがにうまいな」とか、そんな言葉が何度も頭をよぎりました。 「役そのもの」じゃなくて「うまい」と感じた、だから少し物足りない部分がありました。 うーん、自分で言っててなんですが、すごく贅沢なこと言ってますね(笑)。
 お目当てだった石井さんと岡さん、お互いにまだ若いなという感じがありました。 ただ、歌についてはもう言うことがありません。 年を重ね、演技に深みを増していって欲しいと思います。 やっぱり音程が確かで声質が良くて声量があって、それで歌詞が聞き取りやすいと本当に聞いていて気持ちいです。 石井さんの声の柔らかさは本当に魅力的でした。 「彼を帰して」、聞き惚れました。 岡さんのジャベールは相変わらず「一部の隙もない」といった風情でした。 自殺のオクターブ上げも聞けたし、満足。 「スターズ」も素晴らしかったです。 やっぱりアンジョももう一度見たいけど、じっくりジャベールをやって欲しいと思う、複雑なファン心理(笑)。 駒田瀬戸内夫妻。 宴会乞食で駒田さんが歌い、瀬戸内さんが客席の手拍子を仕切るといった役割分担が素敵♪ 前回はうまく手拍子ができなかった部分があるので感謝感謝です。 河野さんのコゼットは調子が悪かったのか、一部声がかすれていたところが残念。 笹本エポ・・・さすが迫力あるなとは思ったが、それ以外の記憶なし。 ええ、マリウスしか見てなかったんです、今回も。 留守さんのアンジョは、いまいち声質が好きになれず。 アンジョについては私の仲に確固とした「理想像」が出来上がってしまってるので仕方ないかなと思ってます。
 やっぱりいいキャストで見るとこの作品は面白いものだとしみじみ思いました。 このキャストだったらね、本公演でも行きたい。 次がいつになるかは分かりませんが、きっと成長しているであろう彼らの姿が、今から楽しみです。

 まあ、どうでもいい話なのですが、禅さんがマリウスやるとしたらここ1,2年がさすがに限度だろうなと思います。 やって欲しい、というか、「そうします、コゼットのため」が聞きたい!
 しかし、本当に禅さんは大穴でした。 彼が本公演でやってたときも絶対見ていたのですが、全く記憶にありません。 エリザベートでも見なかったし(チケットはとったのだけど、色々あって別の日のチケットと交換した)。 サイモンもそんなに好きじゃなかったし (たいした役じゃないから目に付かなかったとか書こうとしたけど、ウィーンとケルンではほれ込んだよ(苦笑))。 ちょっとこの先追いかけてみたくなりました。
 母上にも話して困らせてみたのですが、彼にやって欲しい役(なるべくこれから5年以内)。 ジキル&ハイドのタイトルロール、もしくはアスペクツのアレックス。 どっちのほうが確立低いでしょうね、はっはっは(涙目)。 (2004/07/10)


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