やっぱり好きなので、いずれ前日予約で行くとは思いましたが、まさかこんなことになるとは思いませんでした。 前日行った母上が「ヘロデの衣装が違ってた」というようなことをいっていたので、もう、いろいろな意味で楽しみでした。

 2階席後方からの観劇でした。 で・・・・はじめに言ってしまいますが、後ろのほうが群集の下手さが切実に分かりますね。 東京で「コンタクト」を見たときと同じ。 踊れる人が、面白い振り付けにしたがって踊ってるだけ。 踊りというのは言葉以上に人の気持ちを雄弁に語ることが出来る表現のはず。 大阪で「コンタクト」を見たとき、しみじみとそれを感じました。 ジャポネスクは、振り付けが本当におもしろいと思う。 でも、今日見てみたらそれはやっぱり「振り付けどおりに動いてる」だけ。 そこには感情も何もない。 起伏もなく面白い台本を棒読みしてるのと同じ、感情を乗せずにただ音符通りに歌ってるのと同じ。 ちゃんと動きで感情を表してくれればもっと面白いのにと思ってしまいました。
 そう感じたのは、二階席のほうが全体をはっきり見ることができるからかもしれません。 やっぱりオーバーチュアは全てが本当に素晴らしいです。 群集の登場シーンは本当に鳥肌が立つほど素晴らしいです。 そしてその後の踊りというか、動きも、面白い。 前回はその面白さだけに目を奪われていたけど、今回はそれにちゃんと物語があることが分かった。 虐げられて、救いを求めていた人々が、ジーザスを見つけるまでの物語。 この作品の物語の導入部分を、しっかり踊りで表現してるんだと思ったんだけど・・・・ とにかく役者がそれについていってない。 演出が本当に見事だった分、残念に思いました。

 ところで、私の夢は、JCSのジャポネスクを生オケ+優れた役者で構成された群集で見ることです。 想像しただけで、背筋が震えるくらい、面白いものになると思う。 見れる日は、果たして来てくれるのか・・・・。

 そんなわけで、一部に致命的な不満はあったものの、やっぱり楽しんできました。 もう、いくら文句があっても、どうしようもないくらい好きです。 全てが象徴的な不思議な世界で、そんなところがとてもすき。
 時間がないので、ざっと感想を。
 柳瀬ジーザス、ちょっと声の調子が悪いのかと思うところはありました。 彼のジーザスを見ていると、ネパールのクマリを思い出した。 生神様、一度テレビで見ただけなんだけど、でも、なんとなく思い出してしまった。 人間だけど、人間じゃなくて、でも神様になれなくて、人間にも戻れない。 その存在全てが、何かとても悲しい。
 井上マリア、この間見たときよりずっと大人びていた。 「今宵安らかに」の歌詞がすごくしっくり来る。 まだうまく言えないけど、やっぱりずっと眺めていたい。 一瞬、なんというのかな、ジーザスを支配したいというか、手に入れたいというようなそんな思いが覗けた。 ああ、やっぱり彼女はマリアだ。
 吉原ユダ。 テレビに向かって話しかけているような感じがするといってた母上、まさにその通り。 歌はすごくうまいと思うんだけど・・・・作品から浮き上がってて、ジーザスとほとんど気持ちの交流がない。 ところで、たった一度の口付けはどこ行ったーーー!! せめてキスしてくれよ・・・抱きつくだけじゃどうしようもないって。
 ジョンシモン。 高さんよりはましだと思ったけど・・・・存在感もあると思ったけど・・・・。 大塚さんを期待していった私としては肩透かしを食らいました。 大塚さん、カムバック〜〜〜!!
 下村ヘロデ。 大塚ヘロデを見たとき「下村さんでこの衣装だったら目のやり場に困るな」と思いました。 目のやり場に困りました・・・・。 昼も夜も、思わずそのおみ足に目が行ってしまったあほは私です。 ああ、ばかでごめんなさい。 エルサレムのときより、パワーダウンした感じはありましたが(お疲れ?)、 やっぱり面白かった! 息つく暇もない迫力です。 竹棒をバトンのように回すところも、兵士へのびんたも良かった。 ラストのきめポーズもヘロデっぽくばかで面白かった。 すっごく細かくて、でも存在感が大きくて、オペラグラスで見ても、眼鏡で見ても、どっちでも楽しい。 楽しかったー。

 他にも色々書きたいことはありますが、とりあえず、これだけ。 (2004/08/12)


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